アフリカのインフラ開発における回廊アプローチ:AUDA-NEPADと共に知見共有ウェビナーを開催
掲載日:2020.05.19
イベント |
会議名:アフリカのインフラ開発における回廊アプローチ:AUDA-NEPADと共に知見共有ウェビナーを開催
開催日:2020年5月19日
主催:アフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)、(独)国際協力機構(JICA)
場所:ウェビナー
JICAは、アフリカ開発会議(TICAD)で打ち出した協力方針に基づき、アフリカのインフラ整備や周辺地域の産業開発、社会開発を統合的に進める回廊開発を進めています。
JICAと連携関係にあるアフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)もまた、アフリカ連合やアフリカ開発銀行とともにアフリカでの地域・大陸レベルのインフラ開発を促進するためのイニシアティブ「アフリカ・インフラ開発プログラム(PIDA)」を推進しており、統合的回廊アプローチ(Integrated Corridor Approach)を同イニシアティブの基本方針として定めています。
回廊アプローチは両機関共通のインフラ開発方針であることから、今回、両機関の回廊開発に関する経験や好事例を共有し、今後の開発に役立てることを目的とした知見共有ウェビナーを開催しました。ウェビナーにはAUDA-NEPAD、地域経済協力体(RECs)、アフリカ各国政府の関係部署職員等が出席し、回廊アプローチに基づいた総合広域開発の取り組みについて理解を深めました。
JICAからは、経済回廊開発とは何かを東南アジアの事例を紹介しながら解説し、またアフリカの3重点地域(北部回廊、ナカラ回廊、西アフリカ成長リング)をはじめとする総合広域開発の経験から得た学びを発表しました。JICAが重点地域にて策定した戦略的マスタープランは、地域社会の基盤であるインフラ整備計画と、経済活動を構成する産業開発戦略を結び付け、広範な経済波及効果の創出を目的としており、JICAはマスタープランに基づきハード・ソフト両面の包括的な協力プログラムを実施していることを紹介しました。
AUDA-NEPADからは、回廊の要所となる国境にて円滑で安全な物流の確保に寄与するOSBP(ワンストップ国境通関システム)の推進や運営機能の向上に対する取り組みを紹介しました。
また中央回廊(Central Corridor)の開発を推進する多国間機関Central Corridor TTFAからは、同回廊の開発におけるプロセスを例に、民間セクター等の需要に沿った関係国による介入や関係国間での協議、協議内容に基づいた各国内での法整備や戦略文書の策定等の重要性を訴えました。
現在全世界で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、アフリカ大陸でもバリューチェーンの分断や、長距離トラック運転手による国境をまたいだ感染拡大など、物流網への影響が懸念されています。ウェビナーでは、物流、国境・税関等の分野において、安全な物流網確保のための対応策についても議論されました。AUDA-NEPADとJICAはともに、保健医療分野の緊急対応だけでなく中長期的なパンデミックへのレジリエンス強化を意識した取り組みを検討しており、互いの知見を共有し連携しながら、アフリカ大陸の新型コロナ対応策に貢献していきます。
チラシ
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