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- 幅広い分野で活躍しているモザンビーク出身のJICAプログラム修了生が、それぞれの成果を披露するために一堂に会しました!
9月27日、モザンビークのマプト市内の会場とオンライン参加者をつないで、ABEイニシアティブおよびSDGsグローバルリーダープログラム(以下、SDGs-GL)の報告会及びネットワーキングフェア2024を開催しました。会場では、在モザンビーク日本大使館・濱田圭司大使やモザンビーク政府関係者からご挨拶をいただきました。
本イベントの現地会場となったモザンビークのホテルには約40名、オンラインでは30名以上の参加者が集まり、活気に満ちたイベントとなりました。
輝かしい実績を成し遂げたABEイニ修了生3名、SDGs-GL修了生1名が登壇し、自身の過去から現在に至る成功体験を、さらに日本とモザンビークの関係強化に向けた今後のビジネスや研究計画について発表しました。
修了生による日本企業とのつながりを強化した成果発表
最初に登壇したABE8バッチ修了生のモライス・セルジオ・エリディオ氏は、現在取り組んでいる画期的なプロジェクトについて発表しました。彼は、株式会社アセンティア・ホールディングスでのインターンシップ中に、日本で見たコインランドリービジネスによって母国の人々が健康的な生活を送ることができるようになるという熱い想いをもって、母国でコインランドリービジネスを立ち上げるという魅力的なビジネスアイデアを同社に提案しました。彼の熱意にあふれた提案に賛同した同社の協力の下、現在、日本からコストパフォーマンスに優れた中古機器を輸入して、マプトで初のコインランドリーの事業を展開しようとしています。彼の情熱とビジネス哲学には、多くの日本のパートナー企業が共感しています。また、この取り組みを通して、毎日洗濯をしなければならない負担から女性たちを解放し、より自由に時間を使えるようにしていく過程で、社会変革の推進を目指しています。この事業が今後どのように展開していくか、非常に楽しみです!
ABE8バッチ修了生のモライス・セルジオ・エリディオ氏
次に登壇したABE8バッチ修了生のサフリナ・エルネスト・チコ氏は、新潟県の国際大学でMBAを取得後、現在は、日本の中古車輸出会社で勤務しており、日本国外の新規市場開拓や、自社のサービスや製品の革新に取り組んでいます。彼女はまた、モザンビークの若者たちが、中古車オークション市場における日本の専門知識やネットワークにアクセスできるよう支援を行っています。彼女は将来的に、電気自動車(EV)の所有者が、空になったバッテリーを、充電時間を待たずに即座に、フルチャージされたバッテリーに交換できるようにするという、リサイクル可能なエネルギー貯蔵システムを提供したいと考えており、社会改善を促すためのネットワーキングの重要性を強調しました。
ABE8バッチ修了生のサフリナ・エルネスト・チコ氏
次に登壇したABE4バッチ修了生のチャカ・シルビオ・デ・ロペス・マフイアネ氏は、京都大学で工学を学び、農業機械を活用して、母国の小規模農業の機械化を積極的に進めています。日本から中古の農業機器を輸入し活用することで、モザンビークと日本の両方に利益をもたらす持続可能なソリューションを創出し、モザンビークの小規模農業にポジティブな影響を与えています。
ABE4バッチ修了生のチャカ・シルビオ・デ・ロペス・マフイアネ氏
続いて登壇したのは、SDGs-GL プログラムの先駆者であり、同プログラム2020修了生のパペル・ジョアン・フィリペ博士で、彼は現在、科学者として世界的に活躍しています。彼は日本で博士号を取得し、イギリスとドイツで開催された権威あるIEEE(電気電子技術者協会)の国際会議で、画期的な研究発表を行いました。現在彼は、モザンビークの大学で研究者として教鞭をとりながら、同大学と日本の東海大学、及び国連大学との連携も積極的に推進しており、両国の繁栄に貢献しています。彼はIEEEの”Consumer Systems for Healthcare and Wellbeing”部門で、初のモザンビーク人メンバーに任命され、この分野における世界の研究活動に大きく貢献しています。未来のJICA留学生たちにとって、彼の成功への強い意志は、間違いなく大きな励みになることでしょう。
SDGs-GL 2020のパペル・ジョアン・フィリペ博士
JETROマプトによるモザンビークにおける日系民間企業の事業概要の共有
最後に、JETRO(日本貿易振興機構)マプト事務所の松永篤氏から、日本企業がモザンビークにおいて今後どうすれば事業を発展させていくことができるか、これまで、いかに日本企業がモザンビークに投資し、経済に貢献してきたのかについて示唆に富んだ意見を共有して頂きました。これらの日本企業の貢献によって、今後両国間のビジネス協力がさらに深まっていくことでしょう。
JETROマプト事務所の松永篤ディレクター
プレゼンテーションの後、活発な質疑応答セッションが行われ、参加者はビジネスに関連する質問を熱心に投げかけ、本イベントが非常に有意義なものとなりました。
閉会の挨拶では、JICAモザンビーク事務所の大塚和哉所長より、本イベントに参加したすべてのABEイニ・SDGs-GLの修了生・研修員と日本企業に感謝の意が述べられ、今秋から日本で学ぶABE11バッチ研修員に激励の言葉が送られました。
JICAモザンビーク事務所の大塚和哉所長
JICA修了生、日本およびモザンビークの企業、政府関係者間の協力関係を強化するための機会を提供
イベント終了後、現地会場に出席していたモザンビーク政府関係者、日本大使館、現地の日系およびモザンビーク企業、ABEイニおよびSDGs-GL修了生が交流し、会場は事業活動や連携のアイデアを共有する場となり、関係者間で新たなネットワークが生まれました。
本イベントを通じて、ABEイニおよびSDGs-GL修了生と研修員が、お互いの経験や活動から学びを深め、意見交換を行い、ネットワークをさらに強化する機会となりました。また、日本企業やモザンビーク政府関係者は、ABEイニシアティブ事業についての理解を更に深めることができました。
JICAは今後も、ABEイニおよびSDGs-GL修了生および研修員のネットワーク強化、日本企業との連携を促進し、日本国政府を代表してアフリカと日本の架け橋となる人材の育成に努めて参ります。
現地会場での集合写真
オンライン参加者の集合写真
(実施概要)
- イベント名: モザンビークABEイニシアティブ報告会・ネットワーキングフェア2024
- 日付: 2024年9月27日
- 主催者: JICAモザンビーク事務所
- 場所: モザンビーク、マプト:ラディソンブルホテル&レジデンス、マプトおよびオンライン参加
(スピーカー) “*”はオンライン参加者を示します。
- ABEイニシアティブおよびSDGs GLプログラム修了生
サフリナ・エルネスト・チコ氏(ABE8バッチ修了生)*
パペル・ジョアン・フィリペ博士(SDGs-GL 2020修了生)*
チャカ・シルビオ・デ・ロペス・マフイアネ氏(ABE4バッチ修了生)
- 日本企業 - 名前、役職
(プログラム概要)
- 9月27日(金)
- 開会の挨拶&ゲストスピーチ:
- 在モザンビーク日本大使館・濱田圭司大使
- エルナニ・ムカンハネ氏、CTA代表
- カルラ・カオンバ氏、MCTES代表(IBEディレクター)
- JICAおよびABEの概要:JICAモザンビーク事務所
- ABEイニおよびSDGs-GL修了生よるプレゼンテーション
- JETROマプト事務所・松永氏によるプレゼンテーション
- 閉会の挨拶:大塚和哉氏、JICAモザンビーク事務所所長
- ネットワーキングセッション(現地のみ)
- 開会の挨拶&ゲストスピーチ:
【背景・目的】
JICAは、アフリカの産業人材や行政官や若手研究者等の育成を目的とした長期研修事業を実施しています。今回開催された成果報告会では、以下の2つのプログラムの修了生・研修員を集め、日本企業との連携を促進するために開催されました。
<対象プログラム>
- アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ) :
- SDGs グローバルリーダー :
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