12/18(月) AFRI-CONVERSE 2023 #4 "アフリカにおけるイノベーションの台頭:持続可能な開発のための起業ソリューション" を開催します

2023.11.28

  • 日時: 2023年12月18日(月曜日)
  • 時間: 16:30~18:00(日本時間)
  • 形式: ハイブリッド開催(要事前登録)
        -対面:東京大学 HASEKO KUMA-HALL
        -オンライン:Zoom
  • 参加費: 無料
  • 言語: 日本語(英語・フランス語の同時通訳あり)
  • 共催機関: 独立行政法人国際協力機構(JICA)、東京大学、国連開発計画(UNDP)

概要

独立行政法人国際協力機構(JICA)、東京大学、および国連開発計画(UNDP)は、アフリカの開発課題について有識者や現場レベルの担当者がパネル形式で登壇する対話型イベント「AFRI CONVERSE」を共同開催します。通算16回目となる今回は、外務省のTICAD30周年記念公式サイドイベントとして実施し、同省アフリカ部アフリカ第一課の西野課長にもご挨拶いただきます。

メインのセッションは、実際に起業を経験された方々を含めたパネリストにご登壇いただき、「アフリカにおけるイノベーションの台頭:持続可能な開発のための起業ソリューション」をテーマに、アフリカにおける社会的課題の解決に貢献する起業(Entrepreneurship)と、そのような起業を育むエコシステムの醸成について、現状と課題、そして今後の展望について議論します。

プログラム(日本時間)

時間 プログラム 登壇者
16:30 - 16:33 イントロダクション UNDP駐日代表事務所 近藤千華
16:33 - 16:38 開会あいさつ JICA理事長特別補佐 中村俊之
16:38 - 16:43 ゲストスピーチ 外務省アフリカ部アフリカ第一課長 西野修一
16:43 - 17:57 パネルディスカッション
質疑応答
<順不同、オンライン登壇含む>
  • Cinzia Tecce 民間セクター開発専門家 UNDPマラウイ事務所
  • 伊月温子 JICA経済開発部 民間セクターグループ 主任調査役
  • 染谷隆夫 東京大学 執行役・副学長、教授
  • 秋田智司 WASSHA株式会社 代表取締役CEO
  • (Entrepreneur from Africa)
17:57 - 18:00 閉会

参加登録

背景

アフリカの経済は豊富な資源と若い人口を有し、成長と発展の機会が広がっています。しかし、経済基盤や社会インフラの不足から、依然として貧困や不平等が深刻な問題となっています。この結果、アフリカ諸国の人間開発指標は世界平均よりも低い水準が続いています。この課題に対して、アフリカの民間セクターは重要な役割を果たしており、特にスタートアップ企業は急速な成長を遂げています。教育、農業、ヘルスケア、エネルギー、金融などの分野で新たなソリューションを提供し、社会経済的な課題に取り組んでいます。

例えば、株式会社WASSHAは、東アフリカの小規模小売店であるキオスクと提携し、低所得層の消費者に対して手頃な価格で電気を提供しています。アフリカでは6億人を超える人々が電力へのアクセスがない状態で生活していますが、同社は電気が利用できない状況にある人々にエネルギーへのアクセスを提供し、エネルギー貧困の軽減に寄与しています。同様に、アフリカの多くの地域で金融機関が不足している中、スタートアップはモバイル通信の普及を活かし、デジタル手段を通じて金融サービスへのアクセスを改善しています。これにより、フィンテック分野の新興企業が急速に拡大し、モバイル決済やモバイルバンキングアプリを通じてデジタル金融リテラシーを広めています。2021年には、テクノロジー分野におけるユニコーン企業(評価額が10億米ドルを超える非上場の新興事業)7社のうち5社がデジタル・フィンテック企業でした 。

上述のようにアフリカのスタートアップは、社会経済問題の解決に大きく寄与しており、そのための投資も増加傾向にあります。2022年には、アフリカのスタートアップへの投資が過去最高の54億ドルに達し、日本からの投資も拡大しています(Africa Business Partners 2022 )。日本企業や投資家はアフリカの成長市場への関心を高めており、新たな機会を探っているといえますが、スタートアップを支援しているのは民間セクターに留まりません。例えば東京大学は起業支援の一環として、研究・教育成果の実用化と社会還元を目的としたスタートアップのインキュベーション施設を運営しており、アフリカに進出するスタートアップの支援も行っています。これにより、アフリカと日本の経済的な結びつきが強化されると同時に、アフリカのスタートアップが新たな成長機会を見出す一助となっています。また、JICAは2020年に始動したProject NINJA(Next Innovation with Japan)などのプロジェクトを通じ、アフリカにおけるビジネス・イノベーション創出に向けた起業活動を支援しています。

アフリカのスタートアップに対する日本の投資には以下の3つの意義があるといえます。第一に、アフリカの包括的な経済成長の促進です。アフリカは最も急速に人口が増加しており、アフリカ大陸自由貿易地域(AfCFTA)の下、より統合された市場によって増幅された経済成長が今後も続くと予想されます。アフリカのスタートアップへの投資は、この経済成長を促進し、特に最も脆弱で資本力の乏しい企業に新たなビジネスチャンスを創出します。第二に、技術革新の促進です。アフリカのスタートアップは多くの場合、独自の問題を解決する革新的なビジネスモデルを持っています。例えば、アフリカの国境地帯にある村の貯蓄貸付組合のデジタル化は、資本性を改善し、金利を引き下げ、バリューチェーンの確立を強化し、中小企業に金融へのアクセスを提供しています。最後に、知識と資本の移転を通じた国際協力関係の醸成です。日本企業はアフリカにおける新たな市場機会を活用できるようになると同時に、現地の雇用創出と経済発展に貢献することができます。これは、アフリカの貧困削減や社会問題の解決に貢献するとともに、日本とアフリカの経済的・政治的結びつきを強化することにつながります。

このような背景から、日本政府はアフリカビジネス推進戦略を策定し、アフリカの新興企業への投資を拡大する方針を採用しています。アフリカのスタートアップへの投資を通じて、日本企業は新たな市場機会を追求し、アフリカの経済発展と社会課題の解決に貢献することが期待されています。

このセッションでは、スタートアップへの投資の視点から、アフリカ大陸における今後の発展の展望について、関連する様々なバックグラウンドを持つ登壇者が議論します。

AFRI CONVERSEとは

JICAとUNDPは、日本政府主催のTICAD(アフリカ開発会議)並びにアフリカ開発をテーマとする対話型のイベント「AFRI CONVERSE(アフリコンバース)」を2020年から共催しています。「AFRI CONVERSE」では過去のTICADで取り上げられた開発課題のフォローアップと、今後のTICAD開催に向けた議論醸成を目的にこれまでに計14回実施し、日本とアフリカからのべ約3,300人が参加しました。過去に取り上げたテーマには「アフリカにおけるイノベーションとスタートアップの展望」や「サヘル地域の平和と安定について」、「アフリカのデジタル促進」などがあります。15回目となる今回は、次回TICAD9の横浜開催を見据え、多くの日本の皆さんにご参加いただくべく、日本語での開催となります。

【本件に係る問い合わせ】

JICAアフリカ部 渡守 麻衣(Tomori.Mai@jica.go.jp)

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