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2025年度 異文化交流プログラム レポートその2(2025年9月)

2025.12.12

異文化交流プログラムとは?

JICA研修員や札幌近郊在住の外国人が学校を訪問し、児童・生徒と交流する「異文化交流プログラム」。
今回は、9月に行われた3件の異文化交流プログラムについてお伝えします。

アフリカからの研修員が江別市立中央小学校を訪問!

○×クイズでのインタビュー

ジャンケン列車

おたまリレー

9月8日、研修コース「農民参加による農業農村開発」のアフリカ地域からの研修員6名が江別市立中央小学校を訪問しました。訪問したのは、中央アフリカ、コンゴ共和国、ガボン、ギニア、セネガル、コンゴ民主共和国からの研修員です。

まずは、体育館で5・6年生、約150名と交流をしました。

先生が研修員の国についての○×クイズを出題。児童が答えだと思う方に移動をし、正解発表後、研修員へのインタビューが行われました。クイズの内容は中央アフリカの蝶のはねを使ったアートやコンゴ共和国のハイブランドのスーツを身に着けるサプールといった文化を紹介するものをはじめ、中には、日本人の支援により作られたセネガルの小学校の紹介など、研修員も知らなかった情報もありました。

その後は、ジャンケン列車とおたまリレーを一緒に行い、体育館での交流は終了です。

日本の行事紹介での豆まき体験の様子

児童の名札を見て声をかける研修員

教室の前に事前学習で調べたものが掲示してあり、研修員が喜んでいました!

2時間目は6年生の教室で、クラスに分かれて日本文化の発表を行いました。日本の「行事」「食文化」「昔遊び」を各クラスで調べ研修員に紹介してくれました。研修員が鬼役の子どもたちに向かって豆(紙を丸めたもの)を投げたり、花見では桜の木役の児童がいたりと、体験を交えながらの紹介は見ているこちらが笑ってしまうほどで、研修員だけでなく同行したスタッフ共々とても楽しませていただきました。

最後は体育館に戻り、研修員から準備や発表のお礼や「勉強を頑張ってね」というメッセージが送られました。

中南米からの研修員がとわの森三愛高等学校を訪問!

生徒によるスペイン語での挨拶に研修員も笑顔に

研修員の自国紹介

生徒による発表の様子

9月19日は研修コース「中南米地域道の駅による道路沿線地域開発」の研修員が酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校を訪問しました。訪問したのは、エルサルバドル、ニカラグア、アルゼンチン、ペルーからの5名の研修員で、特進GROW-UPコース文系専攻の生徒と、交流を行いました。

代表生徒によるスペイン語での挨拶から始まり、研修員による自国紹介、そして、生徒による道の駅についての発表が行われました。
研修員による自国紹介では、事前に写真を3枚選び、生徒の皆さんに紹介。一人2分と伝えていたものの、自分の国のことを伝えたい想いが溢れており、予定していた時間を大幅に越えてしまうという事態も。
生徒の皆さんによる発表では、北海道の道の駅ランキングに研修で視察した道の駅がランクインしていたことに、リアクションを見せる研修員もいました。

饅頭が完成しました!

ジェスチャーゲームの様子

最後に全員で記念撮影

後半は家庭科の授業で、日本の和菓子「饅頭」を作りました。先生が一連の流れを説明した後、実際に饅頭づくりに取りかかりました。饅頭を作ったことがない日本人も多いと思いますが、あっという間に綺麗な饅頭が完成。生徒も研修員も出来立ての饅頭を美味しそうに食べていました。調理の合間に、前半で予定していた時間が押してできなかったジェスチャーゲームも行われました。

最後に、全員で記念撮影。お土産にとわの森三愛高等学校の生徒が考案したという牛のイラストが印象的なハイチュウ(さすが酪農学園大学附属!)もいただきました。生徒の人数が少ない分、生徒と研修員の距離が近い交流となりましたが、終わった後には同じグループだった研修員と生徒が一緒に写真を撮るなど、高校生との交流らしい一面も見られました。

<在住外国人訪問>株式会社ラルズの技能実習生が札幌市立本郷小学校を訪問!

技能実習生による自己紹介

9月25日の訪問では、札幌近郊に住む外国人の方が、札幌市立本郷小学校を訪問しました。今回は、株式会社ラルズで働く、ネパールとミャンマーからの技能実習生にご協力いただきました。株式会社ラルズでは、現在約150名の技能実習生を受け入れており、今回訪問した4名は、デリカセンターでお弁当の製造や、店舗で水産加工のお仕事などをしています。

4名の紹介として行ったインタビューでは、「なぜ日本に来たのか」という話題の中で、「家族に仕送りをしている」という方が多く、「ミャンマーでの1か月の給料が、日本での1日の給料に値する」という話には、児童から驚きの声が上がっていました。

ネパールやミャンマーの挨拶も、一緒に練習しました。

ネパールの義務教育は何年?
正解は5年!

ミャンマーのジャンケン、虎のポーズ!
(普通のジャンケンもあるそうです)

給食準備の様子

その後は教室で、ネパールとミャンマーの文化に関するクイズを行いました。

ミャンマーにあって日本にない仕事は?(答え:噛みタバコの販売や車道での花売りなど)
ネパールで人気のスポーツは?(答え:カバディ)など、日本とそれぞれの国との違いを学びました。

交流終了後、児童が給食の準備をしていると、技能実習生のみなさんは日本の給食に興味がある様子で、給食準備を見学させてもらいました。ネパールからの技能実習生は、「(母国で)自分は家から弁当を持って行った」と話していたので、日本の給食はとても新鮮だったと思います。

訪問したみなさんからは、「緊張したけど楽しい時間でした」「こどもたちは可愛いね、挨拶もすごく元気」などと感想をいただきました。初めて学校を訪問し、小学生と交流をした方が多く、株式会社ラルズのご担当者様からも、「普段経験している生活圏から少し外れた、生の日本を感じる貴重な時間を経験できた」と言っていただきました。

児童のみなさんにとっても、今回の交流を通して、身近なところで外国人が働いていることを知り、技能実習生を少しでも身近に感じてもらえていたら良いなと思います。

◆関連リンク
2025年度JICA北海道(札幌)異文化交流プログラム

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