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【新潟県・長岡市】日本の漁業、未来に向けて進化中~「未利用魚をおいしくクッキング」開催レポート~

2024.12.16

JICA長岡デスク国際協力推進員の原です。「食べにくい」「見た目がちょっと…」といった理由で廃棄される未利用魚。未利用魚の活用は5年前、長岡市地域おこし協力隊として、私が長岡に移住して来てから始めた活動です。当時、長岡工業高等専門学校と協働で行った寺泊漁港で水揚げされる未利用魚を活用した取り組みは、2020年に内閣府地方創生推進室主催の「地方創生☆政策アイデアコンテスト2020」 で関東経済産業省局長賞を受賞し、その後全国大会に進出し全国2位になりました。国際協力推進員として着任後も、長岡の地方創生や国際協力の促進のために未利用魚の活動を継続しています。

サモアOV中村さんと試食

11/16未利用魚でおいしく楽しく!「未利用魚をおいしくクッキング」開催レポート

11月16日、柏崎市の「柏崎・夢の森公園」で初となる海をテーマにした、未利用魚のクッキング体験を開催しました。地元の魚について詳しく知らない柏崎・寺泊地域の参加者12名と魚の新しい魅力を発見し、楽しく交流を行いました。

長岡デスク原の未利用魚講義

今回のイベントの 学びと体験ポイント

1. 講義で未利用魚の現状を学ぶ!
未利用魚の背景には、日本の漁業法の遅れや流通の課題がある事を紹介し、SDGsや世界の食糧問題と結びついていることも再確認する機会になりました。

2. 料理体験で魚の魅力を再発見!
未利用魚をさばいて調理!寿司作りではみんなで試食を行い、「こんなに美味しいなんてもったいない!」と感動の声が続出。

3. 国際交流も!
「初めて魚をさばいた」というモンゴル人の参加者は、母国との違いを他の参加者に紹介。日本の魚文化を知ってもらう貴重な機会になりました。

矢澤先生の寿司握り講座

未利用魚イベントを通じて

 今回のイベントでは、未利用魚の魅力や課題を学び、地元の資源を活かす意識が高まっただけでなく、新たな交流の場ともなりました。参加者からは「また参加したい」「家でも未利用魚を使ってみたい」との声が多数あがり、地域の持続可能な取り組みの一歩となりました。また、当日参加した長岡市立寺泊小学校の先生からは、未利用魚をテーマにした同校での講義依頼をいただきました。
 日本の漁業は、まだまだ改善の余地があります。だからこそチャンスがいっぱい!日本が得意なのは「鮮度管理」や「加工技術」。これをもっと活かして、資源管理をしっかり強化したり、未利用魚を賢く使ったりすることで、世界のモデルになれる可能性があるのです。
 未利用魚を「もったいない」から「おいしい」に変える文化が広がれば、日本だけでなく、発展途上国の漁業にもヒントを与えるはず。地元の資源をうまく使って、みんなでSDGsを実現する道を切り開いていきます。小学生から大学生まで巻き込み、日本から世界へ漁業の未来をアップデートしていこうと思っています。

報告: JICA長岡デスク 原 洋介

寿司、未利用魚試食会

ソウハチガレイ

カワハギの子供

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