関西から飛び立ち、途上国で頑張る!派遣中の協力隊を紹介します-Part29-【大阪府】

Salibonani !! (ジンバブエの公用語【北ンデベレ語】で「こんにちは。」の意味で、「サリボナニ」と発音します。)

ジンバブエのブラワヨに派遣されている新行谷(シゲタニ) です。ブワラヨでは、配属先の観光業職業訓練校で、「宿泊」、「レストラン」、「調理」の3つのコースの宿泊コースの学生に対して指導を行っています。

ジンバブエに派遣されてから、1年8カ月が経ちました。ブラワヨは、首都と比べると人が少なく落ち着いており、過ごしやすい街だと常々感じています。そんなブラワヨも、毎年4月末には大きな盛り上がりを見せます。なぜかというと「Zimbabwe International Trade Fair」通称「ZITF」と呼ばれる国内最大の見本市が開催されるためです。今回はこの見本市に参加してきたので、そこでの様子をお届けしたいと思います。

ZITF: 国内最大の見本市

この見本市は世界各国の企業や大使館、そして国内の教育機関等が参加して盛り上げます。毎年見本市のコンセプトがあり、今年のコンセプトは「Transformative Innovation, Global Competitiveness」です。直訳すると「変革的なイノベーションとグローバルな競争力」。このコンセプトに沿った展示を各々行いました。日程は5日間で3日間は見本市関係者の日、最後の2日間は一般公開の日です。

私は今回、配属先(観光業職業訓練校)の展示に関わりました。配属先では、ジンバブエの新たな旅の形として「バイク・サイクルツアー」をコンセプトに掲げました。職業訓練校の学生たち には、様々な観光のスタイルに触れて知見を広げてほしいと考えていた私は、この展示会が自国と日本の観光をよく知る機会になると考えました。コンセプトの思案段階で、日本ではどのようなツアーが開催されているかの情報共有を行い、現地の教員も含めた関係者全員でアイデアを深めました。自国の観光スポットを示したマップを作成することも決まり、そこでは学生がジンバブエの観光資源を再認識することができました。見本市への出展に関わった学生だけでなく現地の教員にとっても、ZITF展示会は観光について考えるきっかけにできたと思います。

このZITF開催中は、とにかく街全体が人にあふれ、車の渋滞は当たり前。普段であれば私の学校から会場まで車に乗って5分で着くところ、30分も掛かるほど全国から人が集まります。ブラワヨ周辺のホテルは満室になり、普段なら空いているレストランも満席が続きます。展示会場の中も、様々な商品を展示している企業が通路の両側 にひしめき合い、5つある大型ホールには、たくさんの展示ブースが並んでいます。ジンバブエには普段から屋台飯がないため、このようなお祭りの際に大阪にいた頃のように、食べ歩きを楽しむことができないのは、物足りなさを感じます。ですが日中は日差しが厳しく、気温も上がるため、アイスや飲み物はそこら中で販売されています。私は配属先とJICAのブースを手伝いながら、全ホールをまわりました。

【画像】

配属先ブースでは、ジンバブエ観光の新たなあり方を提案しました。コンセプトからディスプレイ、デザインまで様々な形でこの見本市に関わることができました。

【画像】

JICAブースでは、ジンバブエ支所の実施する事業全般についての質問が多かったものの、自身の紹介をすると、ボランティアのことにも関心を示す人も多数いました。

途中、SPやその他関係者50名ほどに取り囲まれ移動する大統領に遭遇しました。大統領の持つオーラに少々圧倒されつつも、毎年期間中の1日は必ず大統領が展示会に訪れるほど注目度の高いイベントだと再認識できました。車から牛、馬、作物となんでも展示している会場は見てまわるだけで楽しく、普段かかわることのない分野についての話が聞ける貴重な機会となりました。

これまでの新行谷さんの記事はこちら