課題別研修「労働安全衛生」に参加した帰国研修員からの声が届きました!
2025.02.14
2025.02.14
JICA
課題別研修「労働安全衛生(制度構築から具体的対策まで)」コースでは、2024年9月16日~10月12日まで各国から7名の行政官等を迎え、日本の労働安全衛生について学ぶ来日研修を行いました。帰国前には、日本で学んだ新たな知見を各国の労働安全衛生課題にどのように活かすかをまとめた「アクションプラン」を作成しています。研修終了から約3か月が経ち、各研修員からアクションプランの進捗について報告がありましたので、ご紹介いたします。
ブータンの産業・商業・雇用省で働くサンゲイさんは、今回来日研修での学びを活かし、職場における「安全第一」の概念を伝え、訓練するために、帰国後以下の活動を行いました。
ブータン国内4つの地域で、トレーニング・ワークショップを実施し、建設業に携わる従業員や雇用主、合計149名が参加しました。トレーニングでは、講義を通じて5S※1の概念を伝えるとともに、参加者間でのグループワークや、実際に建設現場に行き改善点を明らかにするフィールドワーク等を実施しました。
結果として、資材の取扱と保管に関するスキル向上や職場の安全第一の概念を浸透させることができたとのことです。今後は、建設業だけでなく、製造業に対しても同様のトレーニングを行い、安全第一の文化をブータン全体に広げていきたいとのことです。
※1 5S活動とは、職場環境の改善を目的とした整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つのSからなる活動
ワークショップで講演するサンゲイさん(左奥)
グループワークの様子
フィールドワークの様子
インドネシアの労働省で働くマプさんは、日本での研修を踏まえて、「産業医の業務能力基準に関する規定の策定」、「労働安全衛生人材の質と能力の向上」、「職業性疾病※2に関する意識の向上」を目的として、来日後以下の活動を行いました。
まず、帰国後に、産業医の業務能力基準原案作成チームを結成し、そのチームリーダーに就任しました。その後、チームにて産業医の業務能力基準の素案をまとめるための検討会を開催しました。
加えて、地方労働監督官、労働安全衛生審査官と調整の上、職業性疾病を予防する活動を組織しました。3回にわたるセミナーやワークショップを実施し、職業性疾病の予防及び対策に関する規定の周知を行い、オンライン・オフライン併せて延べ404名が参加したとのことです。
今後の活動としては、2月以降続く産業医の業務能力基準にかかる会議の場で、彼らの能力強化につながるような同基準案を最終化していきたいとのことです。
※2 職業病と災害性疾病を併せて職業性疾病と呼ぶ
産業医の業務能力基準原案作成チーム
ワークショップで講演するマプさん
ワークショップの参加者
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