TICAD30周年に係るアフリカ関連イベント 開催報告

2023.09.27

 2023年9月10日(日)、ダイアゴナルラン長崎にてTICAD30周年に係るアフリカ関連イベントとして、「LOVE、アフリカ ~アフリカにおける保健・医療を知る-九州・長崎からの取組み~」を開催しました。
 本イベントは、九州の大学、団体等が実施するアフリカでの取り組みを市民の皆様に知っていただく機会とするとともに、アフリカ、国際協力に関心のある団体間の関係構築の場となることを目的に開催したものです。。
 はじめに、長崎大学が実施中の草の根技術協力事業「ホマベイ地区における持続可能なスナノミ感染症対策プロジェクト」の中間報告として現地長期駐在の専門家が発表。スナノミ症とは何か、スナノミ症によるケニアの地域住民が抱える差別や感染症として認知されていない現状についての紹介に加え、草の根技術協力事業でのこれまでの活動実績として、県レベルでスナノミ症が認知されてきたこと、また保健計画に組み込まれ、地域保健ボランティア(CHV)の精力的な活動などにより治療には一定の成果が上がっており、今後の取組として、関係者のモチベーションの維持・向上にさらに工夫して取り組むこと、プロジェクト終了後に現地の関係者が活動を継続するために予算確保が必要なことなどが今後の課題として挙げられました。

長崎大学による草の根事業の発表

小川工務店による協力事例の発表

 また、本プロジェクトへの連携協力の一環で、スナノミ症の予防として住宅の床の施工部分で協力予定の株式会社小川工務店や、社会貢献のための研究という視点で学生のアイデアから発案されたファインバブルの洗浄効果を活用したスナノミ症予防技術の開発に取り組む佐世保高専からも発表いただきました。
 セミナー後半では、北九州を拠点とする国際NGO カリブー二ひまわりの会の活動としてODAに頼らない活動について紹介。地元の声と写真とともにアフリカの今を新たな視点で発表いただきました。
 さらに2名のJICA海外協力隊経験者が発表し、協力隊経験から長崎大学大学院で学ぶまでの経緯を紹介。新型コロナの拡大により消化不良で帰国したことから進学に至ったOVと、今後も国際協力のスペシャリストとして活躍したいという思いから進学した隊員OV、人生の節目でしっかりと考え歩みを進めている協力隊経験者発表は参加者からも印象に残った発表との声がありました。
 最後は今年10周年を迎えるABEイニシアティブの長崎大学で学ぶ留学生が民族衣装で登壇。自身の出身国、研究内容、インターンシップやプログラム終了後の展望を生き生きと紹介、日本で学んだことを自国で生かしていきたいと力強く語りました。

JICA海外協力隊の発表

長崎市立図書館でも展示

 これまで対面でのイベント実施が限られていたため、団体間の横のつながりが薄れていた中で、今回のイベントでは、「アフリカ」、「保健医療分野」、「国際協力」といったキーワードでつながり、関係構築することができる機会になりました。
 このイベントからつながった縁で、新たな協力が生まれることを期待しています。

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