タッチ・ザ・ワールド~五感で知る世界のこと~ 開催
2024.02.17
2月17日(土)、ひろしま国際プラザで、小学生を対象とした視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感を使った様々な活動を通して、世界の文化や慣習について新しく発見できる体験型イベント、「タッチ・ザ・ワールド~五感で知る世界のこと~」を開催しました。現在、広島大学に在学中のキリバスやカンボジアなど13の国や地域出身の研修員たちもスタッフとして参加しました。研修員たちが普段あまり関わることがない、小学生や地域住民と交流できるとあって、わくわくしながら準備を重ねて、本番の日を迎えました。イベント当日は予想を上回る盛況ぶりでしたので、その様子をレポートします。
当日は開場から、多くの参加者で賑わいました。嗅覚を体感できるアクティビティ「スパイスチャレンジ」では、9つのスパイスの香りをかぎ、名前をあてます。「これ、わかった!にんにく!」「うわっ、くさい…」など素直なリアクションが聞こえてきました。カルダモンやスターアニスなど普段あまり見たりかいだりする機会のないスパイスの香りはとても新鮮だったようです。また、味覚と触覚を同時に体験する「手食体験」では、パキスタン出身の研修員が調理したチキンパラウ(チキンピラフ)を、彼らと同じように手で食べる体験をしました。もちろん、スパイスチャレンジにもあったクローブやクミンシードも入っています。体験が始まる前に、パキスタン出身のアッタさんから「手で食べることは、食事に集中できるようになったり、舌のやけどを防いだりといいことがたくさんあります。」と手食文化の起源や利点などの紹介がありました。実際に体験した参加者からは様々なリアクションがありましたが、「手で食べるほうが美味しく感じます!」との声もあり、それぞれが味や香り、手の感触を通してパキスタンの文化を体感したようです。
複数あったアクティビティの中で特に人気だったのが「ビーズで国旗づくり」と「研修員と話そう」でした。小さなビーズを合計81個使って作る国旗は、事前に用意した150セットがすべてなくなるくらい人気で、小さな子どもから大人までたくさんの方が体験しました。
また、研修員と直接交流できるコーナーでは、鮮やかな民族衣装を着た研修員たちが出迎えてくれました。出身国の食べ物や衣装、観光地、動物など、自慢の文化を次々と紹介する研修員たち。参加者は、初めて聞く国もあったようで興味津々の様子でした。カンボジアのロンラタさんとチョムリナさんは、大人のてのひらくらいの大きさのつる植物の種子を持ってきて、「ボッ・オンクーニィ」というボーリングに似た、お正月の遊びを教えてくれました。また、ジャマイカのシャンタルシャマイアさんは参加者とゴム飛びを一緒に楽しみました。参加者アンケートの中でも、研修員と交流したことで得た新たな発見や驚きについてのコメントが多く見られ、対面のコミュニケーションでしか得られない特別感とともに参加者の心に残ったことが分かります。
JICAと名古屋大学が共同で制作した「モンゴル防災カルタ」を体験するコーナーでは、カルタを体験しながら、モンゴルの自然環境について学びました。特に参加者のリアクションが大きかったのが、「ゾド」と呼ばれる自然災害です。これは氷点下40度以下になる寒さのことで、参加者は、想像できない寒さに驚いていましたが、モンゴル出身のジェシカさんは「モンゴルの人々は寒さに強いんです。」と教えてくれました。最近は、テレビドラマの舞台になったり、力士の出身国ということしか知らなかったモンゴルの自然や文化についても、慣れ親しんだ「カルタ」を通して学ぶことができたようでした。
今回開催しました、タッチ・ザ・ワールドは、1日で延べ240名以上の方が参加してくださいました。様々なアクティビティを通して、新しい文化に出会い、異文化への興味や関心が芽生えるきっかけになれば嬉しく思います。たくさんのご来場、本当にありがとうございました。
スパイスチャレンジ
手食文化について説明するアッタさん(パキスタン)
モンゴルの防災カルタを体験
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