【島根県海士町:実施報告】グローカルプログラム元実習生の篠宮隼さんが帰国報告会を実施しました!
2025.09.30
篠宮さんの表敬訪問にて
島根県隠岐郡海士町では、2022年1月からJICA海外協力隊派遣前研修「グローカルプログラム」が実施されています。グローカルプログラムは、JICA 海外協力隊員が海外に派遣される前に、自治体等の地域活性化や地方創生等の取組に OJT として参加するプログラムです。
2023年4月からJICA海外協力隊として西アフリカのセネガル共和国で2年間活動していた篠宮隼(しのみや・はやと)さんが、このたび任期を終えて帰国し、2025年7月15日から17日の期間に島根県隠岐郡海士町を訪問しました。篠宮さんは、協力隊派遣前の2022年10月から12月にかけてグローカルプログラムに参加し海士町で活動していました。今回の訪問はその縁を大切にした帰国報告の場となりました。
7月16日の海士町役場への表敬訪問では、大江町長や職員の方々との意見交換が行われました。篠宮さんは、セネガルの特別支援学校で子どもたちと関わりながら、ゲームやアートを通じて表現力を引き出す活動をしていたことを紹介しました。「今までできなかったことが少しできるようになって、子どもたちが笑顔を見せてくれたときは、うれしかった」と振り返りました。セネガル滞在中には、現地ファッションの一環としてドレッドヘアーに挑戦していた写真も披露され、笑いと驚きが起こる場面もありました。大江町長からは「海士町はいつでも篠宮さんを歓迎するから、また戻ってきてほしい」との言葉が贈られ、町との強い繋がりが感じられるような表敬訪問となりました。
7月16日に地域住民向けに開催された帰国報告会では、セネガルでの活動の様子が写真とともに紹介されました。篠宮さんは、「日本とセネガルには同じところもあれば違うところもあり、どちらも面白いと感じた」と語りました。特に印象に残っている出来事として、タバスキというセネガルの宗教行事に、よそ者である自分も家族の一員として迎え入れてもらった経験を紹介し、人々のやさしさに触れたエピソードなどを共有しました。
活動中に苦労した点としては、「モチベーションを保つことの難しさ」を挙げ、「無理をせず、時には休むこと、自分の気持ちを素直に伝えることの大切さを学んだ」とも語りました。また、海士町での経験を通じて、「失敗を許容すること」や「まずは一緒にやってみること」の大切さを実感し、それをセネガルで実践してきた2年間だったと振り返りました。
また、同日にグローカルプログラム中に関わった福井小学校を再訪し、国際協力出前講座も実施しました。篠宮さんが教室に登場した時は少し緊張があった子どもたちでしたが、以前一緒に遊んだことを思い出し、次第に打ち解けていきました。「セネガルで美味しかったものはなんですか?」、「セネガルは楽しかったですか?」、などたくさんの質問が子どもたちから上がり、活気ある意見交換が行われました。そして、「なぜJICA海外協力隊を目指したのか」という質問に対し、「小学生の頃、海外の子どもたちにサッカーボールを届けたいと思ったことが原点」と語り、最後に「失敗してもいい、自分が楽しいと思えることを大切にして」とメッセージを送りました。
現在は日本で福祉の仕事に携わっている篠宮さん。「海士町での経験が自分の原点。お世話になった人たちから『いつでも戻ってきたらいいよ』という言葉をいただき、あらためてこの町との縁を感じた、今後もこの地域とのつながりを大切にしていきたい」という思いを語ってくれました。
帰国報告会には多くの人が参加くださいました。
福井小学校での国際協力出前講座では沢山の質問が出てきました。
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