「より良い未来の都市とは?」世界中から研修員が来日して議論を重ねました

2023.11.13

世界各国で、都市を取り巻く環境や歴史・社会はそれぞれ異なります。その一方で人口増加や気候変動など、国や地域を超えて共有する課題はもはや一か国では解決できるものではありません。様々な国から研修員が日本に集い、より良い未来のために解決すべき課題とその策について議論を行いました。

演習や視察を通じて身をもって日本の都市を知る

今回の研修に参加したのはインド・ブータン・ラオス・ザンビア・ケニア・エジプトなどアジアやアフリカを中心とした12名の研修員です。。日本が明治時代から行ってきた都市計画やまちづくりの経験から各国へのヒントを持ち帰って貰えるよう研修を実施しました。

約一か月に渡る研修内容は多岐に渡り、東京・横浜のような大都市での都市計画について講義を受けた上で実際の計画を策定する演習を行ったり、多摩市や木更津市、流山市のようなベッドタウンを訪れ、市の担当者から都市計画について解説を受けたりと幅広く日本の現状について理解を深めました。

防災拠点でもある公園にて非常時用に調理場となるベンチを紹介

実際の事例を元に新たな計画を提案するワークショップを実施

特に木更津市では日本における都市計画の特徴のひとつである土地区画整理事業について、整理後の町の様子がどのようなものかを実際に体感してもらいながら、予定通りに用地の確保ができない場合には当初の計画通りに街区の形成ができなくなってしまうことなど、事業の難しさについても木更津市から講義を受けました。

市民会館の屋上にて木更津市を一望しながら解説を受けました

それぞれの違いを議論しよりよいまちづくりに活かす

   
住宅供給や、土地区画整理など、戦後の日本の経験は途上国が現在抱える課題解決へのヒントになり得ます。反面、各国の法律や土地に対する考え方など根本的な部分が異なる場合もあります。

木造住宅の密集地帯にて日本の課題を体感

研修終了時の意見交換の様子

   
今回の研修では日本の経験を共有するだけではなく、アジアやアフリカ地域での都市の歴史やスラム問題に対して行ってきた対策等も研修内容に取り込むことで、研修員同士が自身の国の現状と他国との違い・共通点を議論することができました。
研修最終日には、日本で体験したこと・他国の研修員と議論したこと・自国の現状を踏まえて、帰国後に取り組むべきアクションプラン発表しました。

  
JICA東京では、このように世界が抱える共通の課題について日本と世界の知見を活かした解決策を導くために研修事業を実施しています。

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