『世界の野球界に光を』 記者会見実施:JICA海外協力隊の指導するホンジュラスの17歳の野球選手がジャパンリーグウィンターリーグに参加し、プロへ挑戦
2024.12.24
沖縄県内の3組織が協力し、開発途上国の若手選手を招へいする『世界の野球界に光を』プロジェクトの発表記者会見が11月27日にJICA沖縄で開催されました。
本プロジェクトは、JICA海外協力隊が指導する海外の若手選手を招へいし、沖縄で開催される野球のトライアウト「ジャパンウィンターリーグ(JWL)」に参加するというものです。JWLを主催する株式会社ジャパンリーグの鷲崎代表よりJICAへご提案いただき、株式会社マカナハウス様に渡航費のご負担をいただくことで実現しました。昨年度から実施しており、今回で2回目となります。
今年度は、世界15カ国の野球隊員と5ヵ国のソフトボール隊員の教え子から有望な選手を選定し、最も潜在能力があると思われた中米ホンジュラスのダビッド・アルトゥーロ・サバラ・ヌニェス(David Arturo Zavala Nuñez)選手が招へいされました。
ダビッド選手は、野球選手としてまた人間的にも成長できる貴重な機会への深謝を表し、またプロ野球選手としてのキャリアを築く夢を持ち、自分がホンジュラスの若い選手たちの希望となれるよう、道を切り開きたい旨も述べました。
約1ヶ月間、沖縄でのトライアウトへ参加しました。競争性の高いトライアウトリーグとなり、野球選手としての貴重な経験を積むことができたようです。今後の更なる活躍を期待しています。
なお、今年度は新たな試みとして、招へい選手と地域の児童が交流するプログラムも実施しました。
JICAが派遣する海外協力隊は1965年から約60年間続いている事業で、これまでに約57,000人を開発途上国に派遣し、その国の経済・社会の発展に貢献してきました。スポーツ隊員の派遣は事業発足当初から開始されており、内容も多岐にわたっています。多くの野球隊員は中南米地域へ派遣されており、ダビッド選手は現在ホンジュラスに派遣されている下浦隼一(しもうら じゅんいち)隊員の指導を受けています。
日本にはすべての人々にスポーツへのアクセスを可能とした学校体育の経験、ラジオ体操など生活や社会の中に早くからスポーツを取り入れた経験があります。スポーツ分野での国際協力は、スポーツを通じた心身ともに健全な人材の育成のみならず、公正かつ公平に参加できるスポーツを通じて多様な人々の交流を深め、相互理解を促進し、平和な社会の実現に寄与できるものであり、日本らしい協力ができる分野です。
海外協力隊の野球隊員は競技力のみならず、野球を通じて礼儀や規律、公正さ、取り組み姿勢、相手を尊敬する心などを伝えていくことも期待されています。それらを通じ、開発途上国の次世代を担う人材を育成しています。
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