「キャリアは自分で開拓する」

2024.03.29

JICAで働くスタッフは、キャリアをどのように選択していったのでしょうか。
今回は進路に迷えるインターンのわたくし智田が、JICA職員の徳田さんにインタビューをしてきました!小学校の先生や国連での勤務など多彩な経歴をもつ徳田さんのキャリア観とは?

徳田さんのキャリアの歩み方

---大学生の時から国際協力の道を志していたのですか?---

 大学時代は、とにかく海外で仕事をもって暮らしてみたい!と考えていました。最初は海外協力隊に行きたいなと考えていたのですが、選考に落ちてしまいました。でも、自分には色々な選択肢があり、道が開けたところにいけばいいと考えていました。協力隊にはいけなかったけれど、自分には日本の教員免許がある。
 ならばそれを活かして海外の日本人学校で先生になればいい。そう思い、シンガポール日本人学校の小学部で3年間勤務しました。そうしてシンガポールで働きながら、近隣国のインドネシアやマレーシアを訪問した際、様々な理由により学校に通えない子どもたちがいることを目の当たりにし、やっぱり「開発途上国の教育に貢献できる人材になりたい」という思いが強くなりました。そこで国際教育開発の専門性を身につけるために、ロンドン大学院(Institute of Education)に留学しました。

---大学院に在学中は、キャリアのことは考えましたか?---

 考えました!これから先、どうしようかなと。そこで、大学院在学中に国連ボランティアのロスター制度に登録していました。(ロスター制度:書類選考により適格な候補者と認められた場合は、ロスターと呼ばれる候補者リストに掲載され、空席の状況に応じて派遣の要請を受ける 。)
 そうしたら、UNESCO中央アジア地域事務所で教育ポストの空席があり、カザフスタンでEducation Officerとして働くことが決まりました。当時は中央アジアについて知識がなく、「カザフスタンってどこだろう」と世界地図で確認したのを覚えています。UNESCOでは、中央アジア5カ国の教育プロジェクトの企画・実施、教育省の政策立案支援などに従事しました。

 その後、JICAエチオピア事務所の企画調査員として2年間勤務し、教育分野の技術協力や無償資金協力の案件形成・実施監理などに従事しました。エチオピアでの業務を通して、JICAは現場を持ち、現場の知見を政策レベルで提言できる機関であることに魅力を感じたため、JICAの社会人採用に応募し、2006年から職員として働いています。

---1年後自分が何をしているのかわからないという状況だったんですよね?私だったら不安でいっぱいになってしまいそうです---

 その時一番興味のあることに飛び込んでいき、経験していくことで、気づいたらそれが強みになるのだと思います。私の場合、興味をもって挑戦した国連での勤務経験が、JICAの社会人採用での強みになりました。

---最後に徳田さんのキャリア観を教えてください!---

 たくさんの可能性があるからこそ、キャリアの道筋に悩んでしまうのだと思います。でも、ある道で失敗したとしても、その時、拓けている別の道に行けばいいんです。別の道で自分の新たな興味・関心や強みを発見できるかもしれません。私の場合、その時々の興味・関心を大切に、一つ一つの経験を積み重ねていった結果、JICA職員という職業に繋がりました。

 ぜひ、ご自分の興味・関心を大切にしてくださいね。

2023年度課題別研修「乳幼児ケアと就学前教育」閉講式にて(前列右から二番目が徳田)

<編集後記>インタビューを終えて・・・

○徳田さんのキャリア観
その時興味のあることに飛び込み、全力でやり遂げ、強みにする。
興味のあることだからこそ、自ずと目指す方向を開拓している。
そんな徳田さんのキャリアの築き方を学ばせてもらいました!

○自分のキャリアを見つめて・・・
 キャリアの道筋を考えすぎて、それこそ「頭でっかち」になっていた私ですが、徳田さんの「失敗しても、その時道が拓けているほうに行けばいい」というお言葉が胸に刺さりました。自分の興味も価値観もどんどん変わっていくのだから、その時一番興味のあることにまずは飛び込んでみようと思います。
 徳田さんのように「自分の人生、面白い」と思えるよう、歩んでいきたいなと前向きになれたインタビューでした。徳田さん有難うございました!

<執筆者>智田真尋(Chida Mahiro) 早稲田大学教育学部所属 
「人の可能性を広げる教育」をテーマにロンドン大学留学、カンボジア教師インターンなどを経験。
銭湯めぐり・バイク(乗っけてもらう専)・お菓子づくりが趣味。

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