GHKG×JICA東京(高崎分室)インターンシップ実施

2024.03.19

群馬県内の留学生がグローカルな視点を育む

本インターンシップの意義・目的

GHKGとは、「グローカル・ハタラクラスぐんま」プロジェクトの略称で、群馬大学が、文部科学省が2017年度に5年間の計画で公募した「留学生就職促進プログラム」に採択され、2022年度以降は、「留学生就職促進教育プログラム」として文部科学省から認定を受けている人材育成プログラムです。本プログラムは、外国人材の群馬県内の日本企業への就職拡大を目的に、「キャリア教育」「コミュニケーション教育」「中長期インターンシップ」を一体として学ぶ環境を創設する取組みを展開しています。
群馬県内9高等教育機関、8地方公共団体、26民間団体等団体の計43機関・団体とコンソーシアムを組んでおり、外国人材の受入れ支援に資する取組みに共感したJICA東京センター・高崎分室も本コンソーシアムに参加し、2022年度に第1回目のインターンシップを受入れ、昨年度に引き続き2024年2月7日(水)~2月20日(火)の期間で第2回目の受入れを実施しました。
本インターンシップは、ODAの実施機関であるJICAの取組み、特に、高崎分室で主に取り組む「中小企業・SDGsビジネス支援事業」や「外国人材受入れ支援・多文化共生」への取り組みを体験的に学び、グローカルな視点を育みながらキャリアビジョンを検討することを目的として行いました。
使用言語は日本語で、コンソーシアム加盟大学の3大学より選抜・推薦を受け、GHKGが提供する「キャリア教育」(30時間)、「ビジネス日本語/異文化コミュニケーション」(30時間)を履修した学部2年生から大学院博士課程3年生までの中国人留学生6名、ベトナム人留学生1名、日本人学生3名、計10名が参加しました。
グローカル・ハタラクラスぐんま プロジェクト

多文化共生社会の構築・国際協力を通じたビジネス展開を学ぶ

第1週目の多文化共生パートでは、群馬県大泉町を訪問し、合わせて群馬県の進める多文化共生・共創の取組みについて学びました。大泉町は1990年の改正入管法施行以来、日系ブラジル人、日系ペルー人を中心に多くの外国人が住むようになり、2023年11月末時点には外国人住民数が町人口の約20%になった国際色豊かな町です。大泉町観光協会の案内でまち歩きをし、座学で30年以上の外国人材受入・多文化共生の歴史を有する大泉町の先進事例や現状・課題を学び、外国人にとって住みやすい、働きやすい環境を考える機会となりました。

大泉町

翌日には、大泉町の印象や学習した内容を振り返ると共に、多文化共創カンパニー認証制度をはじめとする群馬県の多文化共生事業等について学び、参加学生が考える多文化共生社会構築のための取組みについて活発な意見交換が行われました。

 第2週目の国際協力を通じたビジネスパートでは、JICAの民間連携事業を活用し海外展開している以下の群馬県高崎市内の中小企業3社を訪問し、各企業の国内外での事業や国際協力を通じたビジネス展開について学びました(以下、訪問順)。

・株式会社MARS Company
非熱エネルギーを様々な角度から研究し、世界が注目する長期冷蔵保存技術を通じて革新的な製品開発や創造的なサービスを提供している。
【JICA民間連携事業活用実績】
2014年/案件化調査(中小企業支援型)/モロッコ
2016年/普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)/モロッコ

乾溜ガス化燃焼・発電プラントメーカー。創業者であり社長の金子氏の「役にたつものをつくれ」「そして海をわたれ」の信念のもと、グローバルな活動な展開をしている。
【JICA民間連携事業活用実績】
2013年/基礎調査/ペルー
2014年/普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)/タイ
2015年/案件化調査(中小企業支援型)/タイ

・日本蚕糸絹業開発協同組合(絹小沢株式会社)
2005年4月に発足した垂直連携型の協同組合で、純国産糸を使用した製品を開発・供給している。核となっている絹小沢株式会社は富岡製糸工場開設の翌年明治6年に創業。近年は裏絹の卸売りを専門に全国に販路を広げている。社長の小林氏が同協同組合の理事長を務める。
【JICA民間連携事業活用実績】
2017年/普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)/ミャンマー
2021年/案件化調査(中小企業支援型)/ウズベキスタン

更に、高崎市商工観光部産業政策課にも訪問し、高崎市(地方自治体)の行う様々な中小企業支援策について学びました。高崎市は群馬県内最大の約37万人の人口を擁し、交通の要衝であるとともに製造業が活発な街です。
日本貿易振興機構(JETRO)とJICAの両機関が揃って事務所を並べる唯一の自治体で、市内企業の海外ビジネスや国際貢献の挑戦の支援も積極的に取り組んでいます。

本インターンシップを通して

2月20日(火)、群馬大学荒牧キャンパスにて、本インターンシップの成果報告会が開催されました。報告会は、

  • 中小企業の国際貢献への取組及び自治体からの支援強化の提案
  • 外国人材の歴史~現在を学び将来の姿をイメージ・提案
の2部構成で実施され、10名の学生がグループに分かれ各企業のビジネス強化案、自治体の支援強化案、多文化共生社会のための提案を発表しました。
 報告の合間には参加者同士のディスカッションもあり、対面で参加された株式会社キンセイ産業常務の金子氏や同社開発企画部のTAOTIANG氏を含め学生との活発な意見交換が行われました。

 今後もJICA東京センター・高崎分室は、様々な関係者の方々と協力し、群馬県内の中小企業海外展開支援や外国人受入れ支援・多文化共生事業等の国際協力に取り組んでまいります。

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