【出前講座レポート】講座のテーマは「異文化理解」、 日本とは異なる文化に興味を持つきっかけに!
2025.07.02
JICA海外協力隊経験者や長期研修員が授業をお届けする出前講座 。
今回はJICA海外協力隊経験者が講師を務めた出前講座の様子をお伝えします!
今回の出前講座の受講生は、千葉県の市川市立新浜小学校の5年生生の皆さんです。この学校では、外国からの児童が15か国以上、60名ほど学んでいるそうです。
講座のテーマは「異文化理解」。担当の先生からは、「異文化のおもしろさに気づき、理解し、尊重する態度を養う」「多文化共生社会の実現に向けてできることを考える」ことを目的とした講演のご希望をいただきました。
講師を務めたのは、1989年から2年間、JICA海外協力隊としてセネガルに派遣され、植林活動を行った松本淳一郎さん。
松本さんは大学卒業後にJICA海外協力隊に参加され、半乾燥地において、複数の村落の住民を対象に、啓発、育苗・植林の技術指導をされ、チーム派遣だったため、野菜、果樹、視聴覚教育等の隊員と協力して活動されました。帰国後からは一般社団法人日本森林技術協会に所属され、西・中部アフリカの仏語圏を中心に、森林・林業分野の国際協力事業に携わられています。
講師の松本さん
「この中で千葉県以外に行ったことのある人?」松本さんからの最初の質問では、みんな元気に手を上げました。関東、日本、海外と範囲を広げて、最後に「アフリカに行ったことがある人?」との質問に手が上がったのは1人!冒頭から大いに盛り上がり、5年生の好奇心にこちらまでワクワクする気分になりました。
育苗・植林の様子を写真と動画で分かりやすく説明する中、セネガルで主に栽培しているのが千葉県でも身近な落花生だと判り、驚きの声が上がっていました。
雨が少なく乾燥しているセネガルでは、乾期には気温が40度を超すこともあり、「いい天気」という表現は「雨の涼しい日」のことを指すと聞いた児童たちは、びっくりした素直な反応を見せていました。
その後話題はファッション、美容にまで及びました。現地のファッション誌を見せ、「セネガルの女性はおしゃれが大好き」と説明する松本さん。美容室の日本との違いにも触れ、現地では髪を切るというよりも、髪を編み込んでエクステやウィッグを付けてもらったりしておしゃれを楽しむとのこと。また女の子は小さい時からピアスの穴を開けるということも、児童達にはびっくりだったようです。
このファッションという違った角度からも文化の共通点や違いを感じ取れたのではないでしょうか。
講座の後半はカメルーン!
熱帯雨林、動物との共存の事例を通じて、セネガルとはまた違った自然、人々の生活を詳しく教えてくれました。日本では見ることのできない大木、また市場の光景の写真を映し出し、教室内は大盛り上がり。子ども、大人の関係なく、私も文化の多様性、視野を広くする素晴らしい機会となりました。
松本さんの質問に、元気に手をあげる子ども達
講師の松本さんは、良いタイミングで児童に質問を投げかけ、終始元気に大勢の手が上がるという非常に活気のある60分間の講座でした。
答えを伝えるだけでなく、どのように伝えれば児童一人ひとりが自ら考え、学べるかの工夫が講座を通してされていました。ただの文化の違いではなくその国の抱える課題、問題などもシンプルな言葉で伝わるように話され、子ども、大人の関係なく、文化の多様性を実感し、視野を広くする素晴らしい機会となりました。
児童たちが講座を通して、様々な国にますます興味を持ってもらえるきっかけとなることを祈っています!
このように、楽しみながらJICA海外協力隊の活動や講師の派遣国について学ぶことができるのが出前講座の大きな特徴です。
皆さんの学校でも、ぜひ出前講座を実施してみませんか?
問合せ・申込方法等はホームページからご確認いただけます。
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