【国際協力出前講座レポート】
2025.02.25
JICA海外協力隊経験者や長期研修員が授業をお届けする出前講座。
今回はJICA海外協力隊経験者が講師を務めた出前講座の様子をお伝えします!
出前講座の受講生は、日本女子大学の2~4年生の皆さん。
担当の土屋先生からは、海外ボランティアの体験や異文化理解に関する講演のご希望をいただきました。
講師を務めたのは、2011年から2年間、JICA海外協力隊としてモロッコに青少年活動で派遣された藤澤礼香さん。
藤澤さんは大学卒業後にJICA海外協力隊に参加され、モロッコの教育施設において、青少年の育成や施設の活性化のために活動されました。現在は、一般社団法人 協力隊を育てる会に所属し、派遣後の隊員の活動支援等、様々なご活躍をされています。
今回の講座のテーマは「FUN FAN」。モロッコや協力隊のことを楽しく学んで、ファンになるという思いが込められているそうです。
初めに、テーマの通り楽しみながらモロッコを知ることができる2つのアクティビティが行われました。まずは日本でも知られている手遊び歌「はじまるよ」のモロッコ語バージョンを参加者全員で歌い、モロッコと日本の文化の融合を感じました。
次にモロッコのジェスチャーを用いたゲームが行われました。親指と人差し指で丸をつくると日本では「OK」の意味になりますが、モロッコでは「全然ダメ、0点」という意味になるそうです。ゲームや藤澤さんの経験談を通して、学生の皆さんは文化の違いに驚いていました。
アクティビティに続いて、モロッコについて3つの観点(カラフル、パワフル、ピースフル)から、藤澤さんが現地で体験したことや出会った人のお話をもとに沢山の写真を用いて紹介されました。「カラフル」では美しい街並みや衣装、「パワフル」では女性のもつ活気や力強さ、「ピースフル」ではおもてなしの文化について、学生の皆さんは興味深く聞いていました。
続いて、もしあなたがJICA海外協力隊隊員としてモロッコの青少年施設で活動することになったらどうするか?という問いをもとに話し合いが行われました。学生の皆さんは、藤澤さんが協力隊の活動において大切にしていた十か条をもとに、積極的に意見を交換していました。
学生の皆さんからは、コミュニティに参加して信頼関係を築くことでニーズを知る、SNSで発信するなど、様々なアイデアが発表されました。
最後に、「あなたはどんな人でありたいですか?」という投げかけから、学生の皆さんがそれぞれの目標や将来について考える時間が設けられました。藤澤さんの活動や想いを学んだことで、学生の皆さんはそれぞれの専攻や興味関心を通してこれからの人生で成し遂げていきたいことをじっくりと考えていました。
このように、楽しみながらJICA海外協力隊の活動や講師の派遣国について学ぶことができるのが出前講座の大きな特徴です。
皆さんの学校でも、ぜひ出前講座を実施してみませんか?
問合せ・申込方法等はホームページからご確認いただけます。
国際協力出前講座 | JICA東京 - JICA
異文化理解に興味のある学生が多く受講する授業なので、JICAの海外青年協力隊に参加された講師をお招きして、日本のODAや派遣国での異文化体験に関するお話を伺う機会を設けるようにしています。モロッコで異文化体験をされた藤澤先生のお話は、言葉、文化、価値観などの違いを自分なりに楽しむ、というような観点を提示してくださったように思いました。私たちの普段の生活では、日本語や日本の文化以外に異文化に触れる機会がそう多くあるわけではないので、講師の方々が、派遣されたそれぞれの国での異文化理解に関する体験についてお聞かせくださることは、学生さんたちがこれからの人生の進路について考える際に役立っていると思います。
私は、学卒直行で協力隊に参加したのですが、今回の出前講座では学生さんたちを目の前にして、当時の私にエールを送るような、懐かしい気持ちでお話させていただきました。
私は今、協力隊を応援する団体で仕事をしています。そこでのスローガンは「協力隊は日本の宝、育てて活かす、平和の種まき」。今回のお話も、どこかで芽が出て花が咲く、そんな種となれていたら幸いです。協力隊のこと、モロッコのこと、人生のこと、その魅力や価値観などが、学生さんの進路や人生にとって、何か1つでもギフトになるものがあったならと願っています。
聴いてくださる方がいるからこそ成り立つ出前講座。この度は、ご縁をいただき、誠にありがとうございました。
講師の藤澤礼香さん(左)と、出前講座を依頼した土屋先生(右)
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