開催報告:多文化共生フィールドワーク(川口:8月5日、横浜:8月27日)
2024.10.01
近年、日本で暮らす外国人は増加の一途をたどっており、外国につながる人々も年々増加しています。多文化共生の場や学びがより強く求められている現状をふまえ、昨年に引き続き、今年も埼玉県川口市と神奈川県横浜市でフィールドワークを開催しました。
参加者は朝9時に蕨駅へ集合し、徒歩で芝園団地へ。4グループに分かれて団地内を見学した後、川口駅前へ移動し、外国人世帯が過半となった芝園団地の元自治会事務局長によるワークショップに参加しました。「日本人同士は共生できているのだろうか?」と講師が会場に問いかけると、参加者は、多文化共生が単に外国人との問題だけではないこと、我々の問題でもあることに気づいていきました。
昼食の後、多文化共生社会を目指して活動する2つの市民団体から川口市の現状について説明を受けた後、外国につながる3人の学生を交えたパネルディスカッションを行いました。彼らの生い立ち、学校生活での思い出、在留資格のこと、将来のことなど、メディアでは取り上げられない彼らの本音や想いを共有し、活発な質疑応答が行われました。
昨年度同様、猛暑のなかでの開催でしたが、アンケートによる全体評価は5段階で4.86と高く、参加者が自分事に引き付けて真剣に学ぼうとしている姿が印象的でした。
(参加者の声)
芝園団地の見学を開始!
落書き机直しプロジェクトのベンチ
芝園団地に関するワークショップ
参加者は朝9時にJICA横浜へ集合、午前中に海外移住資料館を見学し、移住の歴史と海外の日系人移民社会について学びました。
昼食の後、鶴見国際交流ラウンジにて、外国につながる子どもの支援を行うNPO法人ABCジャパンの活動と日系人の若者の様々な体験談を聴きました。続いて、同ラウンジ館長から鶴見での多文化共生への取り組みを学び、短編ドキュメンタリー映画『鶴見人 大川常吉と朝鮮人』を視聴しました。
その後の街歩きでは、鶴見駅構内の大時計(かつて在留朝鮮人が祖国へ帰還する際に寄贈した時計)、鶴見小野駅近くの旧朝鮮幼稚園、そして東漸寺を訪れ、関東大震災後に朝鮮人暴動のデマによる住民の暴挙から朝鮮人を守った警官・大川常吉への感謝の碑を見学、最後は日系ブラジル人経営の新しいスーパーマーケットと沖縄物産センターを訪問しました。
雨模様での開催でしたが、アンケートによる全体評価は5段階で4.83と高く、参加者の一部は沖縄ボリビア料理店での夜の部の懇親会でさらに交流を深めました。
(参加者の声)
海外移住資料館を見学
鶴見国際交流ラウンジでの講義
東漸寺で鶴見の歴史について知る
今回のフィールドワークを通して、参加者の皆様が自分たちの住む地域を見つめ直し、それぞれの活動に生かしていただけたら幸いです。そして、フィールドワーク実施に伴いご協力いただいた皆様には改めて感謝の意を表します。
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