みなさんにとって、豊かな暮らしとは何だろう?
2022.11.21
~ネパールでの協力隊体験談より~
2022年11月1日(火)、南砺市立福野中学校の全校生徒と職員を対象に国際協力出前講座を実施し、JICA海外協力隊員としてネパールで活動した加藤泰紀さん(職種:体育)が話をしました。
南砺市の合併前の利賀村とネパールのツクチェ村は、蕎麦交流をきっかけに1989年友好都市提携を結び、現在は南砺市としてツクチェ村との交流が続いています。そんな南砺市に縁が深いネパールについて、同国で活動した協力隊の目線で感じたことや学んだことを伝えました。
(報告:JICA富山デスク 松山優子)
左から、河合同窓会事務局長、加藤さん、斉藤校長
加藤さんは、ネパールでの体験談の前に、世界の現状について話をしました。生徒のみなさんに向けて、「世界とのつながりを感じるとき」について質問すると、「インターネット」「衣服」「食べ物」といった、生活中で感じる世界とのつながりを答えてくれました。
「青年海外協力隊」という名称もほとんど聞いたことがないという生徒のみなさんは、JICA海外協力隊とは現地の人と共に活動し、モノを与えるのではなく、技術を伝え、さらに、その技術をボランティアがいなくても現地の人々だけで活用してもらえるようにすることを目的としているという話に真剣に聞き入っていました。講義後の質疑応答では190種類以上もある協力隊の職種について、「感染症やエイズ対策といった分野はどういったことをしますか?」という具体的な質問が飛び出すほどでした。
ネパールの体験談に入る際には途上国と言われているネパールを通して、『豊かな暮らし』について考えようというテーマを加藤さんが設定し、第2部の話がスタートしました。ネパールクイズでは、加藤さんが現地で教えていた体側ストレッチを用いながら、答えてもらうというスタイルで行われ、350名が1問1問ストレッチをしながら答える姿は圧巻でした。
ネパールクイズ!どっちがネパール??
加藤さんは、自分自身の協力隊活動について「必ずしもすべてがうまくいったわけではない、失敗から学ぶこともあった」と語り、あるエピソードについて話を始めました。
転がしドッチボールの授業でなかなかうまく動くことができない知的障害のある女の子、その女の子がいるチームはなかなか勝てない、そんな状況を打破するため、加藤さんや現地の先生はその女の子をチームから外そうとします。そんなとき同級生の男の子のある行動で加藤さんはハッとします。
講義の感想には、そのエピソードについて、男の子の勇気ある行動に感動するとともに、自分自身が日々どのように周囲の人々と接しているかといった生活や行動を見直すきっかけにもなったとありました。
ドッチボールの授業で行った出来事を話す加藤さん
途上国と言われているネパールの子どもたちはスマホやゲームといったものがない中でも、楽しそうにドッチボールを行い、放課後には崖を滑り降りてはまた登ることを繰りかえして遊び、カエルの歌を一生懸命歌う姿を映像で見た中学生は何を感じたのでしょうか。
最後に加藤さんは生徒に問いかけました。「みなさんにとって豊かな暮らしって何ですか?」
*****聴講した中学生の感想の一部を紹介します!*****
●1年生
●2年生
●3年生
この講座にあわせて、協力隊ネパール会の「ネパール協力隊50周年写真展」が校内で実施され、約50点の写真が展示されていました。
講座や写真展がより深い学習につながり、さらにネパールやJICA海外協力隊に興味関心を持つきっかけになることを期待しています。
●学校からのコメント:
加藤さんのお話は、とても分かりやすく、そして奥が深く、あっという間に時間が過ぎてしまいました。生徒たちも、ネパールという行ったことのない国に思いを馳せて、話を聴いていたようです。講演会終了後、教室を回ってきましたが、どの教室の生徒も真剣に感想を書いていました。生徒たちは、たくさんのことを感じ取っていたようです。
本当に、ありがとうございました。
福野中学校内での写真展の様子(加藤さんとともに)
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