JICA元長期研修員インターン生(現在、大学講師)
Biya Girma HIRPOさん 名古屋工業大学大学院工学研究科卒業 アディスアベバ大学 エチオピア建築・建築・都市開発研究所所属 エチオピア連邦民主共和国 出身
今回はJICA研修員として、名古屋工業大学大学院工学研究科に留学していたMr. Biya Girma HIRPO(ビヤ)さんとインターンシップ先の(株)丸八テント商会の原駿一郎さんにお話を伺いました。
2回シリーズの第1回目は元JICA研修員ビヤさんへのインタビューです。
(聞き手:JICA中部 研修業務課)
インターンシップを始めてから、とても驚かされたことは2つあります。一つは、日本人のインターン生たちは勤務時間が17時までなのにもかかわらず、皆19時と遅くまで働くことです。そしてもう一つは、お客様からお電話がかかってくるや否や、皆が一回目の電話音で、電話を取ろうとすることです。
詳細さの水準: 業務のどの工程においても、慎重に計画し、設計図/施工図に落とし込んでいきます。現場では、まさに描かれた設計図/施工図のとおりに進めるので、大きな修正が必要ありません。日本で建設工事がスケジュール通りに進むのは、このおかげだと思いました。
ゴミ収集: 自分の国の建設現場では、ごみがたまり、汚れているのですが、ここ日本では、毎日仕事が終わると、ごみを集めてごみ箱に入れます。おかげで一日の終わりには、現場はいつも綺麗な状態になっていました。
安全第一!: 丸八テントでは毎朝、仕事を始める前に「ご安全に」とかけ声をかけていますが、それが実際に、従業員皆の怪我予防への注意喚起になっていました。その一方で、ほとんどの従業員の方が喫煙者でしたので、皆さんの健康や会社の生活が心配になりました。
丸八テントは、私自身が「ビジネスでの成功」をどうとらえるかということに、大変大きな影響をもたらしました。エチオピアでは、起業をするモチベーションというのは、早くお金持ちになるためというのが主です。しかし、(丸八テントで学んだことは)自分の目的や目標、貢献といったものが、主なモチベーションでなければいけないということです。その目的を持って取り組んでこそ、初めて特定の分野で抜きん出るようになるのです。この姿勢は、まさに達成したいことがあるときに役立ちます。私は「生き甲斐」という、人生の目的や意義を見出す日本のコンセプトが大好きになりました。
科学技術の進歩のおかげで、リモートインターンシップというのは、学生にとっても、また、自宅や母国等、違う国からでも勤務できるようになるなど、絶好の機会となりました。私も緊急事態宣言期間には、リモートインターンを経験しましたが、実はエチオピアに帰国後もインターンシップ活動を続けようと考えています。とはいえ、物理的にもその場にいる必要がある仕事もあるため、一部、リモートインターンでは活動が制限される面もありますね。
私のアドバイスとしては、
インターン先企業を探す際には、自分の研究分野と関連があるところを是非探してください。企業が何に取り組んでいるのかが理解できないと、業務をつまらなく感じてしまう方もいると思います。
日本語能力の向上も是非努力してください。
インターン先では、誰とでもコミュニケーションをとり、いろいろな活動に積極的に参加してみてください。
例えば、会社で広く使われているソフトウェアを学ぶなど、担当分野のスキルや知識を向上させてください。
会社側が、将来皆さんと働くことを検討できるように、皆さんの可能性を示し、是非何かに貢献してみてください。
※次回は、ビヤさんのインターンシップを受け入れてくださった株式会社丸八テント商会さんにお話を伺います。お楽しみに!