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【富山県】インドネシアの離島で日本が導入した教科「環境」が正式認定!

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs

2024.09.19

富山県にある一般社団法人インドネシア教育振興会とJICAは、経済発展とともに年々深刻になるインドネシアのごみ問題や環境問題の改善を目指して2014年から協力してきており、これまでに首都のジャカルタの近くにある南タンゲラン市の小中学校への環境教育の導入と普及に取り組み、その南タンゲラン市での成果を「南タンゲラン環境教育モデル」として、ボゴール市やバリクパパン市の小学校にも普及しました。そして現在では、草の根技術協力事業として「インドネシア国離島でのデジタル教材と日本式授業研究を活用したSDGs環境教育支援プロジェクト」を2021年6月から実施しています。

携帯電話を使用しての学習風景

本プロジェクトでは、これまでの取組みの中で確立した南タンゲラン環境教育モデルを応用し、南タンゲラン市より東に位置している小スンダ列島のタバナン県、西マンガライ県、クパン市に環境教育を広める活動を行っています。具体的には、小スンダ列島の現地の教育者が「環境」の教育を必要と感じていく中で、デジタル教材を開発し、開発した教材を現地の人たちが現地のニーズに合わせた内容に編集したり、日本式授業研究を取り入れ授業改善を行ったりしており、地道な活動で成果を積み上げて来ました。さらに、地方の教育局を対象に日本での研修を実施し、日本の取組みに触発された教育局関係者は、現地で「環境」という科目を制度化するため、インドネシア教育振興会とともに奔走しました。その成果として、西マンガライ県では県知事が決定命令書を発布し、この度、正式に「環境」が学校の教科として認定されました。さらにタバナン県とクパン市でも、正式認定に向けた手続きが進んでいます。日本でも教科になっていない「環境」教育は、デジタル教材を使用して学習することで、環境への理解を深められるよう工夫されており、開発途上国では先進的な事例になっています。下記のリンクで学習風景を見ることができます。

◎デジタル教材を使用した授業風景(動画)

生徒と先生の集合写真

このエリアには、絶滅危惧種のコモドオオトカゲが生息しており、環境について学習し、ごみ問題や環境問題を改善することは、コモドオオトカゲの保全、生態系を守るためにも必要な取り組みになっています。
今回のプロジェクトを通じて、現地教育者の環境教育への取組みが強化され、「環境」について学んだ子供たちがインドネシアの環境改善に取り組むことで、この地域の環境を守り、SDGsの達成にも貢献することが出来ます。更にはこの取り組みがインドネシア全土にも広がるよう、残り1年の活動期間でさらなる成果が期待されています。

小スンダ列島に生息する絶滅危惧種のコモドオオトカゲ

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