ウズベキスタン日本センター「経営塾」第2期の講義の様子

2022年10月11日

 ウズベキスタン日本センター(UJC)では、昨年に続き、「経営塾」第2期を7月に開講いたしました。全5科目で構成される経営塾第2期は、現時点で第3科目の「財務管理」の講義まで終了し、残すところあと2科目となっています。

(「経営塾」の概要については、本ページ下部、関連リンクの記事をご参照ください。)

 この第2期生のクラスでは、内容の濃い授業が展開されています。
「皆さん総じてレベルが高いですよね」
 そう語るのは、8月29日から9月9日まで第2科目の「人事戦略」を担当した山﨑講師です。

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 2週間の講義を通して山﨑講師は、受講生たちはとても飲み込みが早く、優秀だと感じたそうです。その要因として挙げたのは、UJCにおいて「ミニMBA」とも呼ばれる常設ビジネスコースのPMP(プロフェッショナル・マネジメント・プログラム)の存在です。

(PMPの概要については、本ページ下部、関連リンクの記事をご参照ください。)

 山﨑講師によると、経営塾の受講生は全員がPMPの修了生であるからこそ、人事戦略の講義を聞く上での基礎的な知識がしっかりと備わっていたのではないかということです。
「基礎があるから、理解力が高いですね。日本の一般的な人事制度は、ウズベキスタンではあまり馴染みのないことも多く、受講生たちにとってはなかなか理解しにくいこともあったはずなのですが、それでも最後にはちゃんと理解していて、講義についてこられないような受講生もいなかったです。講義の内容が理解できた時の受講生たちは、まさに目から鱗が落ちたような表情をしていましたね」
 経営塾は企業の経営者たちが多く受講していますが、そんな受講生たちにとっても、山﨑講師の講義期間中は、日々新たな発見の連続だったようです。講義の内容を踏まえて行われたグループディスカッションにおいては、どのグループでも活発な議論が繰り広げられ、グループごとの発表の質も非常に高かったということです。

 そう評価した山﨑講師には、講義時間中はもちろんのこと、休憩時間も質問をする受講生が相次ぎました。人事戦略というウズベキスタンではまだあまり馴染みのない概念、そして日本の人事制度などについては初耳であることも多かった受講生たちは、講義を通じて学んだことについて、さらに理解を深めようとする姿勢が目立っていました。
「受講生たちからの質問も、質の高いものが多かったですね。講義の内容をしっかりと理解した上で質問をしていたという印象です」
 そう話す一方で、少し困ったこともあったようです。

「話が自身の経営する企業に関する個別のケースにまで及び、コンサルテーションのようになってしまうこともありました」
 そうなってしまうと、限られた時間の中でその全てに答えるわけにもいかないため、タイムマネジメントの観点からも、タイミングの良いところで切り上げるといった対応をせざるを得なかったそうです。そんな状況を踏まえ、経営塾の受講生を対象とした個別のコンサルテーションのための時間を予め設けておいても良いのではないかというご提案もいただきました。
 全般的には受講生たちが優秀だったという印象を口にした山﨑講師ですが、講義を進めながら、あることに気が付いたそうです。

「受講生は、ほとんどメモを取っていないですよね。これは、ウズベキスタンの特徴なのでしょうか……?」
 確かに、経営塾に限らず、PMPなどの他のビジネスコースの様子を見ていても、受講生たちは講義中にほとんどメモを取っていません。パソコンやタブレットを持参している受講生も多いのですが、だからと言って何かを打ち込んでメモを取っているような様子もあまり見受けられません。これをウズベキスタンの特徴と言い切ってしまうことまではできないとは思いますが、山﨑講師はこの点をやや不思議に感じたようです。

「メモを取っていなくても、話したことはしっかりと理解しているんですよね」
 それを証明するかのように、講義中は多くの受講生が、講義の内容をもとに自らの意見や考えなどを発言していました。
「全体に向けて何か質問をすると、数秒もすれば、必ず受講生の誰かから発言があります。そのおかげで、とてもインタラクティブな授業ができたと思います」
 受講生たちには常に積極的な姿勢が見られたため、コミュニケーションを取りながら講義を進めることができ、その点が非常に良かったと感じたそうです。
 今回の講義をそのように振り返った山﨑講師に、受講生へのメッセージをお願いすると、次のような言葉をいただきました。
「授業が『良かった』とか『面白かった』とか、そういった感想をいただけることはありがたいのですが、受講生にとっては、それだけでは進歩がありません。講義を通して得た知識を実践してどう変わっていくのか、そこが大事です」

 また、今後経営塾の受講を検討したいと思っているウズベキスタンの方々に対しても、次のようなメッセージをいただきました。
「UJCの経営塾を通して、ぜひ成功への第1歩をぜひ踏み出してほしいですね」
 まずは経営塾を受講して新たな知識を身につけることが第1歩となります。
「講義を通して1歩目を踏み出したなら、得た知識を実践することが2歩目となります。講師は1歩目を踏み出すための背中を押す存在ですので、2歩目は受講生自身が踏み出さなければいけませんが、2歩目を踏み出すことができたなら、きっと3歩目にも進めるはずです」

 講師の力を借りて知識を習得したら、あとは実践あるのみです。ひとたび自分の力で実践することができれば、それが自らの経験値となり、その先にも生かしていけることでしょう。UJCの経営塾で学ぶことで、講義を通して得た確かな知識を実践し、経営者として成功を掴んでほしい——、そんなメッセージだったのではないかと思います。
 今年2年目を迎えているUJCの経営塾。山﨑講師の話にもあった通り、受講生たちにとって大事なことは、修了後にどう変わっていくかということです。ここまで3科目の受講を終えた第2期生たちですが、講義で得た知識を実践してどのように変わっていくことができるのか、UJCとして修了後も見守っていきたいと思います。