市民二課のベテラン職員に聞く!キャリアインタビュー第1弾!

2023.10.26

JICAのベテラン職員はなぜ国際協力を志し、どんな困難を乗り越えて今に至り、今どんな夢を描いているのか…?市民二課のキャリアインタビュー第1弾です!
新卒でJICAに入構されてから今まで、JICAで国際協力に携わられてきた橋口さん。JICA内の部署も、在外事務所もたくさん経験されてきたベテランの橋口さんの原点やこれからの夢についてもお聞きしました!

国際協力への原点は月面着陸!?

Q.今までどんなキャリアを歩まれてきたのか、ざっくり教えてください

A.新卒でJICAに入構し、これまで10の部署、5回の在外勤務を経験しました。そのうち、青年海外協力隊関連の部署と、現在所属している市民参加協力第二課にそれぞれ2回ずつ配属されています。在外勤務としてはネパール事務所、フィリピンへの長期専門家、チュニジア事務所、ベリーズ支所、人事交流でカナダのCDA (Canadian International Development Agency)に勤務しました。また、京都大学に出向し、総合生存学館(思修館)で博士課程の学生に向けた国外インターンシップや青年海外協力隊の短期プログラム派遣を企画・実施し、学生の指導を行っていたこともあります。

Q.国際協力に興味を持ったきっかけ・JICAに入構したきっかけを教えてください

A.私は国際協力に初めから興味を持っていたわけではなくて、アポロ11号が月面着陸した時の若い同時通訳者であった鳥飼玖美子(現通訳者・英語教育学者)さんに憧れて、中学生のころから英語を一生懸命勉強していたのがきっかけとなりました。大学時代には1年間アメリカに留学したのですが、帰国後に自分の関心がアメリカ以外の場所に向いていることに気が付きました。そこで幸運にも出会ったのが、当時大学教授であった緒方貞子さんです。緒方先生のゼミを含む二つのゼミに所属して途上国について学んでいんでいたこともあり、就活の際に女性も活躍できそう!と思ったのがJICAで、幸い入構することができました。そこからどんどん国際協力の世界に入り込んでいき、今に至るまで続けてきたということは、自分にとってその仕事がチャレンジングで面白かったからだと思います。

ベリーズ支所時代に、ジャガイモ・たまねぎ保冷庫を農民グループへ届けた時のお写真です!

フィリピンで感じたコミュニケーションの大切さ

Q.これまでのキャリアで大変だったこと・苦労したことを教えてください

A.チームで仕事をするときの大変さはあるかもしれませんね。
フィリピン女性センターで専門家として勤務していたときに、フィリピンの組織の中にJICAから一人派遣されたということもあり、最初はセンター長やスタッフの方々とあまり関係が良くありませんでした。要請されてきているはずなのに、歓迎されている雰囲気もあまりなく、こんな人間関係で仕事がうまくいくのかなと不安に思っていた時期もありました。でもある時、センター長をJICA短期研修で、職業訓練センターの視察やJICAとの協議のために日本に送る機会を作ることができました。このチャンスを逃してはいけないと思い、私もセンター長に同行しました。そこで一緒に職業訓練の見学等の経験を共有したり、一緒に食事をしたりするなかで、関係がとてもよくなりました。フィリピンに戻ってからも、その良い関係が続き、仕事も進めやすくなりました。
国際協力の仕事はコミュニケーションがすごく大切だと思っています。コミュニケーションがとれていれば問題が発生しても相談して解決することができるし、さらに話を展開させていくこともできます。チーム内でうまくコミュニケーションをとれている人は、外の人とも同様で、どんどんいい方向につながっていく。そういう意味でもコミュニケーションは大事だと思います。

国際協力のプロのこれからの夢とは…?

Q.これからの夢を教えてください

A.今まで海外のプロジェクトに多く関わってきて、在外勤務も多くしてきた中で、日本国内がちょっと危うくない?と思うようになりました。人口減少や過疎化、多文化共生などに向けた、国内での仕事や活動をしていきたいと考えています。せっかく色々な国際活動をしてきて色々な人と接点もあるので、日本に住む外国人の方が増えてきている今、多文化共生の分野で何かしてみたいと思っています。
京都大学で仕事をしているときに大学って楽しそう、自分も学びなおしをしてみたいと思い、実は夜間に別の大学院に通って修士号を取得しました。大学院では佐渡をフィールドに過疎化や人口減少に悩まされている地域を、国際活動とうまく組み合わせてどのように活性化していくのかといったテーマで研究を行いました。実際に佐渡に行って開発教育についての講演をしたり、佐渡の文化と国際を組み合わせるためにお寺の住職さんにも関わってもらったりする中で、佐渡の文化と国際を組み合わせて、佐渡の地元の人たちに気づきや新たな視点を得てもらえたらいいなという想いがありました。
その研究自体をその後、全然使えていないので、多文化共生に関心があるというのはそれも関係しているかもしれません。

橋口さんが非常勤講師として担当されている、「スポーツと国際交流」という授業の学生さんとのお写真です!

常にアンテナを張っておいた先にあるものとは…?

Q.仕事をする上でのモットーは何ですか?

A.そもそも、自分は色々な事に対する好奇心が強く、関心が出たことをやってみたいと思うタイプです。モットーとしては、相手の方の話をよく聞いて、できる限りその方のために何ができるのかを考えようという気持ちはいつも持っていると思います。
そうやって話を聞いているなかで、好奇心のアンテナも同時に張っているのかもしれません。
そして、自分がやることの後ろには、私にエネルギーを与えてくれる人の存在があるような気がしています。ある物事自体に興味を持つというより、それを実際にやっている人に話を聞きに行って、「びびっ!」ときたら自分もやってみるというようなイメージです。そうやって人に話を聞きに行くことができるのは、常にアンテナを張って色々な人と繋がっているからでもあると思います。

Q.最後に、国際協力に興味のある学生に向けてメッセージをお願いします!

A.ぜひ、好奇心や関心を育てていってほしいです。どんどん外に出て行って、色々なことを経験して、色々な人と接しているうちに自分の関心も出てくると思います。国際協力も幅広くて、JICAだけが国際協力ではないし、色々な形の国際協力があると思うので、関心を持ち続けて頑張ってほしいです!


報告者より
橋口さんは本当に好奇心に溢れている方で、お話をお聞きすればするほどその好奇心の強さやそれに伴う行動力のすごさが伝わってきました!「物事だけを見るのではなく、その後ろに必ずいる人に意識を向けて好奇心を育んでいく」という姿勢は、自分の興味・関心を追い続けることだけでなく、常に相手に対して思いやりを持つことにも繋がっていくのだと思います。記事に入りきらないほどたくさんのお話を聞かせてくださった橋口さん。本当にありがとうございました!

ネパール事務所時代に、山奥の村を訪問した際のお写真です!

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