地域を支える フィリピン離島の家庭養鶏プロジェクト

2023.12.25

フィリピンのレイテにて支援を行うNGO「ブルードット」は、JICAとともに、南レイテ州のリマサワ町における家庭養鶏導入を通じて、貧困層の収入向上を支援しています。

離島 リマサワ

第2次世界大戦中の激戦地としても知られ、過去10年間のうちに2度もスーパー台風に襲われたレイテ島。そのレイテ本島から船で 約40 分のところに本事業の活動地であるリマサワ町はあります。直径約10km、人口約 6,500 人の小さな離島であり、経済的に厳しい状況にあります。2021年のスーパー台風では特に大きな被害を受けました。
本事業は、リマサワ町にて気候変動や台風被害の影響を受けている、小規模な漁業従事者などの貧困世帯を対象とし、副業として「家庭養鶏」の導入支援を行うことで、継続的な収入の底上げを目指しています。

スーパー台風による被災直後のリマサワ(2021年)

家庭養鶏プロジェクトの始動

2023年8月からの活動では、ブルードットのスタッフが現地に渡航し、プロジェクトの立ち上げをおこないました。現地調査から養鶏資材業者の選定、事業開始に向けたオリエンテーションまで、地域住民と緊密に協力しながら取り組んでいます。

裨益者選定と地域社会への貢献

ブルードットの代表である赤坂さんは、2013年にレイテ島を襲ったスーパー台風をきっかけに、レイテ島でも支援の届きにくい地域を対象に活動しています。今回は相手方となる住民(直接の裨益者)の選定のための調査であることは明かさず、事実を引き出す質問を重ねることで、地元の声を聞き出しました。パイロット事業での経験を活かし、経済的脆弱性に加え、「ビジネスマインドの素質がある」「家畜飼育に対する抵抗がない」など独自基準を設け、裨益者を選定しました。また、事業開始オリエンテーションでは技術指導だけでなく、チームビルディングや金融教育なども行い、地域社会への結びつきを強化しています。

事業名称

世界の人々のための JICA 基金活用事業
「フィリピン 南レイテ州のリマサワ町(島)の貧困層に対する家庭養鶏導入による副収入の確保と教育」
(2023年8月~2024年8月)

世界の人々のための JICA 基金活用事業

JICA では、国際協力に関心のある市民の皆様、法人・団体の皆様からの寄附金を基に、開発途上国の貧困削減や日本の多文化共生社会の構築等を支援する「世界の人々のための JICA基金活用事業」を実施しています。本事業はその採択事業の一つで、持続可能な社会の実現に向けて歩んでいます。

2013年に設立されたブルードットは、スーパー台風の緊急支援を契機に、長期にわたりレイテへの支援活動を展開。復興支援や貧困対策、雇用創出など多岐にわたる取り組みを通じ、地域社会との結びつきを深めています。

代表の赤坂 友紀さん

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ