【実施報告】課題別研修「投資促進・ビジネス環境整備(準高級)」
2025.02.14
本研修は研修委託先(株)ワールド・ビジネス・アソシエイツ社の協力のもと、ハイブリッド型で実施され、10月にオンライン講義、11月に来日研修と日本企業向けセミナー、そして、12月のオンラインでの最終発表をもって全てのプログラムが終了しました。アジアからは5名、アフリカ・中東からは9名、合計14名の研修員が参加しました。約2ヶ月半にわたる長期間の研修ではありましたが、講義、都内近郊の企業訪問、研修委託先による個別相談を通じて、各国の投資促進やビジネス環境整備に必要な取り組みについてのアクションプランを作成し、研修最終日にはオンラインで発表を行いました。
本研修の主な対象者は、投資庁などで投資促進を担当する行政官で、外国直接投資(FDI)の誘致・促進のために必要な取り組み等について理解を深めることを目的としています。
研修員は、投資促進・ビジネス環境整備のための政策策定に関する具体的なアプローチを学びます。オンライン研修では、日本における取り組み等の概要を学び、来日研修では、日本の支援施設・企業への訪問、関係省庁による講義等を通じて、自国に必要な政策や制度、産業振興の連携について理解を深めます。また、日本企業向けセミナーに登壇し、自国の投資・ビジネス環境について投資家・企業向けに実際に発表をすることで、情報発信の手法を実践的に学びました。そこで投資家や日本企業から受けたフィードバックも活かし、最後は研修の最終成果として自国の投資促進のためのアクションプランを作成しました。
研修名:投資促進・ビジネス環境整備(準高級)
研修期間:
①事前オンライン
アジア:2024年10月7日~16日
アフリカ・中東:2024年10月17日~25日
②来日研修
合同:2024年11月5日~20日
③事後オンライン
合同:2024年11月26日~27日および12月4日~5日
参加国:
アジア:カンボジア、パプアニューギニア(2名)、バングラデシュ、フィリピン
アフリカ・中東:エジプト、ガボン(2名)、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、ザンビア、タンザニア、ボツワナ、モーリタニア
日本文化理解プログラムで浅草を訪問
研修では、外国投資家の視点を理解し、投資促進を実践することを目標の一つとしています。その一環として、11月11日(月)~12日(火)の2日間にわたり、日本企業向け「ビジネス・海外進出セミナー」をJICA地球ひろばで開催しました。
このセミナーは、会場参加とオンライン参加のハイブリッド型で開催され、研修員は参加した日本企業や海外進出に関心がある方々に対して、自国の投資環境やその魅力を発表しました。
会場では個別相談ブースを設け、海外でビジネスを展開する上での手続きや需要などについて、日本企業から質問があり、研修員は日本企業が海外に進出する際に直面する課題や、現地で必要とされているサポートなどを知ることができました。日本企業と連絡先を交換した研修員もいて、帰国後もコミュニケーションが続いています。
会場には各国の在日大使館関係者も参加され、個別相談に来られた日本企業とも意見交換されていました。多くの研修員が「在日大使館との連携を強めていきたい」と話していました。
ビジネス・海外進出セミナーでの参加者・大使館関係者との集合写真
ビジネス・海外進出セミナーでの参加者との個別相談の様子
アジアの4カ国とアフリカ・中東の8カ国から参加した12カ国、14名の研修員は、講義後の振り返りやレポート発表の時間を通じて議論や意見交換を行いました。現地での課題や、普段の業務が異なる参加者もいましたが、「アジアとアフリカ、世界各国からの参加者がいて、新しいことを学べた」「アジアはアフリカから、アフリカはアジアから学べることも多く、新しい発見があった」といった感想を述べ、この研修を通じて日本だけでなく参加国からも多くを学べたと話していました。
オンライン研修では時差の関係で2グループに分けて講義を行いましたが、来日研修では地域を越えて、参加した12カ国全員が学び合うことができた研修となりました。
アジア4カ国の研修員(左からカンボジア、バングラデシュ、パプアニューギニア2名、フィリピン)
アフリカ・中東からの研修員とオブザーブ参加者(左からガボン、コンゴ民主共和国、ガボン、アフリカ開発連合庁/AUDA-NEPAD、タンザニア、コンゴ共和国、ボツワナ、ザンビア)
修了式での集合写真
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