【JICA×エプソントップが語る】「諏訪湖の環境を絶対に汚さない」という信念からつながる国際協力

2023.08.31

 JICAとセイコーエプソン株式会社(以下、「エプソン社」)は2022年3月26日に包括連携協定を結び、“信頼とテクノロジーで世界をつなぐ”を連携のテーマに掲げ、アイディアソン企画(JICAから連携アイディアを募集し、機材活用による効果の見込める企画案をエプソン社とともに検討し実証活動を行うもの)の開催や、マラウイ・ケニア等の教育現場の合同調査、JICA海外協力隊員との勉強会、青年海外協力隊駒ヶ根訓練所内でのプロジェクションマッピングを通じた国際理解教育など、連携活動を活発に推進してきました。去る2023年7月26日に諏訪湖からほど近いエプソン社をJICA田中明彦理事長が訪問しました。協定の締結から1周年の活動の振り返りや今後の連携可能性に関して、同社小川恭範代表取締役社長と意見交換を行いましたので、JICA長野デスクよりご報告します!

企業紹介

 初めに同社創設以来の歩みを展示しているエプソンミュージアム諏訪 創業記念館を視察した後、小川社長から企業紹介をいただきました。エプソン社は1942年の創業(当時(有)大和工業)以来、長野県から時計やプリンター、プロジェクター等様々な精密機器を開発し、現在は国内20社、海外61社と世界各地に拠点を広げています。“「省・小・精」から生み出す価値で人と地球を豊かに彩る”をパーパスに掲げ、より効率的に、より小さく、より精緻な製品の開発を通じて顧客だけでなく地球や社会にも価値のあるサービスを提供しており、また社会課題への貢献に関して意識も強く、「循環型経済の牽引」、「産業構造の革新」、「生活の質向上」、「社会的責任の遂行」を重点テーマとし、100%再生可能エネルギー化や資源アップサイクル、地下資源消費0等に挑戦しているそうです。

 小川社長から、「今後もJICAと連携しながら、しっかりと社会課題を捉えて、世界の環境問題や教育の質向上などの課題に真剣に取り組みたい」と、力強いメッセージをいただきました。

エプソンミュージアム見学の様子
(JICA田中理事長右から1番目、小川代表取締役社長右から2番目)

企業紹介の様子(小川代表取締役社長、左から1番目)

連携の成果報告

 続いてエプソンからJICAとの連携実績の発表がありました。
 発表からは、マラウイ等の教育現場の調査を通じ「学校に通えない状況でも、大きな画面で家庭と学校・先生をつなぎ、みんなでの学び合いを止めないという想いや教員や設備が不足する開発途上国で、大画面×デジタル技術を使って遠隔からでも良質な教育環境を実現したいという想いが更に強まった」など、教育への強い熱意が伝わりました。

成果報告の様子(吉野事業部長、左から1番目)

意見交換会

 田中理事長からは、これまでの積極的な連携推進に対して、「エプソンのプロジェクション技術を活用したプロジェクト効果の向上にかかるアイディアの提案のみならず、機材の提供により、活動の新しい道が開けてきている。また、エプソンが諏訪湖の環境を絶対に汚さないとの創業者の強い信念を継承し、環境に十分に配慮した製造工場を運営している姿は、良い事業モデルとなり得る」との感謝を伝えました。

 トップ同士の意見交換により、共創パートナーとしての信頼関係がより強まったと感じました。

 次回は、昨年度実施したマラウイ・ルワンダ・ケニアの合同視察の様子など、過去の実績についてお伝えする予定です。どうぞお楽しみに!

意見交換会の様子(JICA田中理事長、左から3番目)

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