AFRI CONVERSE 2021 #2「Embrace the Partnership for Peace and Stability in Africa」の開催(JICA-UNDP共催)

掲載日:2021.02.25

イベント |

概要

会議名:AFRI CONVERSE 2021 #2「Embrace the Partnership for Peace and Stability in Africa」の開催(JICA-UNDP共催)
開催日:2021年2月25日
主催:国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)
場所:ウェビナー

「AFRI CONVERSE」は、アフリカ開発に関係する個人・団体のネットワーキングと意見交換を目的としたJICA・UNDP共催のイベントシリーズです。第7回アフリカ開発会議(TICAD7)における議論のフォローアップと2022年開催予定であるTICAD8に向けた機運醸成を図るため、2020年6月より、隔月に開催しています。

2021年第2回目の今回は、「アフリカの平和と安定に向けたパートナーシップ」をテーマに、過去10年以上に亘り暴力的紛争の発生が続くアフリカ大陸、特にチャド湖周辺を含むサヘル地域やアフリカの角の地域において、安全保障上の課題や政治的、人道的、開発上の危機を抱える中、各国政府・機関による平和と安定を推進するための取り組みやアフリカ大陸が恩恵を享受するための連携について、議論しました。

パネリストからは、アフリカの平和と安定に向けた新たなアプローチ(NAPSA)の概念に基づいた日本の取組をはじめ、アフリカの紛争影響地におけるJICAの協力やUNDP-JICAの協働事例の紹介、若者の失業や不十分な教育などの紛争の根本原因、国境地帯における紛争予防の取組、解決策の提案等について報告がありました。

日本・アフリカの様々なセクターから250人以上が参加し、アフリカ大陸における「平和と安定」の実現に対する関心や期待の高さが伺えました。

プログラム

各登壇者からの発表

対話型セッション

パネリスト

  • 外務省アフリカ部アフリカ第一課長 髙橋 直樹氏
  • JICA国際協力専門員(平和構築) 小向 絵理氏
  • ナイジェリア・アダマワ州緊急事態調整機構 事務次官 ムハンマド アミン スレイマン氏
  • UNDPアフリカ局ボーダーランド・センター チーム長 ゼイヌ ウマール氏

モデレーター

  • UNDP駐日代表 近藤 哲生氏

質疑応答

内容

外務省の髙橋氏は、サヘル地域およびアフリカの角の地域で起きている紛争が人間の安全保障の危険と生命の脅威であると指摘しました。アフリカの平和と安定に向けた新たなアプローチ(NAPSA)の概念に基づき、アフリカの国々が「運転席」に座る形で制度構築等を通じ、紛争の根本原因を対処していくことの重要性を強調しました。

JICAの小向氏は、特に、紛争影響地域では、住民との社会的結束を強化するため、地方自治体の果たす役割の重要性とデータに基づいた透明性ある計画立案の実施、コミュニケーションの強化や脆弱層への適切な対応が重要と指摘しました。また、UNDP-JICAの協働事例として、ナイジェリアのボコ・ハラム影響地域での地方自治体の能力向上支援を紹介しました。

ナイジェリア・アダマワ州のムハンマド氏は、ナイジェリアにおける紛争の根本原因の説明と地方自治体およびコミュニティの能力強化を図ることでコミュニティ内の理解、結束、信頼が構築され、紛争からの回復プロセスを進めると強調しました。

UNDPのゼイヌ氏は、アフリカの国境地帯における脅威と政府組織によるサービスの提供不足を述べ、同センターの革新的な解決策やプログラム設計を通じて、専門的な知見と助言を提供していく考えを述べました。

最後にパネリストは、TICAD8に向け、コミュニティのガバナンス強化や地方自治体の能力強化等を通じて根本原因に対処し、紛争予防と大陸の安定をもたらすためのパートナーシップ推進の必要性を確認しました。

【画像】

イベントの様子