関西から飛び立ち、途上国で頑張る!派遣中の協力隊を紹介します-Part30-【奈良県】

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氏名:美淋 光哉
出身地:奈良県
隊次:2022年度1次隊
職種:小学校教育


JICA海外協力隊参加のきっかけ

学生時代に所属していた国際協力を実践する学生団体でラオスに渡航し、現地の子どもたちや教員と出会ったことが、現地で共に考え共に良い環境を作る草の根レベルの協力活動を志すきっかけになりました。

自己紹介

初めまして。2022年7月よりアフリカはサブサハラ地域のカメルーン共和国で小学校教育分野にて活動しています美淋 光哉(みりん ひろや)と申します。今回から複数回にわたって自分自身の活動やJICA海外協力隊、カメルーンという国についてお伝えするにあたって、私自身もカメルーン、加えて協力隊の意義・目的についてより深く認識する機会にしたいと強く感じています。

JICA海外協力隊への参加経緯

学生団体の有志でラオスの支援先へ訪問したことが私にとっては大きな契機でした。当初は初めての海外渡航ということもあり期待に胸を膨らませていましたが、その村の子どもたちや教員を取り巻く状況にただただ圧倒されるばかりでした。私たちは日本で資金調達を行い教育物資の支援をしていましたが、実態を目の当たりにしラオスでの滞在の5日間はひたすらに無力さに打ちひしがれていました。

しかしそこで私は村長や教員、子どもたちとの対話を重ねる中で、活動していることへの自信や意義が感じられました。併せて、より深く現地の人たちと関係性を築き、共に課題を考え見つけ、共に考えてより良い環境を創ることで貢献したいという気持ちが湧き上がりました。

その後大学3年次を休学し、2019年度3次隊として参加予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、派遣が延期となり、2022年7月からカメルーンにて活動しております。

カメルーン赴任後の活動

砲丸投げの科目では用具がなく、石を使って教える先生の授業

砲丸投げの科目では用具がなく、石を使って教える先生の授業

私は首都ヤウンデから北西方向に約160km(車で約4時間)のナンガエボコという小さな村で、主に教員を対象として初等教育における情操教育の普及に向けて活動しております。2000年に初等教育が無償化されたカメルーンですが、各都市によって教育格差が大きく、教員の不足、指導力の差、カリキュラムの指導が行われていないこと、教室や教材の不足、留年 の多さなど様々な課題がこの地域には存在しています。これらのような課題を現地教員との協働によって教育改革を推進すべく赴任いたしました。


現在は、定期的なアンケートやモニタリングといった調査活動を続けながら、授業・評価手法の改善支援を目的として教員への授業補助・コーチング・研修を主に実施しております。活動テーマは「習慣化と裾野の拡大」です。教員によっては経験やアイデアがないという事例もあり、まずは共にカリキュラムに沿って実施することを継続し、その過程で発生した疑問や懸念を対話を通して共に解決し能力改善の支援に努めること。そして、現在の活動校以外でも活動を行い、より多くの教員が能力改善できるように、影響力を伝播させること。何より教員を対象に活動することで、児童がより良い教育を受けられるような支援をすることを第一にしたいと考えています。

また他には地元の奈良県など日本国内のJICA関係者からの依頼を受けて、イベントへのオンライン登壇や講演、執筆活動を継続しています。子どもたちが世界を知るきっかけ作りに貢献したいと強く感じています。

これからもナンガエボコにて初等教育に携わるあらゆる人々、事務所の上司や同僚、各学校の校長や教員などを含めた地域の皆さんと対話を重ねてそれぞれの考えや価値観、文化を尊重しながら、カメルーンの宝である子どもたちの為の支援活動に努めたいと考えています。

学校と先生と子どもたち

学校と先生と子どもたち

前転を教える先生

前転を教える先生