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- 日本での留学生活開始にあたっての指針を習得する「来日プログラム」を実施
日本各地の大学院にて留学生活を開始した、アフリカ出身研修員が一同に参集
2024年11月16日および17日、来日したばかりのABEイニシアティブ(以下、ABEイニ、ABE)、SDGsグローバルリーダープログラム(以下、SDGs-GL)の研修員を対象に、都内の会場で来日プログラムを開催しました。日本各地の大学院で留学生活を始めたばかりの、アフリカ出身の研修員が一同に参集し、プログラムの概要説明や講義受講とネットワーキングも併せ、充実した2日間を過ごしました。
今回初めて出会う研修員達も多く、期待と抱負に満ち溢れた研修員156名が集まった会場は、熱気に包まれていました。
全体集合写真
来日プログラムの初日は、梁瀬直樹JICAアフリカ部長の歓迎の挨拶で始まり、新しい研修員を迎え開催できることの喜びが伝えられた後、それぞれの研修プログラムの目的が共有され、これから始まる留学生活に対して激励のメッセージが述べられました。続くJICA事業紹介では、TICAD9が来年8月に日本で開催されること、JICAのアフリカにおける様々な取り組みについて紹介のほか、アフリカ協力におけるABEイニシアティブ及びSDGsグローバルリーダーの両プログラムの位置づけが説明され、各参加者がその一翼を担う「JICA研修員」であるという意識を高めました。
梁瀬JICAアフリカ部長による開会挨拶
修了生による、日本で今後過ごす上での有益なアドバイスの伝授と、将来のビジョンに関するグループディスカッションの実施
ABEイニ修了生4名:Mr. Yves Freddy ABEME BOUOTO(ABE 5バッチ修了生・カメルーン)、Ms. CHICO Safrina Ernesto (ABE 8バッチ修了生・モザンビーク)、Mr. DIARO Abdulazeez(ABE 9バッチ修了生・ナイジェリア)、Ms. GUIZANI Amani(ABE 6バッチ修了生・チュニジア)を壇上に迎え、パネルセッションを行いました。
テーマは、日本での学業・日常生活について、日本企業・団体・政府機関とのネットワーキングやプログラム修了後のビジョンについてであり、日本語習得の重要性や、文化をより良く知ること、日本人・日本企業とのネットワーキングの機会は学業の場以外にも周囲に常に存在するので機会を逃さないこと等、修了生自身の貴重な経験やアドバイスが共有され、その示唆に富んだ内容に研修員達も感銘を受けた様子でした。
その他、この来日プログラムでは、研修員間のネットワーク構築が目的の1つである為、JICAアフリカ研修員のOB・OGによって組織されているKakehashi Africaの取り組みについても紹介されました。
その後のアフリカの地域別に分かれて行ったグループディスカッションでは、各々のプログラム修了後のビジョンを共有し、そのビジョンに向けて具体的に何をしていかなければならないかについて、修了生のファシリテーションのもと、活発な議論が行われました。
ABEイニ修了生によるパネルセッションの様子
グループディスカッションの様子
日本企業によるABEイニ生との連携事例やインターンシップの紹介
2日目の前半セッションでは、ABEイニシアティブ事業において、長年インターンシップ受入にご協力いただいている日之出産業株式会社取締役の藤田香氏より、同社の事業紹介やABEイニ生との連携事例の紹介が行われ、実際に同社でインターンを経験したABEイニ修了生からもビデオメッセージが寄せられました。藤田氏からは、研修員に求める役割と資質について、お互いWin-Winの関係になる事業展開ができることを望んでいること等、具体例を交えながら説明が行われ、ABEイニ修了生からは、インターンシップで得た経験や知識を大いに活用していくことについて話されました。
会場では、JICA研修で得た人脈や、大学院で得た知識をもとに、プログラム修了後いかに母国の社会発展に貢献するか、いかに日本企業とアフリカとの懸け橋になるかを考えながら真剣に発表を聞く研修員の様子が見られました。
日本企業の事例紹介として、長年ABEイニシアティブ事業と共に歩んできた日之出産業株式会社の藤田 香 取締役からの事業紹介
ABEイニ修了生・SDGsグローバルリーダー研修員の好事例紹介
Ms. Norton Nirina Rafarahanta(SDGs 2023・マダガスカル)は、会場にて自身の経験のもと研修員へアドバイスを送り、Ms. ROCHER Dominique Francoise (ABE 7バッチ修了生・南アフリカ共和国)は、ビデオメッセージにて、研修員に向け今後の日本での学業・日常生活についての意義深いメッセージを送り、研修員達も傾聴していました。
日本での研修につき、大元となる心構えの「志」や、リーダーシップについての白熱講義
2日目プログラムの最終セッションでは、リーダーシップや日本企業・団体・政府機関との連携について学ぶ機会として、グロービス経営大学院の若杉忠弘教授より、政策立案や民間セクターとの連携を主導するにあたり期待されるリーダーシップとは何か、そもそもリーダーシップとは如何に生まれるのかというテーマで、研修員との活発な意見交換も含めた活気あふれる講義が行われました。
この講義により、研修員が将来どのような未来を創っていきたいのか、自身が母国で何を実現するためにどのようなリーダーシップを発揮すべきか、そしてそのために必要な要素は何かについて、SDGs-GLの文脈からも考えを深める好機となりました。
若杉教授による白熱した講義の様子
参加した研修員からは、今回の来日プログラムにて様々な国の研修員とつながりを持つことができ、修了生の声を聴けたこと、また多くの質疑応答やグループワークもあり、参加型スタイルの講義は期待以上であり、大変有意義であったという声が多く聞かれました。
遠く祖国を離れ、異文化の日本で共に過ごして行く仲間として、友人としてネットワークを作れたことは、彼らの将来のビジネスのためだけではなく、人生の中でも有益であると思われます。
今回の来日プログラムに参加した研修員は、これから日本での留学生活を通して、自身の専門分野に関する学びを深めていきます。JICAは引き続きABEイニシアティブおよびSDGsグローバルリーダー研修員のサポートを続けながら、ネットワーク強化と日本との連携を促進し、アフリカと日本の架け橋となるより多くの人材育成に尽力します。
今回の来日プログラムにて、新たなネットワークを作った研修員
【実施概要】
- 会議名:ABEイニシアティブ11バッチ、SDGsグローバルリーダー2024研修員向け来日プログラム
- 開催日: 2024年11月16日(土)、17日(日)
- 主催: JICAアフリカ部
- 場所: 新宿NSビル
【参加者】
- ABEイニシアティブ11バッチ
- SDGsグローバルリーダー2024(アフリカ地域出身者)
- タンザニア財務計画省人材育成・能力強化プロジェクト
- 11月16日(土)
- 梁瀬直樹:JICAアフリカ部長
・JICA事業紹介
・プログラム概要の説明
・2年間のロードマップ説明
・修了生によるパネルセッション
- Kakehashi Africa (KA) 紹介
注)Kakehashi Africaは、ABEイニシアティブ研修員がアフリカと日 本企業の連携促進を目指して立ち上げた団体
- 日本での学業・日常生活について
- 日本企業・組織とのネットワーキングについて
- プログラム修了後のビジョンについて
- 質疑応答
・グループディスカッション
- プログラム修了のビジョンについて意見交換
- 11月17日(日)
- 藤田 香氏:日之出産業株式会社 取締役
・アフリカ事業概要説明
・何故アフリカ事業が重要なのか
・ABE生との連携(インターンシップ)について
・ABE生に期待すること
・ABE修了生の体験談(滞日中に学んだこと)
・日本語の重要性
・質疑応答
- Ms. Norton Nirina Rafarahanta (SDGs 2023修了生)
- Ms. ROCHER Dominique Francoise (ABE 7バッチ修了生)
・リーダーシップ研修
- 若杉忠弘氏:グロービス経営大学院教授
【背景・目的】
JICAは、アフリカの産業人材や行政官や若手研究者等の育成を目的とした長期研修事業を実施しています。今回開催された来日プログラムは、以下の2つのプログラムの研修員に対し、(1)各プログラムに関する理解を深め、JICA留学生としての意識付けを行うこと、(2)日本企業との連携や、民間セクターとの連携を踏まえた政策立案等に係る理解を深め、来日中に企業との連携に関する意識を持つこと、(3)日本での生活に適応して、学業において成果を発揮できるようになるために、留学生同士のネットワーク構築および修了生との意見交換、日本語学習等の基盤づくりを行うことを目的として実施されました。
<対象プログラム>
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アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)
:
アフリカの産業人材日本企業のアフリカビジネスをサポートする「水先案内人」の育成を目的として、アフリカの若者を対象に日本の大学での修士号取得と日本企業などでのインターンシップの機会を提供するプログラム -
SDGs グローバルリーダー
:
達成に向けた開発協力を推進するためキーパーソンとなりうる優秀な行政官や若手研究者等の高度人材の育成を目的として、日本の大学での修士/博士号取得の機会を提供するプログラム
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