JICA研究所主催のアフリカシンポジウム、花谷上席研究員がマラウイ小規模灌漑について発表

2011.07.28

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花谷厚上席研究員

花谷厚上席研究員は6月21日、JICA研究所主催の連続公開シンポジウム「アフリカの持続的水利用・管理と農村社会」の第一回「アフリカの灌漑水利組織と社会」で、「受益者農民の視点から見たマラウイ小規模灌漑の合理性と制約」について発表しました。[関連記事へ]

この研究発表は、アフリカ農村部の貧困削減に資することを念頭にJICA研究所が進めてきた「アフリカにおける参加型灌漑管理組織と農村社会に関する研究」研究プロジェクトの中間報告として行われました。

シンポジウムには、JICA関係者のほか、専門家や開発コンサルタントなど実務関係者ら多くの方々が参加されました。花谷上席研究員の発表後、参加者からは「灌漑地の土地賃借契約の内容はどのようなものか」といった質問や「恒久堰の維持管理費負担が難しいのはそれが現金を要するためではないか」などの質問や意見が出されました。

これに対して花谷上席研究員は「契約は耕作シーズン毎に結ばれるもので、書面ではなく口頭による」、「現金は農民にとって希少財であることはその通りだが、集金そのものを行っていないことからすると、農民にとってその必要性認識が難しいという問題も考える必要がある」と述べ、その後の議論はアフリカの灌漑についての幅広い論点に及びました。最後に花谷上席研究員は今後の課題として、集合行為と資源アクセス・保有を軸としたアフリカの灌漑研究を積み上げて行く必要性があることを訴えて総括しました。

本シンポジウムでは、上記研究プロジェクトの研究分担者である近畿大学農学部環境管理学科の池上甲一教授も担当するタンザニアの事例を用いた「大規模灌漑稲作と水利システムの管理運営に関する社会経済的評価」について発表し、制度やシステムの整備の必要性などを強調しました。

JICA研究所は、今回のシンポジウムの質疑応答、議論の結果を今後の研究成果取りまとめに生かすとともに、政策的含意の実務へのフィードバックを図っていきます。

[第二回シンポジウムの記事へ]

開催情報

開催日時:2011年6月21日(火)
開催場所:JICA研究所

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