授業実践紹介vol.8続編「スーパーに展示?!学年全体でポスターに!SDGs学習アウトプット方法!」
2022年8月22日
学校現場ではSDGsを通じた学習が展開されています。
その学習、児童・生徒にはどのような発表の場を設けていますか?
今回は、国本小学校(東京都世田谷区)と千葉県立松戸国際高等学校の、SDGs学習アウトプット方法をご紹介します。
地域で学んだSDGs(国本小学校)
国本小学校の近くのスーパーマーケット「サミットストア(以下サミット)」の店長から、サミットが取り組むSDGs の重要テーマについて学んだ5年生の生徒たち。
実際に開店前のお店を訪問し、SDGsに関連する商品や店舗の様子を調べ、学校でまとめました。(これまでの取り組みの詳細は関連リンク「授業実践紹介vol.8」で紹介)
「サミットにどんな恩返しができるか子どもたちと考えていきます」と、担当の斎藤先生。
地域を知る、地域で学ぶ意味は?
その後、なんと、学校でまとめたものをサミットに展示することに!これが斎藤先生と生徒の考えたサミットへの恩返しなんですね。
サミット側も「店内で発表することで、地域のお客様にも連携していただきながら、社会課題に取り組んでいきたい」とコメント。
地域を知りアウトプットすることで、自分の居場所である地域を肯定的にとらえる(自分の置かれている状況・住んでいる場所に満足する)機会が増えるといいます。
なじみのあるスーパー(ここではサミット)の店長に学校へ来てもらい、授業を受ける。実際にスーパーに行き、発見する・調べる・まとめる。そして地域の多くの人に見てもらう。
地域を知り、地域で学んだSDGsは、児童の自己肯定感を育むとともに、児童の視野が広がる学習だと感じました。
ポスターセッションの特徴とメリット(松戸国際高等学校)
千葉県立松戸国際高等学校1年生は、入学した4月、麗澤大学の内尾准教授からSDGsについて学びました。
その後、クラスごとに興味のあるSDGsのゴールを選び、さらに興味のあるテーマを数人の班ごとに分かれて調べました。
そのアウトプット方法が今回の「ポスターセッション」です。
ポスター発表ともいわれるこの方法は、調べた内容をまとめたポスターを提示して、発表者が聴講者に向けて説明、質疑応答します。
ポスターを掲げるスペースのみで発表できるため、一つの教室で複数の発表が同時に行われます。
聴講者は自分の興味のある発表を選んで聞くことができ、発表者は聴講者の質問に直接答える、コミュニケーションがとれるので、聴講者はより深く内容を知ることができるというメリットがあります。
1学年全体で実施された今回のポスターセッション、11の教室と廊下に「64(8クラス×8班)」ものポスターが掲げられました!圧巻です!
6限、7限を使って、前半と後半で発表者と聴講者を入れ替えます。
生徒には2枚ずつ感想シートが配られており、各自が特に良いと思った2つの班に渡すことで相互に評価します。
生徒の感想
(発表者)
・発表は何回もするから、だんだん上手になった。
・ポスターを作成するのは大変だったけど、知れば知るほどもっと調べたくなった。
・聴講者が何を質問してくるかわからないのが怖い!だけど、答えられない場合は一緒に考えた。
・調べたことを質問されるとうれしかった。
(聴講者)
・全部聞きたかった!時間が足りなくて残念。
・なるべく質問するルールがあったから、発表を必死に聞いた。
・まずポスター読んで、興味があったら発表を聞いた。逆によくまとめられたポスターだと読むだけで十分だった。
・貧困や教育のテーマより、時事問題に関連するテーマは興味があった。
今回の感想を聞いて、発表者はポスターの未完成な部分もさらけ出すことで、一緒に考えることができ、よりよいコミュニケーションが生まれていると感じました。
「今後はSDGsの学習を修学旅行に取り入れていく予定」と校長先生。
SDGsに関わる学習は、発表して終わるものではありません。
発表を通じて、SDGsを通じて、生徒たちにはたくましい力がついています。
(報告:地球ひろば推進課 竹信裕美)
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