祝!開通40周年式典「マタディ橋」:コンゴ民と日本を結ぶ友情の印

2023.06.22

6月20日、コンゴ民主共和国(以下コンゴ民)マタディ市において、有償資金協力「バナナ・マタディ間鉄道輸送力増強事業 」(1974 年調印)で建設されたマタディ橋の完工40周年式典が開催されました。コンゴ民側からは、人権大臣(首相代行)、運輸副大臣、中央コンゴ州知事、マタディ市長、バナナ・キンシャサ交通公団(OEBK)総裁等が出席、日本側からは南博之駐コンゴ民大使、梁瀬直樹JICAアフリカ部長、村上博信JICAコンゴ民事務所長らが出席しました。

マタディ橋は大西洋からコンゴ川を約150キロ遡上したマタディ河川港に架けられた全長722メートルの吊り橋で、コンゴ川の中・下流域に渡河する唯一の橋梁です。1979年2月に着工、1983年4月に完工し、コンゴ民の経済・社会の発展に重要な役割を果たしてきました。また、同橋の設計・構造形式は、当時建設中であった本州四国連絡橋の下津井瀬戸大橋の吊橋形式を参考にして採用されました。旧ザイール時代にはマタディ橋がデザインされた紙幣が発行されています。また、2014年にニューヨークで開催されたアフリカ地域経済共同体(RECs)議長国首脳会合で、当時の安倍晋三首相が同橋の建設に関わった日本のエンジニア「7人の侍」について紹介し、日本は次世代に保守管理の技術を引き継ぐ支援を続けており、同橋はコンゴ民と日本を結ぶ友情の印として末永く生きていくと述べました。

JICAは2012年から2015年に、OEBKの中長期的な橋梁維持運営管理計画の策定や技術者の維持管理技術の向上を目的とした技術協力プロジェクト「マタディ橋維持管理能力向上プロジェクト」を実施しました。また、2017年には無償資金協力「マタディ橋保全計画」によって送気乾燥システム機材を導入し、橋梁の適切な維持管理に寄与しました。

今もOEBKの若手エンジニアたちは、日本人専門家から受け継いだ技術を継承し、同橋の維持管理を続けています。完工40周年式典では、同橋の維持管理に長年関わったエンジニアのアンドレ・マディアタ・ンデレ・ブバ氏、カロンボ・ムケバ・ジョセフ氏を含むOEBKに貢献した退職者4名に対し、大統領府からメダルが授与されました。

マタディ橋は、輸入貨物の約4割が荷揚げされる国内最大の河川港湾都市マタディ市、中央コンゴ州内のマタディ港・バナナ港・ボマ港、首都キンシャサを繋ぐ陸運の要衝として重要な役割を担っています。またマタディ市の保健・教育施設等はコンゴ川左岸側に集中しており、右岸側の住民の社会サービスへのアクセスにもマタディ橋が必要不可欠です。今後もJICAは質の高いインフラ整備を支援し、コンゴ民の経済成長と地域の安定に貢献していきます。

梁瀬直樹JICAアフリカ部長

梁瀬直樹JICAアフリカ部長

南博之コンゴ民大使

南博之コンゴ民大使

式典参列者(政府・事業関係者)

式典参列者(政府・事業関係者)

マタディ橋

マタディ橋

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