兵庫の伝統工芸・丹波焼産地で陶芸体験!

2022年3月31日

登り窯に興味津々

3月21日(月)、アジア、アフリカからのJICA留学生8名が、兵庫県丹波篠山市の兵庫陶芸美術館と丹波伝統工芸公園陶の郷を訪れ、丹波焼について鑑賞・体験を通して楽しみながら学びました。

兵庫陶芸美術館で丹波焼とオールドノリタケを鑑賞

丹波焼について知る

訪問日の数日前から展示が始まったばかりの「丹波焼の世界season6」と「オールドノリタケ×若林コレクション」を鑑賞。

まずは伝統工芸である「丹波焼」の展示室で、13~20世紀までの丹波焼を鑑賞し、同行してくれた職員の方から最も古い展示物について「700年前のもの」という説明を受けた際、留学生の皆さんから驚きの声が漏れました。水道のない時代に水をためておくための大きな水甕(みずがめ)からお酒を入れる徳利(とっくり)、花の模様がついたお皿等、時代によって丹波焼が変わっていく様子を見てその歴史を学びました。

Sigietさん(インドネシア)からは「とても古い時代からの歴史的なものが保たれ、現在まで保存されていることと、その日本文化に感動した」という感想がありました。

褐色の落ち着いた色合いや比較的シンプルな模様・形状のものが多かった丹波焼の展示室から、次はとてもカラフルで19世紀からと年代も大きく異なる「オールドノリタケ」の特別展へ移動。植物や動物、人物や風景などが装飾された華やかな陶磁器の展示を楽しみました。中には異国情緒あふれる陶磁器を集めたケースもあり、和風やアジア、エジプト、オランダ、ギリシャ風の絵柄や装飾が施された陶磁器を興味深く鑑賞していました。

来日後美術館に来たのが初めての留学生がほとんどで、写真を撮ったりしながら思い思いに展示を楽しんでいました。

陶の郷で手びねりで作品作りに挑戦

初めての陶芸体験

美術館での鑑賞の後は、自分だけの陶器作りの体験へ。

まずは、山の斜面を利用したレンガ造りのトンネル状の登り窯を見学。蛇窯とも呼ばれるそうで、まさに蛇のように長い構造で、中をのぞき込む留学生もいました。

そして、粘土細工の陶芸教室で作品作り。竹べらや手動のろくろ等初めての道具や粘土の扱いに始めは緊張しているようでしたが、少しずつ慣れてくると、「先生!」と指導員の方を呼び、自分の作り方が間違っていないかを日本語で質問したり、留学生同士で教え合いながら、マグカップや平皿、小物入れ等を真剣に制作しました。

Mariamさん(ジョージア)は「陶芸教室の作品作りはアートセラピーのようにも感じた」と感想をくれ、手で粘土をこね、好きなデザインを形にしていく中で、癒しやいつもの生活では得られない経験ができたようです。


JICA関西では関西2府4県の地域や文化についてJICA留学生に知ってもらい、地域の皆さまや他の留学生と交流できるような場を企画しております。関西の温かさを知った留学生が大学院を修了し帰国した後も、関西のファンとなり、そして自国と関西との懸け橋になってほしいと思っています。地域の皆さまにも、JICA留学生と交流するこのような場が開発途上国を知るきっかけとなりましたら幸いです。

(業務第一課 吉田)