世界まめ知識

「ミャンマーそば、その由来は?」

9月19日国際協力事業団兵庫国際センターレストランにミャンマーそばの試食券が配られました。“ミャンマーとそば?なんの関係が??”多くの人はそうお思いかもしれません。—ミャンマーそば—この聞き慣れない食べ物の背景に、実はミャンマーの貧しい農村があるのです。

ミャンマーの東北部、中国とタイの国境近くにシャン州と呼ばれる地域があります。この地域は山々に囲まれていて、朝と夜の気温差が大きいという厳しい自然環境下にあります。そこで暮らす農民は長い間麻薬の原料であるケシを栽培し生活を維持してきました。

しかし、ミャンマーでは麻薬撲滅のためにケシから“そば”の栽培に転換しようとする動きが近年始まりました。では、なぜ“そば”なのか?それは、高い標高と一日の寒暖差が大きいというこの地域の特徴はそばの栽培に適しているからなのです。そして、そばは日本などへ輸出されることによって、貧しい農村の貴重な収入源となります。

このように、ミャンマーそばの背景には麻薬対策とケシに代わる収入という途上国の貧困と開発の問題があります。JICAでは、そば栽培の専門家をミャンマーに派遣するなど、ミャンマーの麻薬撲滅対策に協力しています。ミャンマーそばのルーツをたどることによって、そばという身近な食材も途上国が抱える問題と深くつながっていることを考えさせられます。

【写真】

一見普通のそば、しかし!?

【写真】

ラーメンのようなちぢれ具合、しかし味はそば。不思議なそばでした。

文責;松浦詩帆
立命館大学国際関係学部よりインターンシップ(実習経験)で2ヶ月間兵庫国際センターにて実習

ミャンマーそばについて更に詳しい情報

  • 『地球家族〜JICA Report〜ミャンマーのそば』CS衛星放送朝日ニュースター2001年5月6日放送(兵庫国際センターの図書資料室にて閲覧可能)
  • (株)太平洋物産ホームページより
  • (社)日本麺類業団体連合会/全国麺類生活衛生同業組合連合会ホームページより