パラオ北部沿岸地域の漁業強化を目指して
2024.07.03
JICA沖縄と(有)琉球環境マネジメントサービス(REMS)は、2022年1月から、パラオの北部沿岸地域での漁業および漁業協同組合の強化を目指し、草の根技術協力事業を行っています。
これまで現地側実施機関である北部漁業協同組合(NRFC)と協力して現地での活動を進めてきており、活動を通じて地域・漁業者たちに様々な好影響を生んでいます。現地での活動の一部をご紹介します。
パラオではこれまで、沿岸(リーフ内)での漁が中心で、沖合での漁はほとんど行われてきませんでした。そのため、沿岸水域での魚の生息数が年々減少してきており、資源保全と生業としての漁業のバランスを図ることが急務でした。
本プロジェクトでは、パヤオ(人工魚礁)の設置と併せた沖合での漁業に取り組むことで、多様な海域で漁を行うよう、漁業者のマインドが徐々に変わりつつあります。実際に、沖合へ出漁し釣果を上げている漁業者も生まれています。
漁業者が釣り上げた魚を買い取り、消費者へ販売する漁業協同組合も変化を求められています。買い取った魚の品質を保持しつつ、需要に合わせた加工を行うことで、付加価値付けした商品として、収益を上げられる形で上手に売りさばく力を持つことが出来るよう、販売先の開拓・新たな加工品の試作に取り組んでいます。
NRFCの管区のうち、特に離島に住む漁業者にとっては、魚を買い取り消費者へ届けるというサイクルを漁業協同組合が担ってくれるのは、非常に大きなメリットです。今後はこのサイクルをうまく回すことができるよう、漁業協同組合の組織力を高めていくことも大事になってきます。NRFCの挑戦はこれからも続きます。
関連リンク:事業提案書要約 (jica.go.jp)
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