青年研修

開発途上国の若手行政官や技術者等を日本に招き、未来を担う人材を育てる事業です。知識・技術の習得だけでなく、地域の方との意見交換やイベントにも参加し、交流を深めます。

2023年度実施コース

No コース名 実施機関
(協力機関)
実施期間 対象国・地域 研修員数
1 初/中等教育(教育行政) (一社)TLAG 2023年10月3日~2024年1月31日 全世界 8人
2 職業訓練(日本のものづくりを支える人材) 直営 2024年2月11日~2024年2月23日 スリランカ、トルコ 12人
3 保健医療(地域保健) B (一財)国際協力センター中部支所 2023年12月1日~2023年12月26日 カンボジア 19人
4 再生可能エネルギー D (一社) 環境市民プラットフォームとやま 2023年8月31日~2023年9月11日 全世界 9人
5 地元資源を活用した産業振興(特産品・伝統工芸品等を用いた産業振興) A アイ・シー・ネット(株) 2023年10月12日~2023年11月7日 モンゴル 10人
6 農業・農村開発A NPO法人グリーンツーリズムとやま 2023年9月20日~2023年10月3日 アフリカ 5人

事例紹介

農村振興

実施機関:NPO法人グリーンツーリズムとやま
対象地域:アフリカ(英語)

農業生産量の安定した確保、小規模農家の所得向上のためには何が必要になってくるのか

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研修員はコンバインでの稲刈りの様子に興味津々

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トウミでの脱穀を体験する研修員

アフリカ諸国では、農業の知識や技術、整備された水利設備が不足しているため、安定した生産量を確保できない等の問題があります。そこで、稲作が盛んな富山県で日本の農業の歴史、農業用水を利用した小水力発電などの研修をグリーンツーリズムとやまの協力のもと、稲刈りの時期に合わせ実施しました。

まず、機械化された近代的な大規模農業が営まれている地域の見学。初めて見る大きなコンバインでの稲の刈り取り作業に、「日本のテクノロジーはすごい」と感動していました。また、整備された用水路や田んぼを見学し、「いつか自分の国でもこのような農業を実現したい」という声がありました。

最新の農業技術だけではなく、日本の伝統的な農業も知ってもらう目的で、実際に昔の人が使っていた足踏み脱穀機の体験もしました。手動で籾がらとゴミなどを分別するトウミを実際に体験し、「これなら自国でも使えそう!」と興味津々。トウミの設計図をもらい、自国で造ろうと意気込んでいる研修員もいました。

小規模農家の視察と餅つき体験

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お昼ご飯を兼ねて、お米の食べ比べ

アフリカでは自家調達している種籾の品質劣化が問題となっています。富山県朝日町を訪問し、アフリカの栽培に適した種籾の品種改良を行っている富山植物資源研究所から講義を受けました。お昼は、同研究所の折谷所長が手掛けた新品種のお米を2種類炊いて食べ比べ。日本のカレーと一緒に食べ、研修員は「オイシイ!!」とおかわりをしていました。地域の人たちの農作業を手伝い終わった後、一緒に餅つきをしました。研修員にとって初めての餅つきでしたが、交互にタイミングをあわせて上手に餅をついていました!

富山県黒部市で農業用水路の視察

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杵とうすでの餅つきに挑戦!

水源が豊富な地域と水源が乏しい地域の用水路を見学。アフリカでは、水不足に悩む国も多いので、整備された水利設備を自国で建設することは難しいが、用水路のわずかな水流を使った小水力発電は「自分の国でも活用できそう!」と興味を示した研修員がいました。また、農業用水を貯蔵するため池を見て同じものがアフリカでも作ることができるでしょうか、と真剣なまなざしで質問をしている研修員もいました。

2週間の研修を経て、帰国後のアクションプランを発表

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小水力発電の説明に聞き入る研修員

農協を作りたい、小規模農家の所得向上のために尽力したい、女性の地位向上のためグリーンハウスを作り、そのハウス内で農作業が出来ればなど多くのアイディアが出ていました。

大きなことをするには時間がかかると思いますが、「自国をこのように変えていきたい!」という研修員の意欲が近い将来きっと何か形になるだろうと思います。この研修で多くのことを学んだ研修員たちの今後の活躍が期待されます。