JICAやJICA九州の魅力を伝えたい!第1弾

JICA九州で働く方々へロングインタビュー

8月9日から9月1日まで大石桜子さん(修士1年)がJICA九州企業連携課でインターンシップを行いました。
インターンシップの活動を通じて、JICAが行っている様々な事業について知ってもらいたいという思いから、JICA九州で働く人へのインタビューを行い、それを記事にまとめることを企画しました。
全4回シリーズでお届けします!!

第1回(全4回)市民参加協力課 戸崎千尋さん

皆様はJICAに対してどのようなイメージを持っていますか?多くの方が青年海外協力隊を思い浮かべたことでしょう。しかし、JICAは国内・国外関わらず多くの事業を行っているのです。この度、この記事を読んでくださっている方々にJICAやJICA九州が行っている事業やJICA九州、そこで働く方々の魅力を深く知ってもらうため、実際にJICA九州で働く方々へインタビューを行いました。第1回はJICA九州センター市民参加協力課の戸崎千尋さんです。

Profile: JICA九州市民参加協力課、長崎県川棚町出身。大学で社会福祉学を専攻し、介護福祉士としてリハビリ病棟に6年間勤務。その後1年間市役所で介護保険制度の調査を行う。2017年から2019年まで青年海外協力隊員として高齢者介護の職種でスリランカで活動を行う。帰国後JICAデスク長崎で国際協力推進員を行い、現在JICA九州市民参加協力課で開発教育を主に担当している。


(インタビュー)

-本日はよろしくお願いいたします。初めにJICA九州で働く戸崎さんの業務内容についてお伺いします。所属している部署と役職について教えてください。

戸崎:現在JICA九州の市民参加協力課に所属しており、役職は期限付き職員というポストになります。担当している主な業務が開発教育です。その他にもJICAの専門家連絡会を担当したり、九州各県にあるデスクの福岡・佐賀・長崎を担当していたり、学生さんや大学、団体が国外のJICA事務所を訪れたいという時の窓口である海外事業訪問という事業もしたりしています。

-1日の業務の流れについて教えてください。

戸崎:1日の業務の流れは日によって異なります。初めにメールチェックをして会議や打ち合わせの確認をします。JICA九州の開発教育業務は外部に委託しているので、特に委託先との打ち合わせが多くありますが、毎日あるわけではないので、その日その日でフレキシブルに動いています。ほとんどが開発教育 に関わる業務ですね。

-それらの業務においてやりがいを感じるのはどんな時ですか。

戸崎:そうですね。JICAには教師海外研修と呼ばれる研修があります。国内研修・開発途上国での研修を実施し、研修で学んだことを教育現場に活かし、開発教育の推進者になっていただくという目的で行っています。今年はベトナムに行きましたが、先生方が自ら気づき、学んでくださり、とても有意義な研修となりました。研修期間は5日間でしたが、行く前と行った後の先生方の表情や考え方、先生方から出される意見がこの研修を経て変わっていくのを見たときに、やって良かったなと感じました。
また、高校生対象の高校生国際協力実体験プログラムという1泊2日の研修を行いましたが、研修が終わった後には他の高校の学生さんや研修員、JICAスタッフとの交流を経て皆とても明るい表情で帰っていったことが嬉しかったです。プログラムや研修を経た後の参加者の笑顔を見たり、様々な学びを得ていただいたことを実感したりした時にやりがいを感じます。

【教師海外研修】ベトナム事務所訪問

【高校生国際協力実体験プログラム】集合写真

―業務において困難に感じるのはどんなときですか。

戸崎:3月にJICA九州センターへ配属されましたが、現在市民参加協力課で開発教育を担当しているのが私1人です。そのため、業務でわからないことは課長や全国の他の拠点の方に相談しますが、すぐに相談できる人がいないことは難しいと感じます。

―今後挑戦したい業務や、取り組み予定などの業務や事業などがありましたら教えてください。

戸崎:市民参加協力課には草の根技術協力事業多文化共生支援など多くの事業があり、開発教育事業もその一つです。担当だけで進めるのではなく、企業連携課や研修業務課などの他の課も含め、横断的に取り組みたいと思っています。出前講座と呼ばれる教育機関からご依頼いただいて講座を行う時は私も登壇しますが、依頼の内容によっては研修業務課の方が講師になっていただくなど、九州センター全体で開発教育を進めていきたいです。

―業務内容について教えていただきありがとうございました。次にJICA九州センターの魅力を深堀していきたいと思います。戸崎さんが九州センター入職を決められた最大の要因は何ですか。

戸崎:以前JICAデスク長崎で九州センターの方々と関わっている時に、九州センターは面白くてあたたかい方が多いと感じました。その方々と一緒にお仕事できて、かつ自分が成長できればすごくいいなと思ったことが大きな要因です。

―センター内で働くほかの方たちとどのようにコミュニケーションをとっていますか。

戸崎:積極的に仕事の相談をするのはもちろんですが、仕事が終わった後、担当の開発教育と共通している部分で他の職員さんたちに色々相談させていただくことは多々あります。休日でも一緒に野球観戦や食事に行くことがあり、さらに仕事が楽しいと感じています。

―出張の頻度やその期間などを教えてください。

戸崎:出張は月に1回あるかないか、外勤は月1、2回ぐらいです。外勤はそのほとんどが学校に出向いて授業をさせていただくといった形です。出張先も私の担当が福岡・長崎・佐賀なのでほとんどがその3県のどこかに行くといった感じですかね。先ほどの教師海外研修は毎年1回です。

―JICA九州ではどのようなイベントが行われていますか。

戸崎:先日JICA九州として参加したイベントでは「わっしょい百万夏まつり」があります。その他にも今年の10月・11月に「やはた・アートフォレスト」と呼ばれる、1か月間かけて八幡駅周辺の銀行や図書館などが皆それぞれイベントを開催する期間があります。JICA九州では一般の方々に来ていただき、国際協力やJICA九州が行っている事業と関連している映画を上映したり、子供に将来の夢を描いてもらったりということを企画しています。また、センター訪問事業では、学校などの教育機関さまや教育委員会さまなどに実際に来ていただいて展示を見てもらったり、JICAFeでご飯を食べてもらったり、青年海外協力隊の経験者の方の体験談をお話したり、ワークショップをしたりといった事業を行っています。

―センターに入る前と入った後の印象の違いを教えてください。

戸崎:まず、思っていた以上にデスクワークが多いですね。前職は現場で自身が足を動かす仕事が多かったですが、現在は委託先とやりとりするので、そのマネジメントするところの難しさは想像していた以上でした。契約管理マネジメント業務が難しくて毎日てんやわんやしております。

―JICA九州にしかない魅力などありますか。

戸崎:先ほど言った「わっしょい百万夏まつり」もそうですが、九州という地域とJICA九州とのかかわりをとても大事にしていることを肌で感じていて、それが魅力になりますね。

―最後に戸崎さん自身やプライベートについての質問をさせてください。介護福祉士のキャリアを持ちながら青年海外協力隊に参加してみようと考えた理由は何ですか。

戸崎:そうですね。最初のきっかけはポスターだったんですよ。「いつか世界を変える力になる。」と書いてあるあのポスターが格好良くて。それが一番最初のきっかけです。調べていくうちに自分の得意なことや好きなこと、経験が途上国で生かせると知り、自分の知識や経験が、世界を変える「力」になればと思いました。

―仕事後や休日の過ごし方、趣味などありましたら教えてください。

戸崎:仕事後はただご飯食べてお風呂入って寝る生活をしています(笑)。休日は大好きな長崎の実家に帰ります。センターの方々と一緒にお出かけもします。家にいるよりは外に出てリフレッシュする方が多いです。

―仕事とプライベートの両立のコツなどはありますか。

戸崎:やはり切り替えることだと思います。どうしても家に仕事を持ち帰ることもありますが、休日は切り替えて、仕事を忘れる時間を作るのが大切だと思います。

―最後に、この記事を見てくださっている方々へ伝えたいことがありましたら教えてください。

戸崎:折角ご縁があってJICA九州に来たので、色んなこと、色んな人のことを知りたいです。ぜひ今後今見てくださっている方々とつながって、そのつながりが広がったらいいなと思います。皆さん仲良くしてください。

―質問は以上になります。ありがとうございました。

戸崎:ありがとうございました。


JICAの事業内容やJICA九州の魅力が伝わる素敵なインタビューをありがとうございました。次回は総務課の鳥居直樹さんへのインタビュー内容でお送りします。

コラム SDGs勉強会

JICA九州ではJICA九州内で働く人たちに向けてのイベントやセミナーも多く開かれています。SDGs勉強会もその一つです。毎月17のSDGsのゴールの一つ一つにフォーカスして理解を深めているそうです。
長崎県出身である戸崎さんは16「すべてのひとに平和と公正を」で講師を務め、「もしあなたが黒人でイスラム教の家庭に生まれた小学5年生であり、理由もわからず両親に豚肉を禁止させられたり、ヒジャブをつけることを強制されたり、それらのことをからかわれたりしたらどうするか?」などについて考えさせました。皆さんだったらどんな行動を取りますか。