【東京都】都立国立高校 探究×日系サポーター ブラジル、ペルーからの研修員による出前授業が行われました!
2025.02.25
2025.02.25
「私は日系3世で、ブラジルの日本人コミュニティで育ちました」
「私は日本のアニメや漫画やJポップが大好きで日本語を勉強するうち、日系人協会で日本語教師になりました」
日系サポーター研修員として来日中のブラジルのカオリさん、ペルーのニノさんが、2月5日、東京都立国立(くにたち)高校の探究の授業でお話をしました。高校1年生320名の生徒さんたちが、二組に分かれてお話を聞き、生徒企画のゲームで交流しました。
「日系という言葉を知っていますか、南米に行ったことがありますか、どんなイメージを持っていますか」そんな問いかけに、しどろもどろ、「ちょっと怖いイメージかな・・・」と答えていた生徒たち。カオリさん、ニノさんの素晴らしい日本語によるブラジル、ペルーの紹介、そしてそれぞれの国での日系移民の歴史やご自身の経験についてのお話に、どんどん引き込まれていきました。
日本から中南米への移住は、1880年代から1960年代にかけて盛んにおこなわれました。その歩みや背景は多様ですが、JICAは様々な移住政策に関わってきました。1990年以降は、中南米から日本に還流する日系人も増え、新たなパートナーシップを築くことが求められています。そんな中で始まった日系サポーター研修で来日したカオリさん、ニノさん。等身大の、日系人、日系社会の
「今」を生きるお二人との交流は、高校生の心にどんな種を撒くことが出来たのでしょうか。
カオリさんは、ご自身の揺れるアイデンティティを、「私はブラジル人と日本人両方の文化、伝統、歴史の混合体。祖先の勇気を誇りに思います」と締めくくりました。
ニノさんは、「ペルーは日本語だけでなく様々な国や民族の言語、文化、アイデンティティを大切にしている。ペルーの良い面が皆さんの心に少しでも残ってくれたら」と語りました。
講義が終わった時には、ブラジル、ペルーという国はどこか遠い知らない国ではなくなり、何人もの生徒さんが「いつか行ってみたい」と応えてくれました。
講義の後は生徒企画のゲーム。ブラジル、ペルーの言葉でじゃんけんゲームを展開することになりました。ひとグループ160人での壮大なじゃんけんゲーム。使う言葉は違っても、じゃんけんは「石、紙、ハサミ」だという発見がありました。「ピエドラ、パペール、ティヘラ」の掛け声が高校のホールに響きました。
国立高校の皆さんは、4月からは2年生。総合的な探究活動も本格化します。そのテーマの一つに多文化共生があるとのこと。今日、二人が語ってくれた、アイデンティティを大切にすること、多様な文化や言語を尊重しながら共に生きて行くことは、これからの日本にとって必要不可欠なものでしょう。
皆さんの心に、移住の歴史や、中南米の国々の日系社会の存在が息づき、将来にわたる関心に繋げていただければと願います。
カオリさん授業
ニノさんの授業
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