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【実践授業レポート】上野真理先生 from 相模原市立旭中学校

実践授業とは…

実践授業とは、JICA教師海外研修に参加した先生方に、研修で得た経験を活用した授業プログラムを作っていただき、学校現場で実践いただくものです。

上野先生のレポート

授業実践レポート ~タペストリーを通して、共に生きるを考える授業実践~

7月から、生徒たちは「私の好きなもの」というテーマで、好きな食べ物、スポーツ、ゲーム、漫画のキャラクター、日本の景色などの絵を自由に10cm四方の布に描き、200枚程度の生徒作品を縫い合わせると2メートルほどのタペストリーが完成した。このパラグアイ研修で訪問した学校でタペストリーを披露すると歓声が上がり、笑顔があふれた。そして、現地の子どもたちにも同じテーマで作品を作ってもらった。

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すると、同じアニメのキャラクターを描いたり、好きなスポーツが同じだったりと、完成したタペストリーの中にはたくさんの共通点が見られた。遠く離れ、文化や生活環境が異なるにも関わらず、共通する「好き」があることに子どもたちは気づき、国や文化が違っても、私たちは思っているほど違わないのだと実感していたようだった。

A

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B

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C

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*A~Cの絵は、左側がパラグアイに住む子どもの絵、右側が日本に住む子どもの絵。Cに関しては、日本の子どもが描いた絵のキャラクターがかわいらしく思え気に入ったから真似して描いたのだと説明してくれた。

D

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Dに関しては、好きなスポーツを表現したものであるが、絵だけ並べてしまえば、どちらが日本の子どもで、どちらがパラグアイの子どもかは判別することは難しい。このことから、子どもたちは、文化や言葉が違えど、人間として大きな違いはないからこそ、相手のことを知ろうとする気持ちが大事だと感じたようだ。


E1とE2に関しては、自然の情景を描いたものであるが、E1がパラグアイ、E2が日本の子どもが描いたものである。パラグアイは木を描く子どもが多い一方、日本の子供は山を描く子どもが多い。しかし、パラグアイの子どもも、ピンク色の花の咲く木を描いている。これは、ラパチョと言う木である。日本の子どもが桜の木を描くのと似ている。この授業を通して、ある生徒が「どこに住むかによって生活様式や環境は異なるが、思いやりなどの人の心の在り方には大きな差異はない。だからこそ、お互いに相手を尊重し、対等な関係性を作ることが大切だ」と述べた。

E1

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E2

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共に生きるとは、自分自身を大切にすると同時に、相手の存在や思いも尊重することである。決して簡単なことではないが、互いを対等で公平な存在として認め合う関係性を築くことが大切である。子どもたちには、将来そのような社会を支え、実現していく人へと成長してほしい。