【レポート】JICA海外協力隊 グローカルプログラム(派遣前型)中間及び最終報告会(熊本県)
2022.03.31
熊本県芦北町と人吉球磨地域で活動中の3名が、2022年3月28日にグローカルプログラムの中間及び最終報告を行いました。その様子をレポートします!
中間報告を行った小松実習生は、令和2年7月に発生した豪雨災害からの復旧・復興を目指す芦北町のまちづくり支援として、役場商工観光課の管轄である「御立岬公園」で実習を行っています。3月は、中間報告会で掲げていた「御立岬公園以外のことも知る」という目標をもって計画的に以下の活動に取り組んでいます。
【3月の活動内容(一例)】
※今後、オリーブ植樹・キャンプ場接客対応を予定
「「地域の一員としていたい」という強い想いの一方で、「臨時的よそ者」という立場は変えられないというのが現実だと気づいた。そして、自分ができることを考えたとき、現在、全職場を横断的に経験できているという立場を活かした「横串的役割」を考え、果たしていきたい。」と語りました。
【今後の具体的な構想】
今後も芦北町の魅力発見や地元の方との関係づくりの深化を進め、観光事業の活性化や情報発信に貢献したいという小松実習生の想いが伝わってきました。
球磨地域振興局の中村様からは、「かつて芦北は、海水浴など渋滞する場所として知られていた。現在、高速道路の下で通過点になり、観光業の衰退や人口減少が進んでいる。
芦北を通ってもらえるような仕掛けやアイデアを。」というコメントをいただきました。
商工観光課 岩本様からは、「施設の仕事は目立たないことが多いが、小松実習生は縁の下の力持ちとして、どの職場でも一生懸命な働きが高く評価されている。これからの季節はともにキャンプ場の活性化を図っていきたい」とコメントをいただきました。
中間報告を行った藤田実習生は、地域の持続の可能性を高めるという目的で設立された、たらぎ財団で「地元で生活する方々が自ら、大きな声で町の良さを言葉にすることができるようになる。」という活動目標の下、多くの方々と深く関わりながら積極的にさまざまな活動を行っています。
【活動内容(一例)】
【今後の主な活動】
「多良木町が大好き、毎日わくわくすることがたくさんある、活動が楽しくて仕方ない、毎日幸せ」といつも笑顔の藤田実習生に、人が惹きつけられ、さまざまな活動につながっている様子が伝わってきました。
また、「主役は地域の方」という協力隊経験者である藤田実習生の視点に改めて、持続可能な地域の在り方を引き出す力を感じました。
たらぎ財団業務執行理事 栃原様より「外部からの刺激が地方には大切である。藤田実習生が財団と地域の結び役となってくれていることにも感謝している。
また、藤田実習生の専門性(子どもたちに対する接し方など)財団スタッフも勉強になっており有難い。」というコメントをいただきました。
最終報告を行った渡辺実習生は、最初に「本実習での2名の方々との出逢いについて話したい。自身の大病を克服し、齢70歳にも関わらず、地域のためにと奔走されている地元の方の姿から、人吉・球磨地区の人々を元気にするという想いで来たが、元気をもらったのは自分だった。くじけそうになった時はお二方を思い出し、自身の活動につなげていきたい。」という所感を述べました。
【活動内容(一例)】
渡辺実習生のさまざまな活動の中でも特に印象に残ったのは、基礎作りから取り組んだばら園を整備したターシャガーデンで、3月25日に「人吉に春が来た」というまつりを開催し、「人吉球磨復興 祈願」の看板を立てたというお話でした。
当日は、天候にも恵まれ、地元の約35名の方々が、JICA熊本デスクの尾上推進員のバイオリン演奏とともに、花見を楽しまれたそうです。
当初から「人吉・球磨地区の人々が元気になること」を活動目標に掲げ、切に地元の方々の幸せを願いながら、さまざまな活動に取り組んできた渡辺実習生が植えた花々と活動は、きっと地元の方々の心に残っていくと信じています。
【実習を終えるにあたって(4月1日で実習期間を終了する渡辺実習生が、後任の実習生へ期待すること)】
球磨地域振興局 中村様より、「渡辺さんとは、焼酎でも飲みながらいろいろなことを語りたかった。これで実習は終わりだが、(バラ園は)花見の時期になったら渡辺さんのことをきっと思い出すし、球磨のことを思い出してほしい。健康に気を付けて行ってきてください」という花向けの言葉をいただきました。
総評として、JICA青年海外協力隊事務局 作道次長は、「実習生全員が、コロナという制約の中それぞれが精一杯に熊本で楽しみつつ活躍している姿を楽しく拝見した。現地の方々と信頼関係を大切に離れても継続的に関われるよう、何らかのかたちで関係の継続を図ってほしい。また、今後、協力隊同期や任国の方々とも地域や実習で得た学びを共有してほしい。」と述べ、3人それぞれへメッセージを送られました。
最後に、築山コーディネーターより、「4月から新しく8名が実習開始予定であり、計10名が一丸となって熊本県を盛り上げていきたいので、これからもよろしくお願いします!!
次回は、約1か月半後に新たな実習生とともに中間報告予定です!」と気合いの入った挨拶の言葉で締めくくられました。
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