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アコビ オラエミ リドワンさん

長期研修員(ナイジェリア)のインタビュー 2025年3月13日

ABEイニシアティブ・プログラムの研修員として、広島大学 人間社会科学研究科 修士課程に在籍中のナイジェリア連邦共和国出身のAKANGBE Olayemi Ridwanさんに、日本での生活について教えていただきました。以下のインタビューは英語版を一部抜粋しています。
ABEイニシアティブとは

~「Declutterjpというアイデアを思い付いたのは」~
東広島市の共創型起業プログラムに採択された事業の実施

日本に来る前のお仕事や、日本に留学することを決めた理由を教えてください。
 母国ナイジェリアでは、技術系のスタートアップを支援しながら、社会や経済を発展させていくためのプロジェクトをデザイン・実施する会社で、プログラムマネージャーとして働いていました。
 様々なプロジェクトの中で特にインパクトがあったのは、JICAと共同で実施した「NINJA (Next Innovation with Japan)プログラム」です。このプログラムは、ナイジェリア国内の技術系起業家のエンパワーメントとイノベーションの促進を目的としており、この役割を通じて、JICAと、日本を知るきっかけになりました。
 JICAのプログラム(ABEイニシアティブ)を通じて、更なる研究ができると知ったときは、世界の最先端をリードする国・日本で、自分の知識や経験を深められることにとても感動し興奮しました。将来、母国やそれ以外の国の課題を、技術面で解決するための貢献ができると感じられたからです。

広島大学大学院での学習や、勉強以外でも取り組んでいることについて教えてください。
 広島大学での経験は、学内の皆さんが協力的で歓迎してくれる環境のおかげで、非常に充実しています。特に私の担当をしてくださっている先生は、最も有益な人物であり、私の研究と研究に必要な指導とサポートを絶えず提供してくれています。先生の温かいご指導のおかげで、私は学者としても個人としても、大きく成長することができています。

 Declutterjpというアイデアを思い付いたのは、私が大学で留学生として過ごしている中で、多くの留学生が来日する時や帰国する時に、家庭用品の入手や処分に苦労していることに気づいたからです。これを地域における共通の課題として認識した私は、より持続可能で、より誰もがアクセスしやすい解決方法がないかと考え始めました。

 私は「もみじ(広島大学 学生情報の森 MOMIJI)」を通じて、「円陣」(東広島市独自の“共創型”起業プログラム)を知りました。課題解決のためのアイデアを試すことができる絶好の機会だと思いました。このプロジェクトに参加したことで、実用的な解決策を見出すだけではなく、地元・東広島市のニーズについて更に理解を深めたりすることができました。

日本に来たばかりの頃と今とでは違いはありますか?
 日本に来たばかりの頃は、何もかもが新鮮で少し圧倒され、異なる文化、言語、大学の環境に順応することは、エキサイティングでもあり、挑戦的でもありました。しかし、時間が経つにつれて、私はここでの生活に慣れ、日本の文化や人々の素晴らしいおもてなしの心について、より深く理解し感謝するようになりました。

日本での最高の瞬間は何でしたか?
 忘れられない経験がたくさんありますが、最も印象に残っているのは、先日、Declutterjpが優秀賞を受賞したときです。私のチームと私が意味のあるものを作り上げるために努力した証でしたし、誇りと達成感を感じました。
 もう一つのハイライトは、息を呑むほど美しい日本の場所を探索することです。宮島の穏やかな平和から、広島平和公園の魅惑的な光景、さらには地元広島県の隠れた名所まで、これらの経験は日本の文化と自然の美しさへの理解を深めるきっかけとなりました。一瞬一瞬が、日本での生活の豊かさと、幸運にも日本で経験できた機会を思い出させてくれます。

Declutterjp 以外で、日本滞在中に日本人と交流することはありましたか?
 はい。私は、ここ東広島でJICA中国が主催するいくつかの異文化交流プログラムに参加しました。これらのプログラムを通じて、日本の文化を学び、地域住民ともつながり、自分の文化を共有する機会を得ました。これらの相互作用は本当に豊かだと感じています。

東広島市での普段の生活などについて教えてください。
 余暇には、カフェ巡りをしたり、広島市内のスポットを発見したり、友達とクラブで過ごしたりして、楽しくリラックスしています。休暇があると、他の都道府県に旅行し、歴史的建造物から穏やかな田園風景まで、日本の美しさを探索しています。
また、寿司からお好み焼きまで、日本食への深い理解を持つようになり、新しい料理に挑戦するのをいつも楽しみにしています。もちろん、私用にスパイスを効かせて(笑)日本食は辛さが足りないからです。

卒業後、日本で学んだことを仕事にどのように活かしていきたいと思いますか。また、日本のコミュニティや人々と連絡を取り合う予定はありますか?

 卒業後は、日本で得た知識と経験を、自分のキャリアと起業支援の仕事、両方に活かすつもりです。今年の4月からは、アフリカ市場への進出を目指す企業での6カ月のインターンシップに参加します。大学院で学んだことを実践する機会をいただけて、とても楽しみで興奮しています。
 また、Declutterjpでの私の仕事は、今後も日本・東広島市のコミュニティとの重要なつながりをもち続けるでしょう。卒業後も、プラットフォームが自立して運営できる段階になるまで、継続的にサポートしていくつもりです。これにより、東広島のコミュニティとのつながりを保つだけでなく、私の旅に欠かせない場所に貢献し続けることができます。

Message to future JICA participants.  今後来日するJICA 長期研修員へのメッセージをお願いします。

The JICA programs are a gateway to not only enhancing your academic and professional endeavors but also discovering parts of yourself you never knew existed. Be open, curious, and intentional in your journey. Remember, this is a unique chance to contribute to global development while building bridges between your home country and Japan.
Finally, cherish every moment, the challenges, the small wins, and even the quiet times. Each step you take here will shape your perspective and inspire you to dream bigger. Wishing you the best as you begin this incredible adventure.

 JICAのプログラムは、学問的・専門的な取り組みを強化するだけでなく、これまで知らなかった自分自身の一部を発見するための入り口です。オープンになり、好奇心を持ち、意図的に旅をしましょう。これは、母国と日本との架け橋を築きながら、世界の発展に貢献するまたとないチャンスであることを忘れないでください。
 最後に、すべての瞬間、挑戦、小さな勝利、さらには静かな時間を大切にしてください。ここで一歩一歩踏み出すたびに、あなたの視点が形作られ、より大きな夢を描けます。あなたがこの信じられないほどの冒険を始めるとき、あなたに最高のことが起きるのを願っています。