ジャスティン・リン世銀上級副総裁兼主席エコノミストが研究所でスピーチ

2009.11.24

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アフリカの経済発展について語る
ジャスティン・リン氏

11月16日、世界銀行の上級副総裁で主席エコノミストも務めるジャスティン・リン氏が、JICA研究所を来訪。アフリカの「経済発展と構造改革」についてのプレゼンテーションを行いました。

世界銀行とJICA研究所は、かねてより緊密に連携して、アフリカの開発に取り組んできました。今回の会合は、今後の取り組みを見据えて、お互いの関心事項やアプローチの方法、考え方を共有する場となりました。

リン氏は、開発途上国、とりわけアフリカ諸国が、さらなる持続可能な経済発展のために、どのようにしてその経済構造を変革すべきかについて触れ、経済構造強化のためには、自国の資源賦存状況や比較優位によってもたらされる余剰から資本の蓄積を図るべきだと語りました。

また、国家が適度に舵取りの役割を担うことを提案。そうすることで、自国の産業部門を、その比較優位を生かしつつ、より効果的に発展させることができるとし、民間部門とのより良い調整、情報共有、協調関係にもとづく産業多様化政策では、そうした国家の役割が求められるだろうと指摘しました。

リン氏のプレゼンテーションを受け、JICA研究所の武藤めぐみ研究員と同研究チームは、アフリカにおける現地企業の「集積」を調査した研究プロジェクトについて発表。こうした産業集積は、地理的な条件に左右されると同時に、インフラ整備の状況と大きな関係があるとしました。同研究チームのメンバーは、タンザニアにおけるJICA研究所による経営者研修プログラムについても発表しました。

会合では、大塚啓二郎教授(国際開発高等教育機構:FASID)も、生産力や経営能力の継続的な強化や、中小企業強化のための「カイゼン」(改善活動:製造業などにおいて、業務効率や品質・安全性などを向上させるために、現場の作業者が中心になって行う活動)について語りました。

開催情報

開催日時:2009年11月16日(月)
開催場所:JICA研究所

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