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- 留学の集大成に向けて実りある日々を: アフリカ出身留学生向けネットワーキングセミナー・個別プログラム開催
アフリカ出身の留学生が一同に会し、ネットワーキングセミナーを開催!
2025年3月19日、2023年度に来日したABEイニシアティブ、SDGsグローバルリーダーをはじめとするアフリカ出身の留学生を対象に、残りの留学期間の過ごし方や帰国後のキャリアについて考える機会を提供すること、留学生間のネットワーク構築などを主な目的として、「JICA留学生ネットワーキングセミナー・アフリカ個別プログラム」を都内の会場で実施しました。
同じアフリカから来ているとはいえ、普段は全国各地の大学で学んでいる留学生にとって、東京で皆が一同に集まる機会は大変貴重であり、当日は雪も降るあいにくの天候でしたが、約140名の留学生が集まった会場は熱気に包まれていました。
(集合写真)
(日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟会長の逢沢一郎衆議院議員によるご挨拶)
(三原朝彦JICA特別アドバイザーによるご挨拶)
(モロッコ王国のラシャッド・ブフラル駐日特命全権大使によるご挨拶)
JICAによるセッションでは、JICAアフリカ部から、アフリカでの産業開発やビジネス分野での協力、さらに帰国後のフォローアップ支援策の概要説明と今後のロードマップについて説明がありました。留学生たちは、自分たちに期待されている役割を改めて認識する機会になったことと思います。
続いて行われたアフリカビジネス協議会(JBCA)によるセッションでは、外務省アフリカ部の村上顯樹TICAD担当大使・外務省アフリカ部参事官から、今夏TICAD9が横浜で開催されることを念頭に、日本とアフリカ諸国との関係強化の重要性が述べられ、参加した留学生たちはそれぞれの思いを胸に熱心に聞き入っている様子でした。
(留学生へ激励のメッセージを送る外務省アフリカ部の村上顯樹TICAD担当大使・外務省アフリカ部参事官)
また、JBCAの佐藤隆正事務局長からは同協議会の活動紹介、日本貿易振興機構(JETRO)企画部企画課の佐々木直様からは、日本企業のアフリカにおけるビジネスの現状や、同機構のビジネス支援策についての説明が行われました。さらに今後の日本企業のアフリカにおけるビジネス展開に関する示唆に富む分析が示され、日本企業との連携を考えるうえで多くのヒントを提供する内容であり、参加した留学生たちは真剣に耳を傾けていました。
(JBCAセッションの様子)
自身の経験を後輩へ・・・:ABE修了生によるパネルディスカッション
(パネルディスカッションの様子)
パネルディスカッションでは、ABE修了生2名が登壇し、プログラム修了後のキャリアパスや、これまでの歩みを振り返りながら、卒業までの残りの期間をどのように有意義に過ごしたのかなどについて、自身の貴重な経験を共有しました。その後の質疑応答では、活発な意見交換が行われ、充実した議論が繰り広げられました。
現在、日本のエンジニアリング企業で活躍しているAmani GUIZANIさん(ABE 6バッチ修了生/チュニジア)は、率先して行動を起こすことの重要性や、日常の何気ない活動を通じて相互理解を深め、人脈を広げていく方法などについて、実践的かつ具体的なアドバイスを示しました。また、異文化環境や専門外の分野に対しては、柔軟な姿勢を持つことが不可欠であると強調し、特に、日本企業でのインターンシップにおいて専門外の業務を任された際には、まず前向きな姿勢を示し、一見困難に思える課題にも主体的に取り組み、解決策を模索しながら努力を続けることが大切であると、ご自身の経験を交えて語りました。
日本とアフリカ双方の発展を目指し活動するNPO法人の創立者の1人でもあるGNONA Dovi Ayi Sergeさん(ABE 8バッチ修了生/コートジボワール)は、日本での生活や仕事において成功するためには、まずは明確な目標を設定することが重要であり、加えて、自身の態度や心構え、そして人的ネットワークを有効に活用することが鍵であると述べました。また、日本のビジネス環境について、意思決定には時間がかかるものの、一度決まれば迅速に物事が進むという特徴があると指摘し、日本の商習慣に慣れ、柔軟に対応する姿勢が求められること、そして何よりも、自らの努力を惜しまないことが成功のために不可欠であると強調しました。
(先輩である2名の登壇者へ、様々な質問を行う留学生たち)
日本とアフリカの架け橋になるために:グループワーク
午後に行われたグループワークでは、参加者がアフリカの国・地域ごとに分かれ、ABEイニシアティブ事業の目的の1つでもある「日本とアフリカの“架け橋”になる」というテーマのもと、帰国後のサポートやイベントに関する活発な意見交換が行われました。
TICAD9を見据えた日本とアフリカ諸国の関係強化に向けたアイデアの提案や、今後のJICA留学生事業のさらなる質向上に寄与するような提言を行うグループも多く見られ、有意義な議論が展開されました。画期的なアイデアを出した幾つかのチームが全参加者に向け発表を行う等、このグループワークを通じて、多くの具体的な示唆が得られ、充実した時間となりました。
(グループワークの様子)
今回のプログラムでは、参加した留学生たちは自身の将来について具体的に考える貴重な機会を得るとともに、グループワークを通じて意見を交わし、提案を練り、発表する機会を得ました。これら一連の共同作業のプロセスが、ネットワークを築く場ともなり、今後のビジネスやキャリア形成における重要なステップとなることが期待されます。
【実施概要】
会議名:JICA留学生ネットワーキングセミナー・アフリカ個別プログラム
開催日: 2025年3月19日(水)
主催: JICAアフリカ部
場所: 大田区産業振興センターPiO
【対象者】
以下のプログラムに該当するアフリカ出身の留学生
- ABEイニシアティブ第10バッチ
- SDGsグローバルリーダー2023
- タンザニア財務計画省人材育成・能力強化プロジェクト
- その他地域部・課題部組成プログラム
- 公費・私費留学生
【プログラム概要】
3月19日(水)
- 開会挨拶:
- 日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟会長 逢沢一郎衆議院議員
- 三原朝彦JICA特別アドバイザー
- ラシャッド・ブフラル駐日モロッコ王国特命全権大使
- 集合写真撮影
- JICAセッション
- JICAアフリカ部計画・TICAD推進課 更科亮主任調査役
- アフリカビジネス協議会(JBCA)セッション
- 外務省アフリカ部 村上顯樹TICAD担当大使・外務省アフリカ部参事官
- 佐藤隆正事務局長
- 日本貿易振興機構(JETRO)企画部企画課 海外地域戦略班(アフリカ担当) 佐々木直氏
- パネルディスカッション
- Ms. Amani GUIZANI(ABE 6バッチ修了生/チュニジア)
- Mr. GNONA Dovi Ayi Serge(ABE 8バッチ修了生/コートジボワール)m
- グループワーク
- 閉会挨拶
- JICAアフリカ部計画・TICAD推進課 松村元博課長
<対象プログラム>
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アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ) :
アフリカの産業人材、ビジネスにおいて日本とアフリカの架け橋となる人材の育成を目的として、アフリカの若者を対象に日本の大学での修士号取得と日本企業などでのインターンシップの機会を提供するプログラム。 -
SDGs グローバルリーダー :
各国が抱える SDGs の政策課題の解決に向け、政策決定に深く関わるトップリーダーとなること、そして、日本の関係者(官公庁、民間企業、大学、NGO、JICA 等)と各分野のネットワー クを構築・強化し、結果として、日本を良く知る人材の育成、日本との繋がりを強化することを目指すプログラム。
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