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ケニア、ソマリア、セーシェル、エリトリア出身のABEイニシアティブ&SDGsグローバルリーダーの帰国報告・ネットワーキングイベントをケニアで開催
2024年5月14日、ABEイニシアティブ(以下、ABEイニ)とSDGsグローバルリーダー(以下、SDGs)の修了生のうち、ケニア、ソマリア、セーシェル、エリトリア出身者を対象に帰国報告・ネットワーキングイベントが実施され、現地及び日本国内の日本企業17社、帰国研修員及び現役留学生、現地政府関係者、日本大使館等併せて約80名が参加しました。
今回は、ケニア共和国の首都ナイロビのイベント会場と、日本、周辺3か国(ソマリア、セーシェル、エリトリア)をオンラインで接続した、ハイブリッド形式で実施されました。
本イベントでは、最近帰国したABEイニ修了生やSDGs修了生からの帰国報告に加え、日本企業に就職したABEイニ先輩修了生の好事例の報告、ケニアで活躍する日本企業2社からの事業説明、JICAアフリカ留学生のOB・OGによって組織されるKAKEHASHI AFRICA(以下、KA)による活動紹介が行われました。
写真1:オンサイト会場での集合写真
写真2:オンライン会場での集合写真
イベントはJICAケニア事務所林次長の歓迎の挨拶で始まりました。林次長からは、報告会を通して、JICA修了生と日本企業や政府間関係者とが修了生の経験を共有できることに対する喜びが伝えられた後、修了生に対し、日本とケニアならびに周辺3か国間のビジネスネットワークに対するさらなる貢献への期待が述べられ、参加者の意識を高めました。
修了生による発表で日本企業とのつながり強化の事例を共有
続いてJICA修了生のうち日本の大学院卒業後間もない5名より、日本での専攻やインターンシップの経験等が紹介されました。卒業後に、日本留学前の官庁に戻り、日本より中古の農業機器をアフリカに輸入している日系企業と連携して、ケニアの農家に日本製機器を導入している事例や、日本の大手総合建設企業に就職し、現地のインフラ建設事業を通して、ケニアの人々の生活レベルの向上に貢献している事例等、日本とアフリカの架け橋になっている事例が多く紹介されました。
ケニア政府関係者や民間部門、日本やアフリカ在住の日本企業の間で、これらJICAの研修プログラムの重要性について認識を高めることができました。加えて修了生間のネットワークも強化でき、現役研修員にも、日本での勉学や日本企業や団体との関係構築が、自らの将来にとって重要であることが深く認識されました。
写真3:会場でのQ&Aセッションの様子
写真4:帰国後の成果をオンラインで発表するJICA帰国研修員
日本企業からの事業概要の共有により、JICA修了生との連携について深い議論に発展
続いて日本企業2社より、各社の事業概要がJICA修了生と共有され、自動車製造・販売を担う現地法人に就職したABEイニ修了生たちから、現地での部品調達から車体組立、販売までのバリュー・チェーンの確立、ならびにCSR活動を通した地域社会への貢献等が紹介されました。また、当該ABEイニ修了生からは、入社の経緯、入社後の職務内容等についても共有され、日本企業への就職を希望する現役留学生には有効な情報となりました。
今回イベントに参加された日本企業は、既にアフリカで事業を展開中の企業も多く、JICA研修の修了生の活躍の場となっており、事業紹介だけでなく、修了生との連携事例を紹介する良い機会となりました。
写真5:修了生による日本企業各社の事業概要説明のシーン、左から、Isuzu East Africa Ltd・Patrick Githongo氏、Victor Maina氏、JICAケニア事務所・林次長
ABEイニ修了生からの好事例共有やKAの事業紹介をとおして、JICA修了生同志の縦横の連携活性化の契機に
先輩ABEイニ修了生より、太陽油化株式会社様が開発した有機肥料の製造装置をアフリカ諸国に設置し、小規模農業の現場に当該肥料を投入することで、農業生産性を飛躍的に向上させている事例が紹介され、参加した修了生より興味ある質問が多数上がりました。
続いて、KAによる活動紹介が行われました。KAはアフリカ全土に広がるJICA研修員のネットワークを活かし、日本企業のためのビジネスプラットフォームとして活動しており、JICA修了生が連帯して活動することの重要性や有益性について理解を深めることが出来ました。
ABEイニで修士号を取得したアフリカの若者たちが、日本企業に就職しビジネスパーソンとして活躍する中、または母国で行政官として日本とのつながりを深める中で、母国の政治経済の各分野で活躍し、日本とアフリカとのかけ橋となるべく、国境を越えて躍進している姿が、改めて発信・共有される機会となりました。
写真6:先輩ABEイニ修了生からの太陽油化株式会社様での好事例紹介
写真7:KAケニア・カントリーマネージャーからのKA事業紹介
本セッション後には、会場参加者向けにネットワーキングのための昼食会が行われ、参加者間で親交を深め、ケニアの産業の発展や日本企業のケニアでの更なる事業活動の活性化について、活発な意見が交わされました。
今回のイベントを通して、いかに日本企業とアフリカとの懸け橋になるかを考えながら、真剣に日本企業と議論を交わす修了生の様子が見られました。
JICAは引き続きABEイニシアティブおよびJICA長期研修プログラムの研修員や修了生のサポートを続けながら、ネットワーク強化と日本企業との連携を促進し、アフリカと日本の架け橋となる、より多くの人材育成に尽力します。
実施概要
会議名:ABEイニシアティブ帰国報告会/ネットワーキングフェア2024(ケニア、ソマリア、シーセル、エリトリア)
開催日: 2024年5月14日
主催: JICAケニア事務所
場所: ケニア共和国ナイロビ市 Mercure & Pullman Hotel Nairobi Upper Hill ならびにオンライン参加
登壇者
“*” means online participants.
- ABE Initiative & SDGs Global Leader Program ex-participants
Mr. IRERI Sabastian Macharia ABE 7th Batch (Kenya)
Ms. WANGARI Catherine * ABE 7th Batch (Kenya)
Mr. GIBSON Omwansa Javes * ABE 7th Batch (Kenya)
Mr. MACHARIA Peter Kuira ABE 7th Batch (Kenya)
Ms. SUMMAYA Nor Abdi * SDGs 2021 (Somalia)
Ms. LE BORGNE Enora Elisabeth Marie-Therese *ABE 5th Batch (Seychelles) - 在ケニア日本企業 氏名、役職
Isuzu East Africa Ltd
Mr. Githongo Patrick Njiraini (Senior Finance Business Partner)
Mr. Maina Victor Wambugu (Quality Engineer, Vehicle Systems)
Koei Africa Co., Ltd.
Mr. WATANABE Akifumi (Technical Director) - Kakehashi Africa カントリーマネージャー
Mr. KIBE Kaige ABE 3rd batch (Kenya)
プログラム概要
5月14日(木)
- 開会の挨拶
JICAケニア事務所 林次長 - JICA研修修了生による発表
- 日本企業プレゼンテーション( Isuzu East Africa Ltd 、Koei Africa Co., Ltd )
- ABEイニ先輩修了生の発表
- KA発表
- 閉会の挨拶
JICAケニア事務所 - ネットワーキング昼食会
背景・目的
JICAは、アフリカの産業人材や行政官や若手研究者等の育成を目的とした長期研修事業を実施しています。今回開催された成果報告会では、以下の2つのプログラムの修了生を集め、日本企業との連携を促進するために開催されました。
対象プログラム
アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ):
アフリカの産業人材、ビジネスにおいて日本とアフリカの架け橋となる人材の育成を目的として、アフリカの若者を対象に日本の大学での修士号取得と日本企業などでのインターンシップの機会を提供するプログラム。
SDGsグローバルリーダー:
各国が抱える SDGs の政策課題の解決に向け、政策決定に深く関わるトップリーダーとなること、そして、日本の関係者(官公庁、民間企業、大学、NGO、JICA 等)と各分野のネットワー クを構築・強化し、結果として、日本を良く知る人材の育成、日本との繋がりを強化することを目指すプログラム。
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