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【実施報告】倉敷市教育委員会 倉敷教育センター・JICA中国連携「初任者研修-国際教育-」

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2024.07.29

日時:2024年7月29日(月)13時30分から16時30分
場所:水島愛あいサロン(岡山県倉敷市)
参加者:岡山県倉敷市 小・中学校新規採用教員 77名
主催:倉敷市教育委員会 倉敷教育センター
協力:JICA中国

岡山県倉敷市は2020年に国(内閣府)の「SDGs未来都市」に選定され、全国的にもESD(持続可能な開発のための教育)への取り組みが先駆的な地域です。その倉敷市で今年度小学校・中学校教員になられた方を対象にした初任者研修で、JICA中国が講義と演習を担当しました。
 JICA研修はグループでの自己紹介から始まり、その後の異文化を疑似体験するゲーム「バーンガ」では、ゲームの中で起こったことやそれに対する自分自身の感情を整理してもらいました。そして、それらの状況や気持ちのゆれを日常生活で感じることはないかを考えてもらうことで、身の回りでも異なる価値観に触れる機会がたくさんあることを再認識していただきました。

地域のリソースを授業に活かすヒント

今回の研修では、岡山県の2名の講師がそれぞれの異文化体験を発表しました。

一人目講師の岡山県の橋本千明国際協力推進員は、2010年にJICA海外協力隊で看護師隊員としてタンザニアに派遣されたときのカルチャーショックを、当時の写真を交えて話しました。保健衛生に対する考え方の違い、それをどう受け入れ、お互い理解し合えるようになったのか。そして、水や食といった命に係わる重要な要素が経済状況や自然環境によって平等ではないことなど、開発途上国の課題と異なる価値観とのつながりについてもリアルに語ってくれました。

二人目講師の倉敷市立万寿小学校の荒木亜紗子教諭は、2023年度JICA中国・四国実施の「教師海外研修」に参加され、アフリカのナミビアを訪問しました。帰国後、荒木教諭は「あってもいい『ちがい』・あってはいけない『ちがい』・判断が難しい『ちがい』」をテーマに授業を行いました。多様な民族から成るナミビアで考えたこと、また過去に海外で経験した小さなトラブルや、アフリカから来日した同僚のALT(外国語指導助手)が日本で体験した出来事などをもとに作成したこの『ちがい』を理解する参加型教材を、模擬授業形式で発表してくださいました。

JICAでは、JICA海外協力隊経験者やスタッフが学校を訪問し、児童生徒に体験談などを伝える「国際協力出前講座」を行っています。また、荒木教諭が参加された「教師海外研修」では、日頃から児童生徒に接する先生方に開発途上国の現場を訪問して頂き、その学びを授業づくりや学校での取組みに活かして頂いています。本研修に出席した先生方には、2人の講義と演習から、JICAなどの外部機関のプログラムや人的資源を含む地域のリソースを学校で活用するメリットや、どのような教科や活動で応用できそうかなど、教育現場の視点からの意見交換も実施しました。

ゲーム「バーンガ」を体験

岡山県国際協力推進員のボランティア体験談

荒木亜紗子教諭の模擬授業

地域や学校が多様化し、先生方が取り組むべき課題が次々と増えていく中でも、倉敷教育センターは国際教育の意義とその視点を重要視して下さり、JICA中国との連携は9年以上続いています。
JICAはこれからも、教育現場で活躍される先生方へのサポートを通じて、グローバルな視野を持った子どもたちの育成に尽力していきます。

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