jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

2024年度高専オープンイノベーションチャレンジの最終審査会・入賞チーム表彰式を行いました!

掲載日:2024.09.13

イベント |

JICAが国立大学法人長岡技術科学大学(以下長岡技大)と実施する高専生のハッカソン「高専オープンイノベーション(KOI) -Challenges from Africa 2024-」(以下高専OI)の最終選考会が、8月20日に新潟県長岡市で行われました。書類選考を通過した日本全国の高専計8校10チーム約40名が一堂に会し、英語によるプレゼンを通じてアフリカの社会開発課題解決のためのアイデアを競いあいました。

【画像】

今年度の課題国となったケニアとマダガスカルのお題はそれぞれ「テクノロジーを活用した持続可能な農林水産業 」と「マダガスカルの特徴を捉えた食料生産の仕組みの創出 」。課題が発表されてからおよそ一カ月の間、試行錯誤を重ねたアイデアをもとに、それぞれのチームによる熱のこもったプレゼンが展開されました。ハイテクを駆使した夢のあるアイデア、ローテクを組み合わせて現地でのニーズを追求したアイデアなど、様々な着想での課題解決方法が提案されました。

審査会会場では長岡技大の高橋修副学長のほか、高専OIC事務局長の中山忠親・長岡技大教授やオジラ・ケネス・オモンディ ジョモケニヤッタ農工大学教員などの審査員に加え、民間企業関係者らが対面参加し、質疑応答では「コスト計算の根拠は」「現地の技術で維持が可能か」「高価な機器の盗難対策は」など、実用化を見据えた鋭い質問が寄せられました。

【画像】

英語でのプレゼンの様子(長岡技大撮影)

【画像】

審査員との質疑応答

今年度入賞チーム

審査員による厳正な投票の結果、今年度の入賞チームは以下の通りとなりました。今後、日本でのプロトタイプ試作・実証実験を経た後、各チームがそれぞれケニア・マダガスカル現地に渡航の上、実証実験を行う予定です。

  • ケニア課題:産業と環境の調和を目指す。テクノロジーを活用して持続可能な農林水産業を実現するアイデア求む!
  • 入賞:長岡高専「高温多湿である海岸線および海上を利用した高栄養キノコの栽培」
  • マダガスカル課題:マダガスカルの特徴を捉えた食料生産の仕組みの創出を探すアイデア求む!
  • 入賞:宇部高専「栄養も美味しさも二重取り!フナとエビの米作り」

表彰式

続いて行われた表彰式には、特別ゲストとしてアフナ・エザコンワUNDP総裁補兼アフリカ局長とJICAの中村俊之・理事長特別補佐が参加し、入賞した2チームによるプレゼンが行われました。冒頭での挨拶でエザコンワ局長からは、アフリカの開発課題解決のため、日本の若者とアフリカの若者による共創(Co-creation)に期待が寄せられたほか、中村理事長特別補佐からは「未来はやってくるものではなく作るものであり、若者の自由な発想とイノベーションをぜひ実社会で形にしていってほしい」との激励がありました。

【画像】

入賞した宇部高専チームとJICA中村理事長特別補佐(右)、中山・長岡技大教授(右奥)

【画像】

アフナ・エザコンワUNDP総裁補兼アフリカ局長

高専OIについて

高専OIは、2019年から今年度までに計5回実施され、全国の15高専から延べ約250名が参加してアイデアを競いました。

過去の高専OIではケニア(長岡高専:アメリカミズアブの肥料・飼料化)やルワンダ(北九州高専・都城高専:コーヒー豆の糖度自動測定装置の開発、宇部高専:ゲーム機能を搭載した栄養・健康改善指導アプリ機能の開発)、ナイジェリア(佐世保高専・北九州高専:自己発電型水道メーターの開発)など計12件を提案・制作しました。また、アフリカで実証実験を行った高専生発案のソリューションを日本の地域課題にも応用すること(リバースイノベーション)を目指しており、実際にアメリカミズアブの肥料・飼料化事業はアフリカでの実証実験を経て日本での実用化が進められています。

アフリカの社会開発課題への取組とリバースイノベーションを組み合わせた試みが評価され、高専OIは2023年度日本オープンイノベーション大賞(内閣府主催)の最優秀賞(内閣総理大臣賞)に選ばれました。

【画像】

高専OIロゴ