草の根技術協力 異文化理解教育のファシリテーター研修を待機中の海外協力隊に実施

2020年9月3日

JICA関西では、従来、日本の地域や学校の教育現場で開発教育(国際理解教育)を行ってきていますが、コロナウイルス感染拡大の影響により遠隔教育が急速に普及し、ICTを活用した開発教育のニーズも高まっています。そこで今回、JICA関西では、草の根技術協力を活用して異文化理解教育を推進するNPO法人「PANGAEA」(パンゲア、京都)による「ICT教育ファシリテーター研修」を実施し、そこに海外協力隊員が参加しました! PANGAEAは、2001年の米国同時多発テロ(9.11)をきっかけとして活動を始められ、世界のこども達が言葉、距離、文化の違いの壁を乗り越えて、ICTを通じて個人的なつながりを感じることの出来る場「ユニバーサル・プレイグラウンド」を構築しているNPO法人です。2018年度には、(独)国際交流基金から地球市民賞を受賞しています。

PANGAEA×JICA  JICA海外協力隊員にスキルアップのチャンスを

オンラインでのファシリテーター研修の様子
写真提供:特定非営利活動法人パンゲア

PANGAEAのプログラムには、国内外に既に300名を超えるファシリテーターが存在し、海外はケニア、カンボジア、ジョージアにファシリテーターが育ちつつあります(ケニアはJICA草の根技術協力で支援中)。
「JICA海外協力隊の皆様にも、このプログラムのファシリテーターになるための研修を受けてほしい」というPANGAEAの想いとご尽力もあり、現在、新型コロナウイルスの影響により一時帰国中の隊員を中心に、合計10名の隊員が研修に参加しています。研修は年度内に合計10回行われる予定で、その初回が8月末に実施されました。
隊員は主に教育系の職種で各国に派遣されていた隊員であり、今後現地での活動が再開された際には、今回の研修を生かして、活動任地と日本国内の子供たちを繋ぐアクティビティが実践される予定です。
「派遣が再開されるまでの間は、日本からパンゲアプログラムにご参加頂き、派遣再開後は現地でファシリテーターとして活躍頂くことにより、隊員の活動の幅も、活動を日本へ還元する機会も広がるのではないかと思います。」と協力隊への熱い想いを話すPANGAEAスタッフ。このような海外協力隊と草の根技術協力事業のコラボを通じて、異文化理解教育が一層推進されることが期待されます。

参加隊員は…

隊員にとっても、非常に有意義な研修であるという声が届いています。
研修参加者からのコメントには、最初は不安もあったけれど、和やかな雰囲気の中(オンラインで)話を聞くことができて、とてもためになる内容なので引き続き頑張りたい!という声が多くありました。
「ネット回線やコンピュータのブラックボックスが視覚化されて良かった。」「丁寧に色々学べて良かった。」
「説明会の時には、自分はファシリテーターになれるのか?とイメージが沸きづらかったが、今日参加してファシリテーターになるイメージが少し掴めた。」
「憲章、コンプライアンスなど根底にあることが分かって良かった。「責任」を持って現場をやっているということが、こういったことからも良く分かった。」
などといったコメントがありました。

コロナ禍で沈むニュースが多い今日この頃ですが、オンラインでの研修やセミナーは増えてきています。お家時間を、少しでも自分磨きの時間にできれば、この研修に参加されている隊員のように、前向きに楽しく、頑張れるかもしれません!
PANGAEAの森理事長はじめスタッフの皆様、JICA協力隊員向けの貴重な研修機会を提供いただきありがとうございました。