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高校生インドネシア体験学習リポート【前編】 国際協力現場のリアルをバリ州で体験!

#4 質の高い教育をみんなに
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#7 エネルギーをみんなに。
そしてクリーンに
SDGs
#11 住み続けられるまちづくりを
SDGs

2026.02.16

「共創の未来とやま」の関連記事としては久しぶりの投稿となりましたが、活動をしていなかったわけではありません!2025年のハイライトのひとつとして今回ご紹介するのは、8月に富山県内の高校生6名と訪れたバリ島での体験学習です。現地で目の当たりにした国際協力の現場とは?!


北陸発!かめのり財団、富山市、JICA による共創プロジェクト

「高校生を対象とした富山市の国際協力現場体験学習」は、富山市、公益財団法人かめのり財団、JICA北陸による事業です。同財団の拠点は東京ですが、2025年1月に富山市で開催した「共創の未来とやまシンポジウム」に参加いただいたことがきっかけで、今回の共同事業としての体験学習の機会が生まれました。
かめのり財団は、若い世代の国際理解・国際交流事業を展開し、未来のグローバル・リーダー育成に貢献している財団です。一方、富山市は、JICAの民間連携事業等も活用しながら、アジアや南米の国々で富山市地元企業と開発事業を実施しています。かめのり財団による青少年の友好交流、富山市による日本の技術の国際展開、JICAによる開発途上国での経験と知見、それぞれの得意分野を掛け合わせた事業となりました。参加した生徒の皆さんに、本物の国際協力現場での体験を通して、シビックプライドや国際理解の醸成につなげてもらうことが、3者共通の思いであり事業の目的でもありました。

ングラ・ライ国際空港(通称:デンパサール国際空港)到着時の様子
左端には現地コーディネーターのシンシアさん

8日間の行程で現地を訪れたのは、富山国際大学付属高校に通う生徒6名です。訪問先は、在デンパサール日本国領事館、現地の教育機関(小学校~大学)、富山市と富山市企業による国際協力の現場、JICA事業の現場(民間連携事業、草の根技術協力)など、多岐にわたりました。

現地で盛んなコンポスト

バリ島というと、リラクゼーションやサーフィンといった観光シーンを思い浮かべる方も多いと思いますが、今回の体験学習のテーマは「環境問題」。ひとえに環境といっても課題は様々ありますが、バリ島において最も深刻なのが、観光地の副産物ともいえる「ゴミ」問題です。

富山市の株式会社石橋によるコンポストプラント(ODA事業)の視察

写真(上)は、JICAのODA事業を通してタバナン県に設置された、富山市の株式会社石橋によるコンポストプラントです。1日あたり50トンの有機廃棄(生ごみ)をたい肥化することができる大型設備であり、バリ島全体のゴミのうち6割以上を占める有機廃棄物をたい肥化することで、ゴミの量を減らすだけでなく再資源化につなげています。

現地の高校生によるコンポストたい肥づくりの手順紹介

こうしたゴミの再資源化を推進しようと、バリ島の教育機関では学校にコンポストを設置しているケースが多く見られました。高校生たちが訪問した小学校や高校でも、家庭ごみや学校内の草木を持ち寄り、たい肥にする活動が実践されています。現地の人々は、目に見える形でゴミ問題に対して行動を起こしていたのです。

現地の児童・生徒たちが、自分事としてゴミ問題を考え熱心に環境活動に取り組む様子に、富山の高校生たちは、「日本の生徒よりもよっぽど環境問題に対して意識が高い」と言い、刺激を受けていました。

JICA海外協力隊員の活動現場を訪問!

さて、環境学習に加えて、JICA海外協力隊の活動サイトにも訪れました。バリといえば、リゾート地!観光は地元経済を支える主要産業です。地元にある観光ポリテクニック(観光業について総合的に学べる職業専門学校)で、日本語を教えている太田望隊員に現地での活動について教えてもらいました。

自身で作成した日本語テキストを手に活動の内容を紹介する太田望隊員(職種:日本語教師)

太田隊員は日本語の授業を担当するだけでなく、日本語の教科書づくりにも取り組みました。「日本語を教える上で苦労したことは何か」という高校生からの質問に対し、太田隊員は、「わかりやすく教える技術」や「詰め込みすぎないこと」をあげました。日本語のクラスを履修する生徒の日本語力やニーズがそれぞれ異なる中、日本語の楽しさや日本文化を、限られた時間の中で学んでもらうために試行錯誤していることが伝わりました。

何よりも、「お互いの文化の違いを尊重して生徒とコミュニケーションをとることが大事」だという太田隊員からのメッセージに、高校生たちは国際理解の要点を学び取っている様子でした。

寺院・店舗・住宅・学校など至る所で目にするバリ・ヒンドゥー教の供物チャナン

正装をまといキャンパス内の寺院でお祈りを体験する様子

観光ポリテクで学ぶ現地の学生とは、文化交流を楽しみました。バリの伝統衣装を着用し、バリ・ヒンドゥー教のしきたりにならったお参り体験をさせてもらうにあたり、お供え物のチャナンづくりから丁寧に教わりました。こうした交流の場では、瞬発的でリアルな日常会話が求められます。高校生たちは、外国語に対し、「教科として学ぶだけでなく、その言語で何を伝えたいかが大事」だという気づきを得たと言います。8日間という限られた時間ですが、6人それぞれに日々新しいことを吸収している様子でした。

バリでの体験を通した気づき

バリの伝統舞踊を披露してくれたタバナン県の小学生

観光ポリテクに通う学生と、バリの伝統衣装を着用しての記念撮影

体験学習の最終日には、生徒たちから、「ゴミ問題は他人事ではないと感じた」、「やればできるという実感を持つことができた」、「バリの若者は笑顔が多く、みんなとても元気だった」といった前向きな声が上がりました。現場の雰囲気や活力など、実際に行ってみたからこその感想だと思います。バリ島で出会った児童や同世代の高校生、協力隊員など、現地で暮らす人々との交流は、五感に響く経験となったのではないかと思います。世界の環境問題を自分事として捉える力も、こうした生身の体験に裏付けられるのではないでしょうか。バリ島での体験学習が、彼らの想像力や思考力を豊かにし、世界との繋がりを広げていくためのヒントとなりますように!

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