高専オープンイノベーション(KOI)のキックオフイベントを長岡技大と開催しました!
2024.06.11
JICAは6月4日、国立大学法人長岡技術科学大学(鎌土重晴学長、以下長岡技大)と共同で、全国の高専生のアイデアでアフリカの社会開発課題解決を目指すハッカソン、高専オープンイノベーション(KOI) -Challenges from Africa 2024-」(以下高専OI)のキックオフイベントを長岡技大で実施しました。今回は来年8月の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)開催を見据え、新たに長岡技大とタッグを組んだ新体制でのキックオフとなりました。
キックオフイベントには、JICAの中村俊之理事長特別補佐と長岡技大の鎌土学長に加え、今年度の高専OI課題国であるマダガスカルから阿部康次駐マダガスカル・コモロ日本国特命全権大使にもご出席頂いたほか、過去の高専OIに入選し、ケニアで自身のアイデアの実証実験(アメリカミズアブによるごみ処理)を行った経験をもとに農業分野での研究を続ける元長岡高専生(現長岡技大生)も登壇し、自身の高専OIでの経験について発表しました。
冒頭挨拶では、鎌土学長から「長岡技科大は県内の自治体から地球規模までの課題を解決する、地域まるごとプロデュースに取り組んでおり、大学のリソース(人材)を活用しながら今回の事業を推進したい」とのお言葉を頂きました。また、阿部大使は「単にお金を出すのではなく、高専生に現地を訪れてもらい社会課題を解決するという日本らしい素晴らしい協力」と期待を寄せて頂きました。JICAの中村理事長特別補佐は「これまでの、アフリカのために、という“for Africa”から、これからの、アフリカとともに歩む“with Africa”、さらにはアフリカから学ぶ“from Africa”の時代にふさわしい取り組み」との挨拶がありました。
KOIキックオフイベントの様子(写真・長岡技大提供)
高専OIは、2019年からこれまでに4回実施され、全国の13高専から延べ203名が参加しアイデアを競いました。
過去の高専OIではケニア(長岡高専:アメリカミズアブの肥料・飼料化)やルワンダ(北九州高専・都城高専:コーヒー豆の糖度自動測定装置の開発、宇部高専:ゲーム機能を搭載した栄養・健康改善指導アプリ機能の開発)、ナイジェリア(佐世保高専・北九州高専:自己発電型水道メーターの開発)など計12件を提案・制作しました。また、アフリカで実証実験を行った高専生発案のソリューションを日本の地域課題にも応用すること(リバースイノベーション)を目指しており、実際にアメリカミズアブの肥料・飼料化事業はアフリカでの実証実験を経て日本での実用化が進められています。
アフリカの社会開発課題への取組とリバースイノベーションを組み合わせた試みが評価され、高専OIは2023年度日本オープンイノベーション大賞(内閣府主催)の最優秀賞(内閣総理大臣賞)に選ばれました。
(左から)JICAの中村理事長特別補佐、阿部駐マダガスカル・コモロ日本国大使、長岡技大の鎌土学長(写真・長岡技大提供)
高専OIのロゴ
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