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- 【実践授業レポート】髙木佳代子先生 from 藤沢市立駒寄小学校
実践授業とは…
実践授業とは、JICA教師海外研修に参加した先生方に、研修で得た経験を活用した授業プログラムを作っていただき、学校現場で実践いただくものです。
高木先生のレポート
「短冊に込めた願い」
~パラグアイの子どもたちとの交流を通して~
①交流に至った経緯
研修先の1つとして、「エンカルナシオン日本語学校」に訪問した。この学校は、主に移住した日本人の子孫(現在は3世、4世が多い)が日本語を学ぶために通っている。子どもたちは、午前中は現地の学校で学び、午後週3日と土曜日に日本語学校で学んでいる。幼稚部、小学校低学年、高学年、中学部に分かれて学んでおり、全員で30人くらいである。
訪問した際には、日本の伝統あそびやレクレーション、フリートークなどを通して、児童との交流を行った。子どもたちは毎年日本語スピーチコンクールに参加していて、そのスピーチも聞かせてもらったが、非常によく練習していることがうかがえた。
交流の際、本校の児童たちが書いた手紙(パラグアイの子どもたちへの質問、イラスト、メッセージなど)を渡した。後日、この学校で日本語教師として活動している五嶋先生から、連絡があった。それは、高学年クラスの子どもたち(9人)と、駒寄小学校の子どもたちとの交流授業を行いたいとの提案だった。日本語学校の子どもたちは、日系社会の大人たちと日本語で話す機会はあるが、日本人の子どもと話す機会は少ないので、日本の子どもたちとの交流をしたいとのことであった。
4年生の外国語活動では、「Be friends! ~友だちになろう~」をテーマに、英語で会話をしたり、ゲームをしたりすることを通して、コミュニケーションを楽しむことを大切にしてきた。交流は、子どもたちにとって、実際に外国にいる子どもたちと友だちになれる、貴重な機会だと考え、実施することとした。
②単元計画
| 時 | 小単元名 | 学習のねらい | 学習活動 |
|---|---|---|---|
| 1 | 「短冊に込めた願い」 | よりよいコミュニケーションをするために、「想像力」をはたらかせる | ・「ぼくは、にほんにいきたいです。お願いします」と書かれた短冊の写真を見て、どんな人が、どんな思いで書いたのかを、付箋に書く。 ・考えたことを発表し、シェアする。 ・さまざまな考えが出たこと、一人一人が想像力を働かせたことを評価する。 ・パラグアイから送られてきたビデオレターを見て、感想を伝え合う。 →パラグアイの子どもたちと会ってみたい! 遠くにいてもできることを考えよう! |
| 2 | Be friends 友だちになるために何ができる? |
パラグアイの子どもたちと友だちになるためにできることを考える。 | ・ビデオレターの「おじいちゃんが日本から来た」というメッセージや日本からパラグアイに移住した人々がいたことを知る。 ・エンカルナシオンに日本語学校のできた理由や学校の様子についてのスライドを見る。 ・自分たちがやってみたい交流プランを考える。 →ビデオレターを送る。 オンライン通話で話す。 ・ビデオレターで伝える内容を班ごとに決める。 ・オンライン交流の時に聞いてみたいことを考える。 |
| 3 | 交流の準備をしよう! | 交流会の流れを知る | ・パラグアイとの交流のプログラムを聞き、内容や流れを知る。 ・パラグアイの子どもたちからの質問に答えられるよう、送られてきた質問の答えをワークシートに書く ・当日のリハーサルをする →グループごとに、質疑応答をする。 パソコン画面の前に行き、あいさつをして名前を言った後、班のみんなで質問をする。その後、パラグアイからの質問に答える。 |
| 4 | オンライン交流会 Be friends! パラグアイの友だちのことを知ろう! |
オンライン交流会を通して、パラグアイの友達のことを知ろうとする。 | ・パラグアイの子どもたちへの質問をしたり、パラグアイの子どもたちからの質問に答えたりする。 |
| 5 | 交流をふりかえろう | パラグアイと日本の文化のそれぞれの良さを感じる。 | オンライン交流のふりかえりをする。 ・パラグアイの子どもたちに手紙を書く ・ビデオレターの撮影をする。 自己紹介とおすすめの観光地・日本食・アニメ・ゲーム 遊び・学校行事などを紹介。 |
③交流の成果
パラグアイの子どもたちと日本の子どもたちが実際に交流することができたのは、大きな意義があった。遠い場所にいる同年代の子どもたちと話をすることができ、「楽しかった。」「実際に会ってみたいな。」「遠くにいる人でも友だちになれる」のような実感を持つことができた。この経験を通して、「知らない国」が、「友だちの国」になった。
今回交流が実現できたのは、エンカルナシオン日本語学校の五嶋先生(海外協力隊員)、校長の山田先生のおかげである。時差が12時間あるため、オンライン交流は、日本の授業時間に合わせるとパラグアイでは夜の9時以降になってしまう。そのため、当初企画したものの、パラグアイの子どもの参加希望が1人しかいなかった。いったんは、ビデオレターのみの交流に変更することも考えたが、山田先生が「パラグアイから一人でも参加するのであれば、日本の子どもにもパラグアイの子どもにとっても貴重な経験になるからオンライン授業をやった方が良い。」との意見に勇気を得て実施することにした。日本の子どもは3クラス80名、パラグアイは数名で人数に大きな差がある。交流の時間は40分。この条件でみんなが満足できるような方法を模索し、パラグアイの子どもが参加しやすいように家庭からの参加とした。ブレイクアウトルームを活用して、クラスごとに会話できるようにし、日本の子どもが話す時間を確保し、より親近感を持って話せるよう工夫した。
当日はパラグアイから6人の子どもが参加した。パラグアイの子どもたちは、日本の子どもたちの質問に熱心に答えてくれた。日本の子どもたちも、うれしそうに質問に答えていた。日本の子どもたちはパラグアイの子どもたちの回答を記録しながら、興味を持って聞いていた。
パラグアイからの質問は日本の文化に関するものが多かった。日本の子どもたちは改めて、日本の文化や自分たちの住む神奈川県や藤沢市の良さを見つけて伝えていた。外国の人と交流することを通して、自分の国、地域の文化を再確認することができ、普段当たり前だと持っているものの存在に価値を見いだすことにもつながった。相手を知ろうとすることが自分を知ることにつながった。
④オンライン交流の感想より
・夜の9時くらいに,あんなにパラグアイの話をしてくれて、パラグアイのキャラクター、教科、良いところなど,いろいろなことを話ししてくれて楽しかった。
・パラグアイには、ぼくたちには知らない食べ物、音楽があった。
・パラグアイに行ったら、エンパナーダを食べてみたいです。好きなあそびがドッチボールと聞いて、好きな遊びが一緒だなと思った。
・みんな、日本語がめっちゃうまかった。チパとエンパナーダを、じっさいに見てうまそうだった。行ってみたら食べたいと思った。
・パラグアイのN君と話して、とっても楽しかったし、質問してパラグアイのおすすめの場所もしれてうれしかった。サンリオやロブロックスが人気なのもびっくりした。パラグアイの子ともっとお話しして、なかよくなりたい。とっても楽しかった。
・パラグアイのことがよく知れてうれしかったし、食べ物もおいしそうだった。ロブロックスが人気で自分もやっていたから、びっくりした。
・日本語がとても上手ですごかったです。パラグアイに行ってみたいと思いました。とても楽しかったです。また、ビデオ通話をしたいです。
・電話でもこんなに楽しいから、本当にあったらとても楽しいと思う。だから、パラグアイに行きたい。パラグアイ料理を食べたい。
・パラグアイのみんなと一緒にお話しできてうれしかった。