自由で公平な選挙は当たり前でしょうか…?
2023.04.19
統一地方選もいよいよ後半へ。日本の自由で公平な選挙が、途上国のお手本となっています!
日本の投票を体験すべく、投票者になったつもりで投票用紙を受け取る研修員
JICA東京では、2021年より2回のオンライン研修、1回の来日研修を通して、途上国の研修員に日本の選挙管理の知見や経験について伝えています。多くの途上国では、選挙を行うにあたり多種多様な課題を抱えています。中には、独立後選挙を一度も実施できていない国も。そのような国々にとって、日本の自由で公平な選挙は目から鱗です。実際の投開票の様子を見学した研修員からは、「こんなに効率的で平和な選挙が行われているとは驚いた。ぜひ日本をお手本に、自国のシステムを向上させていきたい」との声が多く挙がっています。
このように途上国のお手本となっている日本の選挙を伝えるべく、今年度は6月と12月に一回ずつ研修を実施する予定です。6月には、インドネシア、カンボジア、パプアニューギニア、パレスチナ、ナイジェリア、ジンバブエ、マダガスカル、マリ、南スーダンから13名を、12月には南スーダンから15名が来日する予定です。
茨城県議会議員選挙つくば市選挙区の開票の様子を笑顔で見学する研修員
日本の選挙は非常にすばらしいシステムを備え、有権者全員に平等に機会が与えられている一方で、投票率の低さが問題として挙げられています。総務省の発表によると、令和3年に行われた第49回衆議院議会議員総選挙では、全年代を通じた得票率は55.93%、中でも20代の投票率は36.50%と低い水準にとどまっています。これには研修員も驚きです。途上国では、投票率80%越えは当たり前、特に若い世代の方は積極的に投票に参加しています。研修員からは、「このように素晴らしい仕組みを備えている日本の選挙に、このような課題があるとは思わなかった」との声も多く挙がり、研修員は自国での取組や選挙への考え方について積極的に紹介してくれます。まさに、JICAの研修事業が大切にしている、知識の共創が繰り広げられています。
JICA東京のある渋谷区を含む関東圏の多くでは、23日(日)に区・市議会議員選挙が行われます。自由で公平な選挙、実は途上国から見ると当たり前ではありません。今回の統一地方選を機に、日本の選挙の質の高さを再確認してみませんか?
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